「……っん」 「悠衣……入れますよ？」 「うん……来て、柊兄……あっ」 　膨張したものを尻に当てがい、焦点を定めてゆっくりと解されたそこに柊は挿入していく。 「んうぅ……はっ、あ……柊、兄……手、握って……っん」 　苦しんでいる様子はないがそれでも怖いのか、手を向けてくる悠衣に恋人のように手を絡ませ、柊は右手を前に回して悠衣の勃ち上がったそれに触れた。 　ぶるりと震えるものを包み込み、優しく上下に動かす。 「あっ！　……柊兄、それ、やめて……すぐ、すぐイッちゃ……あぁぁ！」 　長い間放置されたそこはすぐに白濁を零し、それを搾り取るようにギュッと柊は上へ握った。 　くたりと力を抜いた悠衣の奥へ、柊は止まらず進める。 「はっ、あっ……柊兄、少し、休……ふっ、ん」 「もう少しですよ」 　休みたい、と言う言葉を言わせないとでもいうように、柊は悠衣の首下辺りを吸い上げる。 　ゆっくりと推し進め、もう抑える余裕はないのか、悠衣の口からも嬌声が絶えず漏れるようになった頃。 「入りました」 　柊のその言葉に、悠衣は安心したように息を吐くのが分かった。 　荒くなった息を落ち着かせるために吸い込み、悠衣が後ろを振り向く。 　その意図を理解した柊は、顎を捉え艶めく口に口づけた。 「はっ、ん……しゅう、に……んう」 　キスの間に自分を呼ぶ声に、全身から醸し出される甘い香りに、まともな思考が働かなくなりそうなのを必死に抑えて、柊は「動きますよ」と言って下がっていた尻を高く上げさせた。 　そして抜いたかと思うと、一気に入れる。 「あっ！　あっ、はっ……っつ……あっ、っん」 　最初は丁寧に、だが段々と抑えきれなくなり、その速度は早められていく。 「もっと、ゆっくり……ダメ、触っちゃ……また、すぐ、イッちゃ……」 　蕩けた顔をして、悠衣は再び勃ち上がった自身のものに触れた柊を後ろ向きに眺めた。 　早いピストンと共に手の動きも早くされ、それが射精を促したのか、再び白いものを悠衣は吐き出す。 　それでも止めない柊に、悠衣は抗議の声を上げた。 「柊兄、っん！　……もうダメ、壊れちゃう、から……柊兄！」 「すみません。もう……抑え、効きそうにありません」 「あぁ！　……あっ、あっ、あっ……っつ」 　ラストスパートと言うように速度を上げ、へたり込みそうになる悠衣の腰を掴み、射精の前に柊は悠衣の中から自身のものを取り出し、悠衣の背中に白を散らした。 　ベッド上にあるティッシュを取り出しそれを拭い、ちり箱に捨てる。 　そして完全にベッドにお腹を付ける悠衣の横に寝転んで、悠衣を腕の中に閉じ込めた。 「良かったですよ、悠衣」 　未だ息の荒い悠衣は紅潮した頬をして、柊の首に手を回す。