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誕生日早々、祝われるより集られたおにーさんはどっぷり疲れた様子でソファに沈む。夜は思ったよりも遅くなってしまい、おにーさんとお弁当を買ってきて食べた。 「悪いな。飯作ってやれなくて」 「たまには良いよぉ。おにーさん、ちゃんとケーキの分お腹空けといてね?」 「はいはい」 忘れずにケーキだって取りに行った。 大好きなおにーさんの誕生日、お祝いをしたい。 「誠、穂波とは話せたのか?」 「うん。おにーさんたち、よく似てるね」 「そうか?」 「ミホちゃんとおにーさんは表情や口癖がそっくり。穂波ちゃんとおにーさんは顔立ちがよく似てる。ミホちゃんと穂波ちゃんは中身がよく似てそう。穂波ちゃんも底が知れない」 「まあ、穂積と穂波はよく似てるな」 「誰が1番さでぃすてぃっくなの?」 似たものきょうだいとは言ったもので、本当にそれがよく当てはまる夏目3きょうだい。顔立ちだってああきょうだいって見てわかるほどにみんな似てる。より似てるのは穂波ちゃんとおにーさんだけど、ミホちゃんもどことなく似ている。 そして誰が1番さでぃすてぃっくなのか、俺の素朴な疑問だ。 「1番性癖が歪んでるのは穂積。1番やることがえげつないのが穂波。誠、俺が飼い主で良かったな」 「………おにーさんも大概歪んでるし、えげつないことしてるよ」 「お前なあ」 呆れた視線が俺に向くけど、俺は間違ってない。 そもそも人を飼うなんて信じられないし(飼われたのは俺だけど)、俺から見ればおにーさんもミホちゃんも穂波ちゃんも、さでぃすてぃっくというだけで十分に性癖が歪んでいると思う。 えげつなさは比べられないけど、ミホちゃんとおにーさんならミホちゃんのがえげつないと思う。おにーさんは気持ちいいこともしてくれるけど、ミホちゃんはきっと痛いことの方が多い。 「前、輪ゴムで縛っただろ」 「すっごい痛かった」 「それは置いとけ。俺は時間とか気にしてやるけど、穂波はそんなんしねえよ。それこそ青黒くなってもやめねえよ 」 「え?」 「限界ややっちゃダメな範囲が見えてねえの。穂波の方がえげつないだろ」 想像しただけでおちんちんがヒュンてした。 おにーさんはあの時、30分くらいだと言ってその時間は散々遊ばれたけどそのあとはすぐに外してくれた。待って、血の巡りを妨げてるのに時間を考えないってやばくない? 「おにーさん、俺のこと壊さないでね」 「はあ?大事にしてるだろ」 「………俺のおちんちんは、たまに壊れてる」 「ははっ、そうだな。あれすっげぇ可愛い」 かあっと顔に熱が集まってきて、多分真っ赤になった顔のままおにーさんを見る。おにーさんも俺を見てて、ふっと顔を緩めて笑った。 「すっげぇ可愛くて好きだから、また見たい」 「へっ!?」 「誠」 やだ、やだやだっ! ふるふると、少しだけ首を振る。あんな風にうまく精液が出せないのは本当に辛い。おにーさんはちゃんと出せるようになるまで手伝ってくれるけど、だらだらといき続けるものを触られるのは気持ち良過ぎて辛い。 だけど、首を振った視界の先で見えたケーキの箱。今日はおにーさんのお誕生日で、俺に何もしなくていいと言うおにーさんが唯一ねだったのがこれで………。 「誠」 優しくて、甘ったるい声で呼ばれて、これに弱い俺は何も考えることなく、コクンとただ頷いていた。 おにーさんのために買ったケーキはそのあと冷蔵庫にないないされて、俺はおにーさんと寝室に移動した。 おちんちんを縛られて、それでもとろとろ蜜を垂らしながらおにーさんのものにご奉仕して、そんな俺を見て満足げに顔を歪ませたおにーさんに、俺の心臓はバカみたいに高鳴った。

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