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やっとやって来た日曜日。 新年早々、午前様が続いてヘロヘロだった俺は土曜日だというのにおにーさんとエッチなことをする前に寝落ちした。夜ご飯を食べてからの記憶がプッツリと切れているから、ソファに座ったまま寝てた可能性が高い。それでも今ベッドにきちんと寝ているのはおにーさんが運んでくれたからだ。スマホを見るともう昼に近い時間で、何時間寝てたんだろうと首を傾げた。 「おにーさん、おはよぉ」 「おはよう。よく寝たな」 「うん。俺、いつ寝た?」 「食器片してる間に寝てたから8時前には寝てたな」 「15時間も寝てたの……」 疲れてたんだろと俺の頭を労わるように撫でてくれた。 ぎゅうっとおにーさんに抱きつくとそのまま抱き上げてくれて、あれ、もしかして寝起きからエッチなことする?なんてちょっと期待したバカな俺。 おにーさんが俺を連れて来たのは寝室ではなく洗面所だった。 「?おにーさん、俺昨日お風呂入らなかった?」 「風呂じゃねえよ。いいから乗れ」 おにーさんの視線の先には体重計。 促されて乗ると、体重計は50.0と49.9を行ったり来たりを繰り返し、最終的に50.0と表示した。 どうやら俺は1キロほど痩せたらしい。 「ギリ50か」 体重計から降りて、洗面所の鏡に映る自分を見る。体重計に乗るためにパンツ一丁な俺はあちこちの骨が浮いて、気持ち悪い体をしている。自分のお腹を触ってもぺったんこ。柔らかさなんてほとんどない。 「誠」 「はあい」 「50切ったらセックス禁止な」 「ええっ!?」 そんなあ!なんで!?気持ち悪い? 驚いて、そしてしゅんとする。 こんな骨ばってほっそい体、おにーさんが好きって言ってくれなきゃ、おにーさんが可愛がってくれなきゃ気持ち悪くてバカな体でしかない。なんの意味もない。 「50キロは維持しろ。壊したくねえんだよ」 おにーさんの優しい声と顔。意地悪したくて言ってるわけじゃないということは十分に分かった。分かったけど。 「痩せようとしてないもん。3食ちゃんと食べてたもん」 「知ってる」 「…………」 「拗ねるな」 「だって」 だって俺、性生活もおにーさんに完全依存だもん。 オナニーなんかじゃいけない。おにーさんに触られたらお尻が疼くし、おにーさんにご奉仕してても口なんかじゃなくてお尻にちょうだいって思うし……。 「夕方に補食作ってやるから」 「ほしょく?」 「補う食事。栄養はそこそこ取れてるだろうからカロリー摂取目的の食事」 うん? 3食のご飯とは別にカロリーを摂取するために何か食べるってこと? 「1回の食事量を増やすと、今度は減らすのがしんどいんだよ。だから食事回数を増やす。平日もおにぎり作るから持ってけ」 「………50キロあったらエッチできる?」 「ああ」 「今日も?」 「ギリだな」 「ちゃんと食べるから、俺とエッチなことしてください」 「ぶぶっ」 俺は真面目に言ってるのにおにーさんは勢いよく吹き出した。なんか変なこと言った?おにーさんは笑いから立ち直ると、ほんとバカだなと意地悪に笑った。 そんな笑顔を見て、すぐにでも意地悪されたいバカな俺がむくむくと出てきて、だけど当然俺の健康管理に厳しいおにーさんがご飯も食べずに今の俺とエッチなことをするはずもなく、悶々とした気持ちでお昼ご飯を食べることになった。 「お前、ほんといい子に育ってんな」 「でしょ?もっと褒めて」 自らねだる俺に、はいはいとため息をつきながらおにーさんはヨシヨシと撫でてくれた。

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