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99.
色々な意味で疲れた入浴を終えて、ソファに沈む。
ひんやりとしたソファが気持ちいい。
せっかくおにーさんとお風呂に入ったのに、大事な大事な下生えを失うわ、大層気に入ったらしいおにーさんに何度も撫でられてバカな俺の体は我慢を強いられるわで楽しめたのかどうかは怪しい。だけど、シャンプーされるのはすごく気持ち良かった。もこもこ泡立てた泡で体を洗ってくれるのも好きだから、多分懲りずにまた入れてってしばらくしたらねだると思う。
「おにーさん、なんでそんなに剃りたかったの」
素朴な、というより当然の疑問だ。
確か最初はおにーさんに初めて会った日だった気がする。剃ろうとするおにーさんを必死に止めた。そして、思い出したように今剃られた。いつ失うかの問題を先延ばしにしていただけで、結局はツルツルにされた。
「可愛いだろ」
「何が?どこが!?」
「いい年した大人がさ、剃られてツルツルになってんの。俺にしか見せない姿がすっげぇイイ」
…………歪んでる。
おにーさんの独占欲の一種なんだろうけど、歪みすぎ。確かにこんな姿、やった張本人のおにーさんにさえ見られるのは恥ずかしい。おにーさんのことだからそんな俺を見ても楽しんでるんだろうけど、された方が堪らない。
おにーさんをむっと見上げると、うっとり笑って俺を見てた。話にならないとプイッと顔を背けて、心の中で早く生えますようにと祈ることにした。
「あ、んま、見ちゃやだあ」
「それは無理」
無理がむり!
ツルツルにされたそこを、明るい部屋の中で見られるのはすっごく恥ずかしい。見られたことは何度もあるはずなのに、それがあるかないかだけでなんかすっごい違う。
「すっげぇイイな。可愛い」
「ぅ、あっ、もぉやめてぇっ」
いやいやと首を振る。見られてるだけでも恥ずかしくてたまんないのに、うっとりした様子で可愛いなんてしみじみ言われたら恥ずかしくて死ねる。
布団を手繰り寄せて体を隠そうとしたけど、おにーさんがダメだと俺を抑え付けた。見下ろされる体勢から、少しおにーさんの顔が近くなってドキドキする。俺が次に何をねだるかばれていたのか、ねだる前にちゅーしてくれる。息する合間に聞こえる可愛いって声がやばい。ドキドキなんか通り越してバクバクする。
「ふぅ、んっ、ンっ」
「やっばい」
「ふっ、ん?」
何がって聞きたいのに聞けない。今分かるのはおにーさんも興奮してるってことだけだ。俺の体に当たるものは、硬い。いつもより、おにーさんのキスだって荒々しい。こんな情けない、恥ずかしい格好でおにーさんがこんなに興奮してくれるなら、ずっとこのままでもいいかもしれない。
おにーさんの手が俺の乳首に伸びて、ゆっくりと撫でる。ちょっと触られるだけで、いじめてってぴんと立っちゃう俺の乳首。
形を確かめるように撫で回して、押し潰される。
「ぅ、んあっ!」
ちゅって音を立てて唇が離れて、おにーさんの唇は俺の首に移動する。軽く吸われて、吸ったところを舐められる。ちゅ、ちゅと何度も音がするのに、待っている刺激は来ない。
「おにー、さぁんっ」
「ん?」
「か、噛んでぇッ、ガブって、ガブってしてえっ」
「………あんま煽んな」
そお言われたって!
おにーさんがそう仕込んだくせに!
痛いだけはやだ。
気持ちいいだけじゃ足りない。
「やだっ、優し、だけじゃやだっ!」
「ワガママ」
「ッ、アッ、んっ」
ソフトなエッチは、おにーさんに似合わない。
ねだるとずっとこねこねしてた俺の乳首に爪を立てられて、急な痛みに体が浮いた。
「ひ、ぁんッ、んっ」
「いい体」
「あっ!んんっ」
唇がどんどん下に滑って、俺の乳首を捉える。
今日は噛んだりせず、ぢゅっと痛いくらい吸われた。何度も、何度もしつこく吸われるとただ舐められるだけでも痛くなる。いやと体を捩れば唇からは逃げれたけど、その代わりおにーさんの意地悪な手がすでにいじめられて痛いくらいピンと立った乳首を引っ張った。
「痛ぁ、っ!やんっ、あっ、痛あっ」
「気持ち良さそうだな」
「んんっ、もぉ、吸っちゃやあっ」
「はいはい」
「ひァッ、アアッ、やっ、あーッ」
まさか噛まれるなんて思わなくて、痛くて体がびくんびぐん跳ねて、快感が身体中を巡る。触られるだけですごく感じて、怖くなっていやいやと逃げるけど当然逃げ場なんてそんなにない。
おにーさんは俺の反応を見て楽しそうに笑うだけで、意地悪なその手は待つんじゃなくて俺の乳首をこねこねした。
「まっ、ふぁ、ンっ」
待ってって言いたいのに、キスして口を塞がれた。
やめてっ、俺口の中一緒にされたらダメなのっ、そんなの知ってるくせに今はやめてっ、言いたいことはいっぱいあるのに言えなくて、気持ちよくって涙が出た。
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