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嵐のようにやってきたミホちゃんは俺を蹴り倒した後、妙にスッキリした顔で帰るわと帰って行った。軽い蹴りだったけどやっぱり当たると痛いから逃げていたのに、おにーさんはこのくらいなら見逃すスタイルらしく平然としていた。
「なんで助けてくれないの」
「そんなに痛くないだろ」
「そんなに痛くなくても痛いもん」
「どっちだよ」
「助けてくれたっていいじゃん」
「ああいう痛いのを覚えさせておくのもいいかと思って」
「俺に何する気!?」
ちょっと!ちょっと!?
あれはそういうエッチなプレイとは全然違ったよ?ただの暴力だったし!
待って待って!
「覚えさせるつもりなら、穂高さんがして」
むっとおにーさんを見上げて譲れないところを伝える。もし俺があんな蹴るだとか叩くってことまで受け入れるならそれだっておにーさんにしかされたくない。
「俺がお前を蹴ったり叩いたり出来ると思う?」
「お尻はペチペチ叩かれてる」
「あれはいいんだよ」
矛盾!これぞ矛盾!
そう思うけどああやって軽く、ペチンとお尻を叩かれるのはなんとなく興奮するから良いんだけど……ってあれ?俺お尻を叩かれて興奮するの?うん、よし!考えなかったことにしよう。
「誠」
「はぁい」
「ありがとな」
「なにが?」
「穂積。あいつあんなんだけど友達少ねえし、甘え下手が行き過ぎて暴力に出るから」
あまのじゃくってこと?
そんな言葉で片付けるにはちょっと痛すぎるけど、俺はミホちゃんを嫌いにはならない。そうして暴力的なところがあったとしても、それ以上に分かりにくい優しさをたくさん持ってるってことを知ってる。
ふうと息をついてソファに座り込むと、おにーさんも隣にどしっと腰掛けた。ミホちゃんが来る寸前でここでエッチなことしてたはずなのになあ。
あまりに酷い場面での中断に加えてその後の蹴り。俺の体の熱はすっかり冷めた。おにーさんはどうなんだろう?と隣を見ると、苦笑いをして興醒めしたなと言った。やっぱりおにーさんも落ち着いているらしい。
「せっかく潮吹かせたのにな」
「あれやだぁ」
「気持ちよくねえ?」
「いってもいってもせーえき出せないもん」
「タマまでパンパンだもんなあ、すっげぇ可愛い」
恍惚とした顔で話すおにーさんは本当にそう思ってるらしく、俺に精液を出させない時、おにーさんはパンパンになった睾丸を優しく触ってもてあそぶ。パンパン過ぎて優しく触られてても痛くて仕方なくて涙が出るのに、萎えたことはない。
俺がそんな自分の体を嘆いていると、おにーさんがそれよりさと俺の顔を覗き込む。うん?と首を傾げるととんでもない言葉が降ってきた。
「お前、貫通型と非貫通。どっちがいい?」
ほわっつ?
ほわい?
「好きな方買ってやるよ」
「要らない!」
「ああ?」
うぅ、睨まないでっ!
しかも分かってるって!おにーさんが2択を提示するってことは選ばないならどっちも試すとか言うんでしょ?
「選ばないなら貫通型付けて非貫通に突っ込んでやるよ」
「ふあっ!?やめて!やめて!!!」
「なら選べ」
選ばないならどっちもっていうのは正しかったけどオナホの使い方おかしくない!?っていうかそんなこと出来るの?出来たとしてもされたくないけど!
ううっ、もおやだ。
渋々貫通型と答えると、おにーさんは意外そうな顔をした。
「非貫通のがきつくね?」
「………穂高さんはズル剥けだから」
「は?」
「仮性包茎の俺はあんなキツイのに入れると先っぽが痛いの」
「へえ、知らなかった。女に入れんのは問題ねえの?」
「それは何度かしたら慣れたけど。初めてコンドームをつけた時はあれにさえひいひい言った……」
ぶぅっと吹き出して笑われるけど俺は真剣だ。普段はないないされて守られてるところにゴムが触れる事でさえひいひい言いたいのに女の子の中に入れるなんて、まあひいひい言った。初めてした時って、気持ちよさは感じたのにゴムのせいでわけわかんなくって大変だったなあ。
「お前、ほんと飽きねえわ」
「?」
「剥こうとしたことねえの?」
「あるよぉ。皮を下ろして絆創膏で止めてみたけどダメで、一回ヘアゴムで固定したら痛くて涙出「ぶぶっ」
そんな笑わなくていいじゃん!俺はおっきしたらちゃんと剥ける仮性包茎だけど、真性包茎だと手術があるくらいなんだよ!?包茎は包茎なりに悩みや葛藤があるんだから!
おにーさんは笑って悪かったって言ってくるけど、笑いを堪えてるのがもろバレだから意味はない。
そう怒んなって言いながら頭を撫でてくれるけど、俺の機嫌は優しいちゅーをされるまで治らなかった。
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