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抑えられてた足も解放されて、ベッドに体を投げ出してぼんやりおにーさんを見る。ゴムを外してきゅっと結んでゴミ箱に投げている姿は少し気怠げだ。 そういう俺もクタクタだけど、クタクタところがビンビンなままのものがあるせいでどうにも落ち着かない。 「抜く?」 「………ぅん」 「何で抜かねえのって思ったけど、お前は抜いてもうまくいけないから変わりねえか」 「………俺の体って相当ポンコツだよね」 「まあ可愛いしいいんじゃねえの」 これの何が可愛いのか俺にはいつまで経っても分からないと思う。 やっと息が落ち着いて来たのに、おにーさんがおもちゃを持ってわざと抜き挿しするもんだから俺はみっともない声を上げてまたいった。 その時おもちゃが出ていくけど、塞ぐものがなくても勢いよく精液が出ることはなかった。そしてこの、ゆっくりとだらだら溢れ出すような射精は気持ちよさが続いて怖くって、いつもおにーさんに助けを求める。 「んあっ、穂高さぁんっ、出な、出なぁよおっ」 「ほんとどういう作りしてんだろうな」 「んンッ、アッ、ぁっ」 知らないっそんなの俺が知りたい。 毎度のことながらちゃんと精液が出るまで手伝って貰ってようやく溜まった精液を出し切った。 「ふぁ、ぁっ、だめぇ、出ちゃアッ」 「出していいから」 「んっ、見な、いでっ」 「それは無理」 「ッ、ひどっ、ひどいっ」 ぐずぐず泣きながらおしっこを漏らすのももう3度目。 2回も3回も変わらない、じゃなくて2度あることは3度ある。俺には3度目の正直として漏らさないなんて奇跡は起きなかった。 ほんともう救いようがない。 「ぐずっ、ゔぅっ」 「泣くなって」 「もぉやだあっ」 「1回やったんだから変わんねえよ」 「変わるもん!」 「なにが?」 なにかが! もおっ!っと恥ずかしくてふんと顔を背けると濡れたシーツが足に当たってうええってなる。 背けたばっかりなのにおにーさんを見て、お風呂と手を上げてねだった。俺にバスタオルを巻きつけて抱き上げ、お風呂場に連れて行ってくれた。 シャワーで洗い流して、おにーさんに体を拭いてもらってソファに座る。すぐに寝転がってふぁあとあくびを噛み殺しているとおにーさんが俺の足を追いやって同じようにソファに座った。 「はい、お茶」 「?」 「喉乾いてねえ?」 「……渇いたかも」 「色々出してたしな」 「穂高さん、やっぱり俺のおちんちんに何か入れるのはやめよう?」 「なんで?お前好きだろ」 「………俺が好きかどうかは置いておいて、恥ずかしさが尋常じゃないし、片付けが大変でしょ」 「そんなに」 片付けるおにーさんにこう言われるとは。 いくら自分がそうさせたとはいえ片付けるのなんて嫌だと思うけどなあ。 ちびちびとお茶に口を付けながらおにーさんを見ると優しく笑っていて、俺の方が見てられなくてお茶に視線を戻す。 エッチはちょっとアレだけど、やっぱり俺を甘やかすのが上手い。おいでって言うように膝の上を空けてくれて居て、たまらず俺はそこを枕にする。 朝から正座させられて始まったゴールデンウイークは、おにーさんにたくさん甘やかされた。結局正座してた時間よりもおにーさんに甘えてた時間の方が多くて、何だかんだ充実した休みだった。 その日の夜ごはんにデザートが付いていたのはもちろん、翌朝も俺は休みだからと手の込んだ朝ごはんを作って、気をつけてなと見送ってくれたおにーさんに俺はすごく元気をもらって出勤した。

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