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219.
夕方になるとご飯の前にお風呂にも入れてもらえたりして、誕生日の偉大さを知る。
「一緒にお風呂久しぶりだね」
「のぼせんなよ」
「うん。ふぁあ、極楽」
2人で入ると狭いけど、その分くっ付けるから俺は好き。
遠慮なく俺の後ろにいるおにーさんに凭れるとそっと手を回してくれる。
その手がそっと下に降りて俺の股間を撫でる。
「穂高さんっ!?」
「ん、やっぱいいな」
「もおおっ!さっき見たんだから触んなくていいじゃん!」
「お前もツルツルの方が触り心地いいと思わねえ?」
「俺は自分のおちんちんを擦ることさえしないから分かんないもん」
「ぶっ、くっ、笑かすな」
「笑っててもいいから触んないでっ!」
どぉせねだったってお風呂では何もしてくれない。
それならムラムラさせられるだけ損なのだ。
ツルツルのそこを触って満足したのか、うんと声を漏らして俺のお腹に手が戻ってくる。
そして甘えるように俺の首の後ろ側におにーさんの唇が当たる。くすぐったくて愛おしくて、たまんなかった。
お風呂から上がってご飯を食べて、もちろんケーキも食べた。
今年の誕生日はすごく幸せで、このあったかい気持ちに包まれたままエッチなことして寝るもんだと思っていた。
「聞いてないっ!」
「言ってないしな」
「やだやだやだやだ!なにそれ!」
「最近誠のこと縛り足りないんだよ」
「それ縛る違いね!束縛はいいけど緊縛はやだよ!」
「………ならどっちがいい?」
「拒否権!俺に拒否権!」
「選択権があるだけありがたいと思え」
おーぼー!ぼーくん!
俺の誕生日なのに!すっごい優しく甘やかしてるのには裏があったじゃん!ああもおおっ!
俺が悪い子になったり暴れない限りは縛られることはないと思ってたのに、なんだよぉあれ。いつかおにーさんが俺の首に付けてきたチェーン付きの首輪と似た素材。
それが首から手首になって、手首の間についたチェーンは10センチもないだろう。つまりあれを付けたら俺の両手の自由は奪われたも同じだ。
そしてもう片手に持つのは暴力的な快感を俺に植え付けるアレだ。なんでだか少しパワーアップして見える。太くなったとかではなく、形状がよろしくない。ぽこぽことしたくびれが続いていてあんなの入れたら絶対にやばい。
こんな選択肢は無しだ。
「やだっ」
「選ばないなら両方使うけど?」
「手首は絶対にやだ。穂高さんに触れなくなるのはやだっ」
「…………こっちは?」
「前のでおかしくなってるのにこんなの無理だもん」
「気持ちいいだろ?」
「過ぎた快感は暴力だもん」
「誠」
「うぅっ」
ずるい。
ほんとにずるい。
こういうところ無理やり来ないのはほんとにずるい。
「首、は、良いよ」
「うん」
しぶしぶ折れた俺をいい子って撫でて、ゆっくりベッドに押し倒される。寝転がった俺に跨がるおにーさんは姿勢を倒して俺のほっぺにキスを落とす。
けどこんなことしてくるなんてわかってる。今日のおにーさんは選択肢を多分与えていない。同じ種類で2つあるなら選ばせてくれるけど全然違うものが2つ。おにーさんは両方選ばせるつもりだ。
「やだっ」
「誕生日サービスだって」
これの何が!?
なんとも重苦しい首輪をつけられ、おちんちんには変なものを入れられそうになってるこの状態の何がサービス?
おにーさんの誕生日ならまだしも俺の誕生日だよ?
「誠って案外俺に好きにされるの好きだろ」
「………」
黙った俺の首にジャラッとした何かが付けられる。そして引き寄せるように少し強く引っ張られるともちろん体がついて行く。
ああダメだ。こんなの嫌いだって言いたいのに俺期待してる。おにーさんに酷いことされるのは、どうしてもゾクゾクする。俺はこの人に、そんな風に教え込まれてる。
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