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2-7.
どのくらい経ったのか、ハッと気づいた時には俺はふかふかのソファに座っていた。
「へっ!?ソファ!?」
「おかえり」
「あ、ただいま。え、なんでソファがあるの?え、ベッドは?」
「あっち」
そう言う穂高さんの視線を追うと扉がある。
ふらふらと扉に近寄り、オシャレなドアノブを回すとベッドがある。おっきい、って言うか。
「オーシャンビュー!?」
「リビングからも見えてただろ」
「え、ほんとに?あれれ、ホテルってこんなだったっけ?部屋にベッドと備え付けの机があるくらいじゃなかった?」
「そういう部屋もあるだろうな」
あ、そうなの。
やっぱりいい部屋なんだね。
それはいい。もう何も言わないことにして部屋を見て回る。
というかホテルの部屋にリビングとベッドルームがあるってなんじゃこりゃ。
しかもリビングにソファがあるのにベッドルームにも1人掛けのソファみたいなのが2つある。もちろん、窓側に。
そしてベッドの正面にまた扉があって、そこを開くとお風呂場だ。
信じられないのは、その広さだ。
「ひっろ!」
「だろ?あのブラインド動かしてみ、そこからも景色見えるぞ」
「あっ、ほんとだ!すごい!」
「多分夜景も綺麗」
「わぁい!これだけ広いと2人で一緒に入れるね」
「だな」
白い大理石みたいなもので作られた浴室。洗面台が2つもあるし、シャワーは上に固定されてるものと手で動かせるものがあるし、お風呂にはジャグジーがついてるし、すごい。
旅館の貸切風呂とはまた違ったお風呂。これはこれでいい。
そして、お風呂場には洗面台が2つと、それとは別にドレッサーみたいなのもある。さらに扉もあって、そこはトイレだ。
無駄なくらい広いお風呂場だけど、非日常感がたくさん詰まった贅沢なものだというのは俺にも分かった。
お風呂を見て周った後、リビングに戻りもう1つドアがあることを発見する。出入り口の近くにある扉を開けると、またトイレがあった。ベッドルームを挟んで両側にトイレがあるってありがたい、のかな。分かんないけど、トイレは2つもあるらしい。
ようやく探検を終え、俺はアメニティグッズを漁る。
ちょっと、いやかなりいいブランドの旅行用のソープセットが2つ。そして同じブランドの化粧水とかのセットたち。
それ以外にも剃刀や歯ブラシなど、よく見かけるアメニティなんだけど俺がこれまでホテルで見てきたそれとクオリティが全然違う。
そうして眺めていると、俺は初めてみるものを発見した。
「これってバスローブ?」
「そうだな」
「うわぁ、使お!絶対使うっ」
「………」
「あ、これパジャマかな?」
「そうだな」
てろーんと広げてみると俺が着て膝下くらいになりそうなワンピース。俺がキョトンと首を傾げていると、こういうホテルじゃよくあるパジャマだと教えてくれる。
「穂高さんもこれ着るの?」
「着ない」
「パジャマ持参?」
「いいや?どうせ裸で寝るだろ」
「………エッチする?」
「嫌?」
「やじゃないっ!」
その返事に俺が飛びついて喜んだのは言うまでもない。
旅行だしするつもりないんだと思ってたのにそうじゃないんだ!
いつもと全然違うところでするのってやっぱり少しテンションが上がる。
そうして穂高さんにグリグリ甘えて喜ぶ俺は、ニンマリ笑った穂高さんを見てはいなかった。
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