292 / 438
2-11.
恐る恐る、自分の性器に手をやる。
射精する目的でそこを触るのは随分と久しぶりな気がした。
ゆっくり握って、上下に擦るとやっぱり気持ちいい。けど、穂高さんの大きな手がくれる快感には勝てそうにない。
「手伝ってやるから大丈夫」
「んんっ、おっぱい、も、舐めてぇ」
「はいはい」
「アアッ、痛ッ、あっ、」
舐めてとねだったはずなのに噛まれたそこ。
キュンと体に力が入って、俺の中に入った穂高さんの指を強く感じた。そして、痛いはずなのに俺の性器は脈打って、さらにそこを大きくさせた。
乳首を噛まれて、舐められて。
お尻をぐちぐちといじめられて。
おちんちんを擦って、俺はあっという間に精液を出す。
「はあっ、あっ、ぁ、んっ」
お尻から抜けていく指に感じて、息を吐いて精一杯落ち着かそうとしているのにそんな俺にちゅっとキスを落とす穂高さん。
ああ気持ちぃ。頭の中溶けちゃいそうと、キスに夢中になる。
そんな俺を抱え上げて、お湯から出る穂高さん。
そして、浴槽の淵に座る。
無駄なほどに広いお風呂は、浴槽の周りも大理石みたいなもので、座っても十分な広さがある。お湯が残った浴槽のおかげか裸でも寒くないどころか、ほてってる。
「穂高、さん」
「誠、舐めてくれる?」
「ふ、ぇ?」
言葉は頼んでいるけど、俺に拒否権はない。
ああもうっ、中途半端に指を入れられて、もっとして欲しくて仕方ないお尻は放置されてる。
「俺がいったらちゃんとしてやるよ。ローションも持ってきてるだろ」
「ぅん」
今回はするつもりだったんだなと分かる。
ゴムだけじゃなくて、いつも使うローションも持ってきてくれている。多分、今の俺ならローションくらいなくてもソープとかそんなものでなんとでもなると思うけど、穂高さんはそんなことしない。
のろのろと穂高さんの膝から降りて、その足元にしゃがむ。
座ろうと思ったけど思ったより床がひんやりして冷たくて、四つん這いになって穂高さんのものを口に含む。
その時穂高さんがはっと笑う声がして見上げたけど、俺の髪を優しく撫でて笑ったから気にしないことにする。
じゅぼっってやらしい音がする。
顔を動かして、穂高さんの性器を唇で擦って、舌を絡める。
フェラする前から大きかったものの質量がさらに増して、苦しくなってくるのに、それがイイ。
「誠」
「んっ、ぅ」
呼ばれても、俺がフェラを辞めるのは許されないからそのまま見上げる。そして、穂高さんは意地悪く笑ってあっちと視線を動かす。
それを追った俺は、ものすごく後悔する。
そこには洗面台の鏡に移る自分。
顔だけが移るような小さな鏡じゃなくて、洗面台の前全面が鏡のそれは俺や穂高さんの姿を隈なく映している。
角度が悪かったら、穂高さんからお尻が丸見えだったと思う。
だけど、これを指摘するまで穂高さんは見て楽しんでいたのかと思うと恥ずかしくて仕方なかった。
「もうちょっと」
「ふっ、んんっ、ぅ」
一瞬逃げそうになった俺の頭を穂高さんは抑える。
さっきまでよりもっと苦しいのに、すごくすごく興奮する。
穂高さんがゆっくりと腰を動かして、たまに強く抑えたりしながら息を詰めていく。
息苦しさを感じつつも見上げると、すごくエッチな顔した穂高さんがいて、堪らなくてちゅっと口に入ったものを吸う。
そうしたら穂高さんが一層強く俺の頭を抑えて、喉の奥に叩きつけるように精液を出した。
何も言われずともそれを飲む俺に機嫌の良さそうな穂高さんは、俺の口からずるりと性器を抜いていい子と頭を撫でた。
俺はぺたんと床に座って、穂高さんを見上げる。
「なに?」
「………ベッド、いこぉ」
「嫌」
ニンマリと笑ったその顔に、まだまだ俺を辱める気なんだと悟る。
俺は嫌々と緩く首を振って抵抗する。
そんな俺の脇を抱えて、穂高さんは洗面台のそばにあった何かに腰かける。水に濡れても平気そうなその材質……とかはどうでも良くて、問題なのは完全に鏡の正面に来てしまったことだ。
「いっ、いやっ」
「嫌は聞かない」
「やだあっ、ベッドがいいっ」
「嫌」
そうして俺をくるりと反転させて鏡に向き合わせる。
抵抗する間も無く俺の足を開いた穂高さん。
もちろん俺は勢いよく足を閉じた。そうして閉じた足に力を入れるけど、穂高さんは力づくで開かせたりしない。
太腿をゆっくり撫でて、耳元で誠?と甘ったるい声で俺を呼ぶだけだ。
ともだちにシェアしよう!