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2-50.
朝からエッチなことをしたせいで、食べ損ねた朝ごはんと昼ごはんをたんまり食べて、俺はソファに沈み、穂高さんはソファに座った。
「ねえ穂高さん」
「どうした?」
「どうにも誤魔化された気がするけどなんで噛まなかったの」
「………お前大概しつこいな」
気になるんだもん。
最初っから噛みまくってたくせに今更?って感じだし。
「言いたくない、って言ったら?」
最近の穂高さんは少し変だ。
俺がやめてと言ったわけでもないのに1人で勝手に我慢したり、俺を留守番させてみたり。
だけどその理由を言いたくないなら聞かない。だけど、これだけは伝えておきたい。
「なら聞かないよ。けど、したくないならしなくてもいいけど我慢するくらいならしていいよ」
痛いだけのことは嫌だし、痛くなくても手首を縛られるのも嫌。俺が無理なことなら話し合いが必要だけど、俺がこれまで受け入れていたことまで我慢しなくていいと思う。
「穂高さんって秘密主義だね」
「そうか?」
「うん。けど大好き。言いたくない分甘やかそうとするなんてほんと、らしい」
「ははっ、なんだそりゃ」
ほんと、穂高さんらしいよ。
黙ってしまう分、甘やかして甘やかして俺をダメにしようとするところ。
付き合ったからって相手の過去や秘密まで俺のものだとは思わない。言いたくないなら聞かない。俺が素朴な疑問として聞いてしまったとしたなら、言いたくないと言えばいい。
「誠っていつもそうなの?」
「ん?言いたくないことに関して?」
「そう」
「うん、そぉだよ。おかげで冷たいって言われたこともあるよ。言いたくないくせに聞かなきゃ冷たいなんてよく分かんない女心だった」
「ははっ、お前察しはいいのにそれは分かんねえの?」
「うん。言いたくないなら聞かない方が良くない?」
「言いたくなくても興味を持たれないのは嫌ってことじゃねえの?」
「うーん、まあそうだったとしても別に関係ないよ。穂高さんは聞かないって言った俺にホッとしてたもん、やっぱり聞かない」
それが俺の答え。
これまではなら聞かないと言えば冷たい!と怒られたもんだけど穂高さんはホッとした。つまりその答えがきっと正しい。
「誠にはねえの?」
「うん。俺、基本的に何があっても笑い飛ばすように育てられたから」
「いい子に育ったな」
くしゃりと俺の髪を撫でるその手は優しくてあったかい。
聞く方が、きっと俺は後悔する。穂高さんが隠したいことを知って後悔するんじゃなくて、きっと言わせたことに後悔する。
きっと、穂高さんを傷つける。
この優しくてあったかい人が傷つくなら、穂高さんの昔なんて知らなくていい。
昔なんて知らなくても、優しくて穏やかで、だけど意地悪で性格が悪いことはよく知ってる。
それが俺の好きな、大好きな穂高さん。
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