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2-66.
穂高さんの甘やかしたいって、なんなんだろうと思わざるを得ない。けど、俺にそれを言える余裕はない。
甘やかしたいなんて言葉とは全然違って、いつもより乱暴に(雑に?)服を引っ剥がされた。いつもと変わらずどころかいつも以上に噛まれたくった気がするし、いつも以上にしつこくて、俺の乳首は気持ちいいを越えてもう痛い。
「いたぁいッ、もっ、離してえっ」
「痛い?」
「ッ、いた、いいッ」
痛いよ!
見なくても分かる、絶対赤く腫れてる。
だけど穂高さんは萎えてから言えば?と意地悪く言うだけで乳首いじめをやめるつもりはないらしい。
「ふぇっ、おちん、ちんも、触ってっ」
「嫌」
「な、でえ」
もう痛いだけなのに、何でだか萎えることを知らない俺の性器は未だに何も出せていない。穂高さんが乳首以外を触ってくれないせいだ。痛くて、でも気持ちぃのにいけなくて、じんわり涙が滲んだ気がする。
「泣くなよ」
「ぅ、むりぃ」
いやいやと緩く首を振り、穂高さんを見上げる。
「も、許してぇ」
「何も悪いことしてねえだろ」
その通りなんだけど、その通りなんだけどそれなら何でこんな目に遭うの。滲んだ涙のせいで視界が歪みそうになった時、穂高さんが顔を寄せて俺の涙をちゅっと吸い取る。そのせいでクリアになった視界には、こんなことする割に優しく甘い顔した穂高さんが居てどうなってるのかよく分かんなくなってくる。
そんな穂高さんは俺の体を起こして、自分の膝に乗せる。ふっと優しく笑いながら俺にキスをして、俺がもっとと口を開くと遠慮なく舌が入ってくると同時に俺の胸に痛みが走る。
「ふぅッ、んっ、んんっ!」
逃げようとして揺れた体は、硬くなった穂高さんのものに気づく。これが欲しい、これが欲しいのっ。
唇が塞がれたままだから、何度も体を揺らして自分の体と穂高さんのそこを擦り付ける。こんなことをしても、穂高さんは慣らしてもないのに俺に突っ込んだりは絶対にしないから貰えるはずがないのは分かってるんだけど、止まらなかった。
俺がそうしても気にならないのか、穂高さんはぐりぐりと乳首を指で挟んで潰し、引っ張ってはぐりぐりと撫でる。
「ンンっ、ふっ、ぁっ、ッッ!!」
穂高さんの舌が、俺の上顎をゆっくりとなぞると背筋に快感が走り、ぎゅうぅっと乳首を潰されて俺はビクビクと震えた。走る快感に逃げようとしても、離してもらえない乳首が引っ張られて痛くって、気持ちよくって、何が何だか分からなかった。
「あァッ、あんンッ、ぁ、あっ」
「気持ちい?」
「ぁ、やぅっ、はぁっ」
「気持ちい?」
「ぁ、やめっ、きも、ちぃ、からあっ!あ、ああッ!ンッ」
気持ちぃけど、これやだっ。
体の震えが止まんないのに、穂高さんは気にした様子もなくさっきより弱い力で乳首をくりくりと撫でて摘む。その度は跳ねる体はもう快感の逃し方さえよく分かってなくて辛かった。
「上手にいけたな」
「う?」
「見てみ?」
優しくそう言った穂高さんの視線をおって、俺は自分と穂高さんの間を見下ろす。
穂高さんがまだ羽織っていたパジャマや、はだけたパジャマから見えるお腹にはべっとりと白濁した液体が飛んでいて、俺は自分の下半身に目を向ける。
俺がそうしたからか、穂高さんがまたぎゅうっと乳首を抓ると先端からとろっとした液体が溢れた。
「へ?ぇ、」
目に映る光景が信じられない。
痛くて気持ちよかったけど、いった実感はあんまりない。言われるまで出てたこともよく分かってなかった。あれ?それってつまりよく分かんないくらい気持ちよかったってことなのかな?
そんなことを考える俺は穂高さんが何をしていたかよく見もせず、俺の唇に押し当てられた穂高さんの指をほとんど無意識に口を開いて受け入れた。
そして、舌に感じた嫌な苦味。
「うえっ、ちょっと!」
すぐに指を抜いた穂高さんは俺が叫ぶことくらいわかっていたのかも知れない。
「何だった?」
「………せーえき」
「だろ?」
だろ?じゃないよ。
何も俺のを舐めさせることないじゃん。
同じ精液でも、穂高さんのと自分のじゃ全然違う。自分のはおええって感じで、全力で遠慮したい。
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