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2-87.
安心させるようなキスをして、俺がぎゅっと合わせた両手にそっと穂高さんの手が重なった。キスの合間になに?と見上げると、手はここと言って俺の頭より上に抑えつけた。
「痛い?」
「痛くは、ない、けど」
「けど?」
「なんか、これっ」
「怖くなったら解いていいから」
そう言って抑えてた手を離し、慰めるみたいにまたキスをしてくる。深く絡む下にどんどん体の力が抜けて、俺の両手は頭の上に上がったままくたりと抵抗をやめた。
「いい子」
「っ、ァッ」
力を抜いて抵抗をやめた俺を見る穂高さんは、冷たい目の中に仄暗い欲望を覗かせながら俺を見る。この目に見られると、ゾクゾクする。
穂高さんは俺を疑似的にでも支配したい人だけど、俺はそれをされて、きっと多分、興奮してる。
俺の甘ったるい声と、ぐちゅぐちゅとした水音。
十分に穂高さんの性器を受け入れられるくらいになっただろうに、いつもよりも念入りにしてくれてる気がする。
気持ちよくて、頭ん中がふわふわする。
縛られて、両手を上げたままでいる俺を見ては満足そうに笑う穂高さんは今日はあまりいじめてこない。俺が自ら抱きしめられない分、甘やかしてくれてるのかも知れない。
「誠」
「ぁっ、な、に、あンッ」
「入れていい?」
「ン、欲しっ、あっ!」
指よりもっと、質量感があって、あつくて、おっきくて、イイもの。
俺の返事にゴムを付ける穂高さんを見ながら、抵抗することも隠すこともなく、両手を上に上げ、ぐちゃぐちゃなそこを隠すこともせず大きく足を開いて待つ。
「いい子」
待つ俺を褒めてキスしてくれるのに、穂高さんの手は俺を横に転がして、俺を後ろから抱き込んだ。
へっ!?と戸惑いの声をあげても、穂高さんは手はここと、上げていた手ごと俺を抱える。
「入れ、てえっ」
「はいはい」
体がくっついたことで触れた、あついものに我慢できない。
力抜けよと言って、穂高さんは俺の中にゆっくりと性器を埋めていく。
着実に入ってくるそれにヒイヒイ言わされるのはいつものこと、だ。
「ああァッ!待っ、ひうっ」
「っ、もう、ちょいっ」
「むいっ、あっ、もおぉっ、あんっ」
奥まで入りづらいのか、俺の足を少し持ち上げてぐっと腰を押しつけられる。それを何度か繰り返して、ようやく穂高さんのものが全部入った。
奥まで、すっごい届く。
ちょっと揺すられただけで多分やばい。
「平気か?」
「ふ、ぁッ、わか、なぁっ」
分かんない。
平気かどうか分かんないけど、お腹が苦しい。
「ゆっくりやるから、大丈夫」
「んっ」
後ろから、縛った俺の腕ごと抱きしめて、穂高さんの前に晒されているらしいうなじにちゅっと唇が触れる。
穂高さんは動いてないのに、どうしよぉ……
痛くないのにぎゅうっと抱きしめられるのが、
うなじに触れる唇が、
すっごい気持ちぃ。
「ぁ、だめっ、んうっ」
「だめ?」
優しく問われて、考える間もなく首を振る。
だめじゃない。だめじゃないけどだめ。
「ふか、くてっ、ぁっ、あぁっ」
ふるふる首を振るけど、そんな俺をぎゅうっと優しく抱きしめてくれる。
「誠」
「ひぁ、ぁっ、だめえっ」
熱っぽく、それでも優しく呼ばれた名前。
あつい吐息と、ちゅっとうなじに触れる唇。
抱きしめられる腕の強さに、よく分かんないままビクビク体が震えて、俺の性器からはとろりと白濁したものが出て来ていた。
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