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ぐずっ、ずびっ 出てきた涙を拭いたい気持ちと、ローション塗れ精液付きの手で顔なんか触りたくない気持ちが入り混じる。 「誠」 「うぅ、やだっ、やだ、これやだっ」 「興奮した」 「………へ?」 「俺が触るようなやり方で感じて、でもなんか違うくて足りなくて泣いてんの。すっげえ可愛い」 「っ、、!」 言うなり噛み付くようなキスをされる。 手順なんが踏まずに俺の唇を無理に暴いて、舌を絡ませてくる。やっと貰えた穂高さんからの刺激にいったばかりだというのに俺の体の熱は引かない。 なんなら、出せたっちゃ出せたけどなんかいつもと違って、足りなくて、体の奥がムズムズしただけだった何かが満たされていく気がする。 「誠の泣き顔って、ほんと唆る」 そんなことを言って涙を舐めてくる穂高さんに文句は出てこない。今出てくるのは、文句じゃなくてもっとしてとねだる言葉くらいしかない。 「何度かやって、後ろも覚える?」 「………もっと、物足りなくなるからやだ」 「とりあえず出せたら夢精の心配はないだろ?」 「物足りないはどうするの」 「我慢。帰ってきたら、ちゃんと満たしてやるよ」 「………お尻のことは考える、から。続き、して」 もうお話は終わりと穂高さんの唇を塞ぐと、ぎゅっと体を抱き寄せられた。 その時、俺の体にふと硬いものが当たって、それが穂高さんの性器だと気づくのにそう時間はかからなかった。 「こーふん、したの」 「当然。1人真っ裸で自分の体いじってさ、足りないいけないって泣いてんのいいと思わねえ?」 全然思わない。 仮に立場が逆だったとしても、多分思わない。 俺はそういう、相手を泣かせたいとか思う方じゃないから全然分かんない。 「誠が本当に嫌ならしない」 「………足りない分、ちゃんと満たしてくれるなら、いぃ」 「いい子」 恥ずかしいし、何でこんなことしてるんだろうって思わなくはないけど。 穂高さんが興奮してくれるなら、こんな時くらい、いっか。 いい子と褒めながら、俺が自分で触って少し痛い乳首を噛んまれて、ようやく欲しかったものが満たされると期待して、だらしないおちんちんは涎を溢して喜んでいた。 足りない分以上に甘い意地悪をしてくれた穂高さんのおかげで、足りないと泣いていたはずか最後はもうむりと泣いた気がする。 カラカラの喉に冷たい水が流れて潤っていく。 「ふぁあ、生き返るぅ」 「誠さぁ」 「うん?」 「手っ取り早く出したいだけなら尻も触る方が早いと思うぞ」 「自分ではむり!やだ!俺はそこまで男の子を捨ててない!」 「ゴムさえ付けれなくなってたくせに?」 「それは置いといて!」 置いとけないけど! エチケットすら出来ないなんてほんとサイテーって感じだけど、使う予定はないから問題ない。だけどそれとこれとは別の話で……。お尻を使ってえっちをするのと、オナニーする時にお尻を触るのはなんか違うのだ。 それに、もっと物足りなくなるのなんて試さなくても分かってるからやだ。 「出張ん時ローション持ってけよ。なんかあれば使えばいい」 「………」 「最悪週末なら電話くらい出てやる」 「………!!!遠距離電話えっちだ!」 「お前それ何で喜ぶの?」 「え、男の夢じゃない?穂高さんもする?」 「俺は1人で処理できる」 「ああぁ」 そうなんだよなぁ、ずるい。 俺は穂高さんのせいでまともにオナニーさえできなくなったのに穂高さんには何の影響も与えてないなんてずるい。 そう思ったむくれているのはバレバレだったらしい。 「おかずはお前の泣き顔だけど?」 「ぅ、あんまし見ないで」 それは、嬉しいような嬉しくないような……。 「そうだ!穂高さんのえっちな顔を写メっていこう!」 「アホかやめろ。スマホ奪うぞ」 「なんで!?」 「んなもん撮る趣味も撮られる趣味もねえよ」 「あ、その辺は歪んでないの?」 「撮る趣味あるならとっくにやってる」 「………その辺は時間かけてどうこうしようじゃないんだね」 ちょっと、安心。 穂高さんが時間をかけてでも俺にどうこうしたいと思っていたら、俺は知らない間にその道に進まされている気がするからだ。

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