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穂高さんが笑い過ぎて手が震えているせいか、泡を流すシャワーが小刻みに揺れる。
「ねえ穂高さん」
「なんだ?」
「今体洗ってたのになんで剃らないの?」
泡があれば剃れるじゃん。
あんまり考えたことなかったけど、いつもわざわざちゃんとそれ用のクリームやジェルを使って剃ってくれていた。
今だって、わざわざボディソープを流して、そこを軽く拭いてクリームを塗ってくれている。
「泡でも剃れるけど、肌のこと考えるとちゃんとそれ用使う方がいい」
「そういうもの?」
「滑りが悪くて皮膚持ってかれて切れても痛いだろ」
「ヒッ」
それは想像しただけで無理!
むりむりむり、いたい。
想像するとひゅんと縮こまった俺の性器のおかげ(?)で剃りやすかったのか、穂高さんは俺をいい子って褒めてくれた。
そして、ツルツルにされたそこを見てやっぱりこれだなと1人納得していた。
穂高さんとぬくぬくとお風呂で温まって、お風呂上がりの麦茶が体に染み渡る。そんな俺の後ろには俺の頭を乾かしてくれる穂高さんが居る。初夏なんだから乾かさなくても風邪を引かないと訴えたけど、夏風邪は拗らせるとしんどいと過保護を拗らせている人が折れてはくれなかった。
「穂高さんまだぁ」
「頭乾いてねえよ」
「夏だし乾かさなくても大丈夫だよ」
「俺が嫌」
そう言って穂高さんは自分の髪を乾かしている。
暇すぎてやったげる!とドライヤーを持ってみたけど、すぐに飽きた上に近すぎたらしくてあつっ!と叫ばれてしまった。そんなわけで、俺は穂高さんの膝に頭を乗せてまだぁ?と聞きながら邪魔をして過ごした。
そうしてようやく穂高さんの髪が乾き、俺は穂高さんにぐっと顔を寄せる。鼻がくっつくくらいに近づいたつもりだったけど、唇が触れた。
「ンッ」
「いい?」
「うん、でも、ベッド」
「分かってる」
リビングで始めたところで、穂高さんは絶対にローションがないゴムがないって言い出す。それに関しては俺がねだったところで譲ってくれるものじゃないことは知ってるし、今日はかなり久しぶりだからないと俺が大変。
穂高さんに向かって手を伸ばすと躊躇うことなく抱き上げてくれる。
「やっぱちょっと軽い」
「そうかな?」
「体壊さなかったか?」
「すこぶる元気!」
「見たら分かる」
その返事に俺は少しムッとして、穂高さんはからっと笑う。そんな会話をするだけで寝室について、ベッドにゆっくり降ろされて、そのまま穂高さんが覆い被さってくる。
じっと穂高さんを見てから目を閉じると、すぐにキスされた。
キスしながら服を脱がすなんて器用なことが出来ちゃう穂高さんはさっき着せてくれたパジャマを今度は脱がす。
意地悪な手が触れたような、触れてないような、そんな触り方をしたかと思えば、乳首を見つけてぎゅっと摘んでくる。
久しぶりだけど、俺の体はちゃんと穂高さんの手を覚えているらしく、摘まれた痛みに甘い何かが混ざって脳に届いて、その反応が体に返っていく。
そんな俺の反応をしっかり確かめながら穂高さんはその手の動きをいっそうやらしくしていく。
撫でて、摘んで、弾いて。
その度に溜まる熱はどんどん俺の性器に集まっていく。
自分でやった時なんかよりよっぽど勃ちが良くてびっくりする。
「良かった」
「ん、なに?」
「誠の体ってバカだから」
「ンッ、ぁっ!」
「教えたこと忘れてたらやり直しだろ」
「あっ、おぼ、え、てるっ、からあっ!」
覚えてるから、そんな強くしないで欲しい。
そう思うのは頭だけで、体はそれでいいってすごく喜んでいた。
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