452 / 453

2-171.

お昼ご飯を買い出しついでに外で済ませて、新居近くのホームセンターとスーパーに寄る。 「穂高さん来たことある?」 「ねえよ。だからどこに何あるか全然わかんねえ」 そう言って足元にある売り場案内を眺める穂高さん。 求めているのは隙間を埋めるためのものと、細々とした日用品。だけど液体が多かった買い物はかなりな重さになって、車で来ていてよかったと思う。 そのあとはスーパーに行く。 前のアパートでもよく行っていたスーパーの系列店。だけど店舗が変わると少し違う。 「ここのが広い?」 「この辺マンション一気に建ったから、それ向けだからだろ」 そう言いつつカートにカゴを2つも乗せて、穂高さんはスーパーに入って行く。 何も考えずに取っているように見えるけど、穂高さんは俺の母さんと違って冷蔵庫で食材を腐らせていたりはしない。 穂高さんの少し後ろを歩きながら、食べたいものを探すことにする。 野菜、果物コーナー、お魚コーナー、お肉のコーナーを見て、ようやく俺のお目当てのコーナーでお菓子を仕入れる。 引っ越し前に嵩張るからと控えていた分、今日は少し多めに買ってくれた気がする。 最悪買ってくれなきゃ自分で買う気満々だったけど、それも多分バレバレだろう。 「お菓子食うなとは言わねえけど、飯はちゃんと食えよ」 「大丈夫っ!」 自信満々に答えた俺は、お会計の終わったお菓子をせっせとエコバッグに詰める。 そうしてたくさんのものを買い込んで、それを片付けたり、俺はG対策をしたりしながら、よくやく新居で穂高さんのご飯を食べれたのだった。 お盆休みの初日に放り込んだ引っ越しの片付けも無事に終わり、俺のお盆休みも残すところ半分だ。 家の中のものの位置はまだ完全に把握出来ていないけど、暮らすに不便なほどではない。 残った休みの予定のひとつは、俺のスーツを取りに行くこと。穂高さんが調べてみると、8月は通常よりもお休みが多かったらしいけどお盆でもやっている日があった。 お盆の間に微調整をしたい人も居るのかなぁと思いつつ、穂高さんに連れられてそのお店にやってくる。 「いらっしゃいませ」 と丁寧に頭を下げてくれる店員さん。 あらかじめ伝えておいたからか、俺が頼んだ(?)スーツがすでに用意されていて、俺は声にならない声を上げる。 なんか立派!な気がする。 「あれ?シャツも頼んでたっけ?」 「ついでだ。お前あのシャツ買った時より痩せただろ」 「うん、まあ」 「いっつもネクタイ付けた時にシャツ浮いてんなぁって思ってたんだよ」 「………よく見てるね、あんまり分からないかなって思ってたのに」 「後、身長と体重のバランス悪いから腕に合わせると胴体ゆるゆるだろ」 「ほんとよく見てるね」 どうせ上着を着るしそんなに問題はないんだけど、ほんとよく見てるな。 たださ、ただ! ここで作ってもらうシャツっていくらですか!? 俺が就活含めて用意したシャツは5枚6000円とかのやつだったけど、これ1枚6000円で買えるのかな……。 しかもそんなシャツが、スーツと一緒に3枚くらい、並んでいる気が、する。 「………カッターシャツ、どれか選べってことだよね?」 「全部お前のだよ」 「なんで!?」 「出張にならないとも限んねえだろ」 いや、そうだけど。 でもあるんだって。 ちょっと首回りも緩いけどそんなダボダボじゃないし使える。胴回りはかなりゆったりしてるけど、上にスーツ羽織ってたら分かんないし誰もそこまで気にしない。 「そもそもオーダーなんだよ、返品出来るわけねえだろ。着たらいい」 そっ、かぁあ。 オーダーは返品不可なのね、そりゃそうか。 ひどい、騙し打ちだ。 俺の誕プレいくら? もう考えるのやめよ、俺ほんと働いてるのになんでこんなに面倒見られてばっかなんだろうとぼんやりと思った。

ともだちにシェアしよう!