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第35話 マイハニー、マイバニー
やっぱり、耳系はダメだった。
「あ、ぁっ……ン、照葉、さんっ」
こんなに可愛い君は誰にも見せられないよ。
「やぁぁン、や、だっ……抓らない、で」
シャツの上からでも勃ってるってわかる可愛い小さな粒。それを布越しに摘むと、俺の上に跨っている君が一際甘い声をあげて腰をくねらせる。気持ち良さそうに太腿で俺の腰をきゅっと挟んで、感じる度にブラウン色のウサギの耳をぴょんと跳ねさせて。それが可愛くて、そして、やらしい。
ウサギの耳なんて、いつの間に買ってきたの。
こんなの買って、はにかみながら「似合う?」なんて、訊かないで。
「あっン」
うちの可愛い秘書さんで、ハンチング帽がものすごく似合う可愛い子で、こんな可愛いうさぎの耳がくっついてるって、なんか、すごいことになってない?
擦れ合う股間に眩暈がしそうなほど興奮してる俺には、君の丸ごとが猛毒みたいに刺激が強い。
「あ、あ、あっ……ン、照葉さんっ」
クロップドパンツとベストは脱いで、白い太腿は丸見えなのに、靴下だけ残してるなんて反則だ。しかも、ソックスガーターなんて。
「あ……ン」
これってこんなにやらしい感じがするものだったっけ?
「ンっ……んくっ……ン」
靴下を留めている金具の無機質な感じ。そして、ピンと貼った黒のベルトが白い肌に映えて、欲情してる今の俺にはやらしく見えて仕方がない。靴下がずり下がらないためのもののはずなのに。
艶かしく見えてしょうがない。
足を撫でただけで気持ち良さそうな君が前かがみになったから、誘われるままに舌を伸ばして絡め合った。唾液が滴り落ちそうなキスを交わしながら、ソックスガーターのベルトを指に引っ掛けて悪戯に引っ張ると、絡まる舌の隙間から君の小さな吐息が零れた。そしてその拍子に揺れたウサギの耳を見て、ふと、思い出した。
「ねぇ。公平」
「?」
「尻尾、なかったっけ?」
あった気がする。なかったかな。パッケージにはセクシーな尻尾付きって書いてあって、耳と同系色のまるいボンボンみたいなものがビニール袋の中に詰め込まれていたような、気が……するんだけど。
公平は真っ赤になっていた。
しまった。困った。どうしたものかって顔をして、何か言わなければと口をパクパク動かしていた。
「あったよね?」
そのリアクションで確信しちゃうよ。
「公平」
「っ、あ、あったけど、俺がしたって絶対に似合わないし。あれ、きっと、女物」
「やっぱりあったんだ」
「!」
じっくり見たわけじゃなかったら、思い違いかと思ったんだけど、よかったちゃんとあったんだ。
「履いて、くれないの?」
困らせてしまった? でも、きっとこれは許容できる困ったこと、だと思う。君の表情は照れ臭さ混じりに見えたから。
「履いたとこ、見てみたい」
「……っ」
もう少し強引にしても平気かな。
「見せて? 公平」
「っ」
「ね?」
「っ、絶対に」
変じゃないよって、君が言うより先に、君が言おうとした言葉を否定した。
「ン、んっ……ン、ン」
柔らかい舌をしてる。
「もう、見ていい?」
「あ、ダメっ、ンっ……乳首、抓ったら、や、だっ」
キスしながら、履いているところを見ちゃダメだって君が言うから、履いてるところから見たかった俺は譲歩の代わりに美味しそうな粒を二つ指で、たまに舌で転がして気を紛らわしてた。
「早く、見たい」
「ン、だって、照葉さんが乳首、いじ、るからっ」
「うん。気持ち良さそう」
「あ、あ、あ」
きゅ、きゅ、きゅって抓って、カリカリ引っ掻いて、けれども身悶えながら下着を履く君を堪能する。
布団の上、寝転がっている俺に跨ったまま、視界から逃れるように、身体を重ねつつ着替えてるんだけれど。そこ、股間だから、君が身じろぐ度に擦れてたまらない心地なんだよ。
「も、いい?」
「あ、待っ、まだ、あとっ」
我慢できないよ。腰を掴んで上へ、少し強引に君の身体を持ち上げた。
「!」
真っ赤っかだ。
腰を掴んで引き寄せられて、俺の腹の上でバランスを崩した君が尻餅を付く。大胆に脚を開いて、今まで一生懸命に引っ張ってそこを隠してたシャツの裾がひらりと翻った。
「や、だっ……見ちゃ」
「なんで?」
君は痛々しいほどに顔を歪めて、今すぐに消えちゃいたいって思ってそうだけれど。
「お、男の、こんなの、ノンケは見たって」
「好きな子のえっちな姿見たら、誰だってたまらないと思うけど」
そう思わない? 小さな布の中がとても窮屈そうで、黒い紐が心もとなくて、その黒い紐にくっついてるんでしょ? 可愛いベージュのポンポン。
「変じゃないよ」
「っ」
「ただ」」
ウサギの耳に白いシャツ。その白いシャツのちょうど胸のところ、薄く透けてる気がするくらい、乳首がツンって勃ち上がってるのがわかる。そして、白いシャツでずっと隠してた下半身には可愛い下着。大きく開いた太腿の内側の白い柔肌すらごちそうみたいに美味しそうで。
「ただ、変になりそうなくらい、可愛いけど」
「あっ」
紐をちょっと指に引っ掛けたら、はみ出るそれに君が顔を真っ赤にした。
隠したそうにする君を抱き寄せて、腰を引き寄せて、甘い甘いキスをする。舌が絡まり合って唾液が零れて、濡れた音をさせ掻き混ぜあうキス。
「ン、くっ……」
シャツのボタンを三つほど外して、適度に乱れたそのシャツの隙間から、甘そうな乳首に噛み付いた。
「やぁあンっ」
抱きつくように背中を丸めて、君の乳首に歯を立てながら、仰け反るのさえ許さないと腕の中に閉じ込める。口の中でもっと硬くコリコリになった粒を舌で濡らし、シャツのボタンをまだ外していない下腹部に目をやった。
「あ、ダメっ……触っちゃ、や」
口元を手の甲で押さえながら、大胆に足を広げた君が甘えた声で懇願する。
「お願い……」
君の白い手が、着物の合わせ目をまさぐった。
「照葉さんのと一緒に、がいい」
「っ」
「こうしちゃ、や?」
ぞくぞくって、身体が興奮の熱に軋んで痛いくらい。
「あ、あ、あ、あっ」
やばいくらいに、可愛いんだ。
「あ、ンっ」
先走りでシャツの裾を濡らすくらい気持ち良さそうな自分のペニスと、呆れるほど勃起してる俺のをぎゅっと握りながら上下に夢中になって手を動かしてくれる。
「あ、あっ……ン、照葉っ、さんっ」
「っ」
「あ、好きっ……ぁ、ン」
ねぇ、しかも、ウサギの耳をくっつけてるんだ。
ウサギの尻尾をぽんぽんさせてるんだ。
「あ、あ、あ、照葉さんっ」
腰を揺らすとお尻の尻尾がふるふるしてるのが、俺の首筋に顔を埋めて喘ぐ君の肩越しに見えた。柔らかくしなやかな身体をくねらせて、自分のと俺のペニスを扱くことに夢中な君の、無防備なお尻が、やらしい。
「あ、あっ、ぁっ! ン、ああああっ照葉、さんっ」
だからそのお尻に食い込む下着の紐をあやとりみたいに指に引っ掛け、ズラしてから、孔に指を入れた。
「あ、指、ン、ぁ、ダメっ、これ」
「気持ちイイ?」
「ン、ん、ンっ、あっ」
くちゅくちゅ音がするのは君が扱くペニスから、それと、俺が指を挿れたお尻の小さな孔から。
「あ、あ、あっ、ン、これ、も」
「っ」
「あ、や、だっ……擦るのとやめ、ら、ないっ」
「公平」
自分の声が熱に掠れた。
「あ、う、ンっ、うんっ、ぁ、ィくッ、イっく」
「公平」
「あ、ダメっ声、感じちゃうっ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁっ!」
甘い悲鳴が耳元で聞こえた瞬間、指を咥え込んだ小さな孔がきゅぅぅんって切なげに締め付ける。甘えて、指にしゃぶりつくのが可愛くて、腕の中で身悶えながら、自分でペニスを扱いてイく君が可愛くて。
「あ、ンっ……」
止められそうもない。君のここに――。
「あ、照葉、さんっ、早く」
「っ」
「お尻のとこ、して」
捻じ込みたくてたまらない。
「早く、照葉さんの、硬いの、お尻に、欲しい」
言いながら甘えるようにキスをする君の舌はやっぱりやらしくて、とても柔らかかった。
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