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第50話 とろり、甘く甘やかされて

「んっ……ぁっ、はぁっ……ン」  口を開いて、うっとりと君が俺の唇に吸い付く。舌を絡めてキスをしながら二人で布団に倒れ込むと、君が切なげに眉をひそめて肩にしがみついた。 「あっ、ン……ぁ、やだ、そんな吸っちゃったら」  肌、白いからね。 「やぁンっ」  キスをするだけで首筋に赤い印がくっついてくれる。 「あ、……ン、照葉さん」  君は俺のものだ、っていう印。 「照葉さん」  手を伸ばして、首にぎゅっとしがみついた公平が耳にキスをしてくれた。 「ど、しよ」 「公平?」 「キス、だけで、もう……イっちゃいそう」  まるで子どもが自分のものだって主張するみたいに一生懸命にしがみ付く腕がさ、君のいじらしさと相まって、たまらなく可愛いのに。 「あ、やだっ……見ちゃっ」  身体はたまらなく艶めいて、色っぽくて、敏感で。 「……ベトベト」  敏感すぎて、全部の反応がエッチで卑猥だなんてさ。 「だ、て……っ、ン、ぁ、や、だ」  もう、こんなにしてる。そう目で伝えると、恥ずかしそうに頬を赤くするくせに。半裸になった君は俺を不用意に煽るんだ。  ゆったりした家着を染みができてる下着ごと指に引っ掛けてズリ下げると、もう先端からトロトロに蜂蜜をかけたみたい濡れていた。 「あ、あ、あっ、や、握っちゃ、やだ、イっちゃう」  言い方だって可愛いのに、扱かれて掌の中で気持ち良さそうに硬くなるペニスはやらしい。  それを掌で包み込むと、くちゅりとやらしい音もする。片手で硬く跳ねるように飛び出したペニスを扱いてあげながら、もう片方の手を服の内側へ潜り込ませた。細い腰、窪んだへそのところすら色っぽい君の薄い腹を撫でて、もっと上へ、コリってする小さくて可愛い、でもキスをすると嬉しそうにピンと勃ち上がってやらしく膨らむ乳首を指で摘む。 「やンっ……ぁ、ン」  あまりのやらしさに喉の奥がヒリつくから、もう一つの乳首にキスをした。口に含んで転がすと、甘い甘い声をあげてくれるから、まるで乳首が甘いみたい。  興奮に自分の息が熱くて、クラクラする。 「ン、んんんっ、ン、あっ……ふっ……」  君の舌にもこの熱を移してあげたくて、喉のところ、唇も、全部、熱くて蕩けるくらいになって欲しくて。。 「あっ……ふぁっ……」  大きく口を開けて息をしようとする公平の、その深呼吸ごと君へ食らいついた。 「ン、ん」  キスをしながら腰を引き寄せると、自然と君が脚を広げる。向かい合わせで、キスマークを首筋にも、乳首にもくっつけた君。股間のところでちゅくちゅくと蜂蜜を掻き混ぜるみたいな音をさせて扱かれる君の硬くなった可愛いペニス。  どれひとつだって、誰にもやりたくない。 「あっ……ン」  こんなに独り占めしたいと思ったのは、こんなに欲しくてたまらなくなったのは君だけだよ。 「あっ……照葉、さんっ」 「?」  立てた膝に手を置いて恥ずかしがる君の脚を開かせる。  切なげな顔。頬を染めて、唇をきゅって結んで、でも、潤んだ瞳に期待が混ざってる。 「照葉さ……ン」  俺を呼ぶ声に気持ち良さそうなのが、混ざってた。 「あっ……ン」 「公平のここ、少しだけ、柔らかい」 「! ぁ、やだっ」  ほら、指を嬉しそうに飲み込んだ。中は熱くて、セックスで、擦ってもらえるって期待してる。柔らかく、俺の指にしゃぶりつく。 「した? 自分で」 「っ……ン、もっ……ぁっン」  すごく恥ずかしそうに口元を手の甲で隠しながら、中をまさぐる指に切なげな顔をした。  くぷりと捻じ込まれた指に君の孔がキスしたいって、口を窄める。中が絡み付いて、息をするのも忘れそうなくらいにやらしくなっていく。もう、欲しそうに。 「公平……」 「っ、一昨日、した……あ、あっン」  壁一枚隔てた向こうで、君が。 「照葉さんと、し、たくて……自分の指、で」 「っ」 「照葉さんのこと、思い出しながら、した」  俺を思って、ここでしてたなんて。 「見せて?」 「!」  丁寧に白く細い君の指を舐めてあげる。しやすいように濡れて、ほぐしやすいようにしゃぶってあげた。 「見たい。公平がしてるとこ」 「っ」  この、今濡らしてあげた指で、してみせて? 「見せて?」  口から君のびしょ濡れになった指を解放すると、君はコクンと頷いた。それにつられて揺れる黒髪が興奮の熱で湿って色っぽい。 「照葉さん……」  切なげな声、少し緊張しているのか、しなやかなはずの君の身体がぎこちなく揺れて、俺に背を向ける。手を付いて、前かがみに、四つん這いになってから、そっと恐る恐る手を後ろへと伸ばした。割れ目できゅって小さく窄められた孔が唾液で濡れる指を飲み込んでいく。 「あっ……ン、照葉さんっ、ぁっ」  君が自分の指で中を抉じ開けながら、甘い声で俺を呼んで啼いてる。 「あ、ぁっ」  シーツをぎゅっと掴んで、細い脚と脚の隙間から、チラリと見えるピンク色のペニスがやらしい。指に合わせて揺れる腰、その腰に合わせて揺れるペニスと震える吐息。  俺を思いながらする自慰を俺に見られて、潤んで、涙が零れ落ちそうな黒い瞳に魅入られる。 「はぁっン、照葉さんっ、ン、ぁっ、早くっ」  俺にして欲しいってヒクつく孔。俺に、握ってイかされたいって、揺れるペニス。俺のことが欲しいって顔。  君は――。 「あ、照葉さん」  君は俺のもの。 「大好き……」  君が手を伸ばして、俺を欲しがった。引っ張られるまま君とキスをしたら唇がすごく熱かった。 「ン、しょ……よ、さん」  この美味しくて熱くて柔らかい唇も、俺の――。 「俺の、照葉さん」

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