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第51話 愛しくて、恋しい
唇に、鎖骨に、肩に君がキスをする。唇が触れたところが全部熱くて、ヒリヒリする。
「好き……照葉さん」
心臓がきっとすごい騒がしいだろう胸にも、そっと、キスをして、歯を立てた。
「っ、こ、へい」
「照葉さん」
名前を呼びながら、キスがゆっくりじんわり下へと移動していく。腹筋、へそ、そして――。
「ンっ」
触れただけ。そんなキスでイってしまいそうになる。君の柔らかく、優しい唇が、手を添えて、そっとそそり立つ俺のにキスをしただけで、恋しさだけで、イってしまいそう。
「ン……ん」
「ッ、公平っ」
柔らかい舌が巻きついて、舐めて、頬の内側を窄めて扱かれる。唇がペニスのくびれできゅっと締め付ける。まるでごちそうにみたいにペニスを頬張るから、たまらない。
「ン、ンッ、んっ……んんっ」
舌が熱くて、君の口の中が熱くて、どうにかなりそうだ。
「公平」
「っ、照葉さん、の」
「公平っ」
口から解放されたと思ったら、鼻先をくっつけて濡れてしまうのもかまわず、うっとりした表情で裏筋をちゅうって吸われた。その視覚的破壊力とかさ、本当にすごいんだ。君の綺麗な唇がフェラしてる。君の綺麗にすっと通った鼻筋が俺の先走りで汚れる。やらしすぎて、目に毒なほど。そして、愛しそうに先端のにがみを舌先で掬い取られて、そのまま、また口の中に連れ込まれた。唾液が絡まる音をさせながら、君の小さな頭が激しく、じっくり、動くんだ。君のあの白い指が唾液でびしょ濡れなのもかまわず、きゅっとペニスを握って扱く。舌が口の中で器用に先端の鈴口を割り開いて先走りを啜り飲んでくれる。
「っ」
口の中が、トロトロで。
「ン、ぁ、照葉さんっ」
熱くて、まるで、君の中にいるみたいだ。ぞくぞくする。
「こんな気持ちになったの、初めて」
「公平?」
「俺、ね」
「……」
「こんなに欲しいと思ったの、初めて」
切なげな声で俺を呼ぶ君を引き寄せてキスをした。キスをしながら君が脚を開いて、俺はその間に陣取った。唇は繋げたまま、舌を絡め合ったまま、早く君の中に入りたくて、君も早く中をいっぱいにして欲しそうに舌にしゃぶりついて。
「ン、ぁっ、ふっ……ン」
熱くて。
「ン、照葉、さっンっ」
伝う唾液の糸にすら興奮するのにさ、君が言うんだ。
「あ、あの、ね? 照葉さん?」
「?」
「ここに欲しい、の」
早く、君の中に入れさせてもらいたい俺に言うんだ。
「俺、こんなだけど、さ。子どもとかできないし、男だけど。今日、中に欲しいって言ったらダメ? そ、その、欲しくて」
とんでもなく可愛いことを呟くんだ。
「ゴム、しないで……照葉さんに中、たくさんいっぱいにして、欲しい」
言いながら、薄くて、細い腹を撫でる。白い指を快感でほんのり色づかせながら、撫でて、小さくて激しくなんてしたら壊れそうなそこを開いて見せる。
「びょ、病気とか、ないからっ平気っ、その、きっと、そっちのほうが照葉さんも気持ちイイと思うし、えっと、そのっ、俺」
もう何言ってんだろって、自分に呆れながら呟いて、脚を閉じてしまおうとする。
「公平」
「っ」
初めてだと言った。こんなに好きになったのは、こんなに欲しくなったのは、初めてだって君が言った。
俺も初めてなんだ。こんなに誰かを大切にしたいと思ったの。
「公平」
「ン」
キスをしたら震えてた。
「……ここに、照葉さんの欠片でもなんでも、欲しいの」
こんなに欲しくて仕方なくて、諦めたくなんかなくて。
「このまま、君の中に入れさせてくれるの?」
「っ、うん。して。お願い、照葉さんっ」
しがみ付く君はすごく可愛いのに、抱き潰してしまいそうで。
「きつかったら、言って?」
だから、本当に本当のことを打ち明けてしまえば。
「へい、きっ、だからっ、早く、欲し」
ゴム一枚分でどうにかこうにかさ。
「あ、ぁ、あっンっ」
抱き潰してしまいそうになるのを堪えてたんだけど。
「っ」
「あ、ああ……ぁ、熱いっ、照葉、さんっ」
君のおねだりが不器用すぎて、せっかちなのも愛しくて、限界だった。
「ぁ、ぁ、ぁっ、あぁぁぁぁぁっ」
「っ」
「あ、嘘、挿れただけ、で、ンっ……ぁ、あっ」
「公平」
「っ、ン、大きい、照葉さんの、熱くて、ど、しよ」
怖がりな君が可愛くてたまらない。
「あ、あっ、やだ、まだ、動いたら、や、ぁっあああっン、怖い、よ、きもち、よ、すぎて、怖い」
「公平」
「あ、あ、あ照葉さんっ」
うん。だからちゃんと抱き締めてあげるから。
「照葉さんっ」
首にぎゅっとしがみつく君を俺も抱き締めた。背中を引っ掻く君の涙に濡れた顔がたまらなくて、突き上げたい衝動を抑えられない。
「あ、あぁあああっ」
濡れた音。甘い悲鳴。
「あっン、やだっ、乳首、噛んだら、や、気持ちい、くて、おかしくなるって」
ピンク色で。
「あ、ひゃっあっん、や、イっちゃう、ン、ぁ、奥、ダメ、もっ」
びしょ濡れで。
「あ、あ、あ、照葉さんっ」
止めてあげられない。
「あぁぁぁっ」
「公平……」
「あ、ン、奥、もっとして、照葉さん、気持ちイ、よ」
狭くて熱くて、トロトロになってる君の内側を、壊してしまいそうなのに。
「あ、あぁぁっン、照葉さんっ、も、俺、おれっ」
止められない。
「公平」
「ぁ、ンっ……中、して、照葉さんっ、照葉さんっ、ぁ、あっ」
奥を深く射抜く度に、しがみつく君の爪が食い込んでいく。
「あ、あ、あ、あぁっ、ンっ」
何度も、何度も。
「あ、やぁぁぁあっ」
愛しくて、恋しい君が刻む爪痕。
「あっ、あぁっ……ン、熱いっの、来て、る」
「っ」
愛しくて、恋しい君が笑ってくれて。
「ぁっ……ン、照葉、さん」
「っ」
これは、大変だ。
「あっ……ン」
「公平」
「ン、ぁ、はぁっ……ぁ、ン、まだ、このままでもい? 照葉さん」
きっと、すごい顔、してるだろ?
「照葉さん」
俺に触れたいと、君が素直に手を伸ばして、笑っていた。両手で俺の頬を包んで、笑って、そして繋げた身体をきゅっとした。
ね? すごい顔見ちゃったんだろ?
「照葉さん、大好き」
でも、君にだけだよ。こんな顔をしたのは。だから、笑って抱き締めて。
――もんのすごく嬉しそうにするのよ。笑っちゃうほど嬉しそうだったの。にやにやしちゃってね。ほっぺただって赤くして。
「大好き」
どちらからともなくそう呟いて、キスをした。繋がったまま、腕で、身体で、好きで、互いをきゅってしながら。
「大好きだよ」
キスをしながら、たくさん、セックスをした。
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