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ショコラ編 2 口移しショコラ
布団に押し倒したら、気恥ずかしそうに肩を竦めた。公平が作ってくれたお弁当を食べて、風呂も入って、湯上りの色気がたっぷり滲むうなじから良い香りをさせておいて、キスしたくなるような潤んだ唇をしておいて、組み敷くと真っ赤になって俯いてしまう。
公平は、甘い甘いセックスが苦手だ。
だから、甘い甘いチョコレートはどうかなって、思ったけど。
「あっ……ぁっ、照葉さんっ」
「もっと、チョコ食べる?」
よかった。気に入ってくれた。
「ンっ」
口移しでチョコレートの一粒を差し出した。舌で押し込んで、そのまま公平の舌の上で柔く蕩けたチョコを堪能する。
「ン、んん」
首にぎゅっとしがみついて、舌を絡ませ、せがむように身を捩る。細い腰は激しくしたら壊してしまいそうなのに。
「ぁっ」
いつも公平はおねだりが上手で、セーブできなくなっちゃうんだけど。
「ぁっ、あの、ね、俺……バレンタインとか、今まで、そういうの、したことなかった、あっ……ン」
「……」
「自分には縁のないことだって思ってた」
「公平」
「ちょっとだけ、皆が楽しそうで羨ましかった」
きっと、今日もセーブできそうにない。だって、君が俺の腕の中に隠れながら、俺にだけ聞こえる小さい声で、今、自分がそうなってるなんて、羨ましいと思った場所にいるなんて呟いたから。
「あぁっン、ぁ、照葉さんっ、あの、乳首、も、して、欲しい、あぁぁっ!」
公平のおねだりが上手だから。きっと、激しくしてしまう。
「ぁ、ぁ、あっ……ン」
コリコリに硬くなった乳首を口に含むと甘い気がした。キスマークをそこにつけて。
「あンっ」
もう一つ、二つ、三つって付けてしまう。
「ぁ、照葉さんっ」
君が俺のものっていう印。
肌にキスをする度に細い身体をしならせて、背中が布団から浮くくらいに反らせてるのがひどく色っぽくて、ゾクゾクする。綺麗だなって思う。
「ぁ、あんまり、見ないで、照葉、さっ……ン」
見すぎてしまった。
恥ずかしいんだって。甘い甘いセックスは気持ち良すぎておかしくなりそうになるから、どうしたらいいのかわからないくらいに感じてしまって、戸惑うんだって。
ごめん。
でも、やめないけど。
「あっンっ、ぁっ……あぁっ、ン」
乳首に歯を立てながら、指で摘んであげると、身悶えながらシーツをぎゅっと握った。縋るんならって、そのぎゅってシーツを握っている隙間から指を差し入れて、そのままシーツの代わりに指を絡めた。
「公平」
逃げられないように手を重ねて。
「指入れるよ」
「あっ」
君の中を指で柔らかくする。
「ンっあっ……あぁぁぁっ!」
中が熱くて、きゅぅんって切なげに締め付けるから。
「公平」
君の中に挿れさせてもらいたくなる。何度もしたのに。何度も抱いたのに。
「あぁぁっン」
「ここ、気持ちイイ?」
「あっ、ン、ダメっ」
何度でも抱きたくなるから、戸惑ってるのは俺のほうなんだ。
「も、イっちゃうっ」
「こ、へい」
甘い甘いセックスが美味しすぎて止めてあげられなくてさ。
「お願いっ、照葉、さんっ、指も、好き、けど」
「っ」
「照葉さんの、欲し……いよ」
白くしなやかな脚を絡ませて、くちゅりと柔らかさがやらしい身体でねだられたら。もう、ね?
「あっ……」
止めてあげられない。
「あぁっ……ン」
脚を淫らに開いて、小さくか弱くやらしい孔に突き立てられた熱に君が手を伸ばす。両手で何かにしがみつこうとする指に指を絡めて、奥へと強く打ち付けた。
「あっンっくぅンっ……ンっ……んんんっ」
君の好きなところ。
「あ、やぁ……そこ、ダメっ」
気持ち良すぎて「ダメ」ってすぐに甘く啼くところ。
「ひゃ、あぁぁっ」
そこを深く一突きにした。手は繋いだまま、小刻みに奥を何度も突いてあげると、ピンク色をした公平のペニスが揺れて、艶かしくて、俺は夢中になって君の中を抉じ開けてしまう。
「やぁぁぁン」
喉を晒して甘く喘ぐ君がもっと見たくなる。
「あ、あっ……ン、ぁっ、やぁぁン」
可愛くてさ。
「あ、ン、照葉、さんっ」
もっと見せてって思ってしまう。
「あっ……ん、くっ」
またチョコを一粒、口に咥えた。
「ンっ……んん」
それを君の口の中に押し込みながら、白い手首を布団に押し付けて。
「ん、ン、んんんんっ」
ペニスで深く君の奥を抉じ開けたい、
「あ、あぁっ、ん、だ、めっ……イっちゃう、照葉さん」
「っ」
「お願い」
公平の脚が腰に絡みついて、チョコが染み込んだように甘い唇が頬にキスをしてから、唇に齧り付く。
「中に欲しい、よ、照葉さんの、欲しい、ぁ、あぁぁぁぁ」
そして、やっぱり激しくしてしまう。君は華奢なのに。
「あっ……んっ」
抱き潰してしまいそうになる。
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