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第46話
Enterをポン!
終わった。とりあえず大方終わった!
ふぁ〜
とチェアーの上で大きく背伸びをすれば凝り固まった身体からポカポカとなる音が…
時計余れば2時半ちょい過ぎ…
疲れた…目がしょぼしょぼ…
後は動作確認して細かな変更で行けるだろう。
頭の中で今後のタイムテーブルを組んでいれば玄関の扉が開く音が…
恵が帰って来たのだろう!
一緒に3時の休憩でもして過ごそう!!
と部屋を出れば食材を片付けている恵…
毎日こんな風に恵が居てくれたら…と想像して…
「お帰り恵」とお帰りという言葉を言える嬉しさを噛みしめニコリとしてしまう。
「あっ、あぁ、ただいま」
ただいま。だって…なんかこういうの良いなぁ〜と思い出した!昼頃に来た荷物!エプロン〜!!
慌てて部屋へ戻りエプロンを恵へ
「恵、これ使って!!」
早く着けてるの見たい!!
「これは?」
「エプロン!昨日欲しそうだったから!」
俺の独断と偏見で選んだモノだけど…
「えっ?わざわざ買ったのか??」
「そう!恵に付けてほしくて、さぁ開けて開けて!」
「あぁ、有難う」
「さぁ、付けて付けて」
慣れた手つきでギャルソンエプロンの紐をギュッと前で縛った恵…
ヤバイ…様になり過ぎ…
「これなかなか良いな!どうだ?」
気に入ってもらえたみたいで微笑みながら言われたら堪ったもんじゃない!!
「想像通り!似合うよ!!」
想像より似合う!うんうんと頷いてしまう…
「それは…良かった」
とすぐにご飯の準備をし始めてしまった…!?
あれ?俺の下心バレてたかな…!?
でもまじまじと恵を観察する。
家で着替えて来たのか薄いブルーの綿生地のシャツ。全部前開きじゃなくVネックになっててボタンが2つのシャツタイプ。
下は黒の細身のパンツを少し折り曲げ春らしく軽く見せている。
シンプルだけど恵によく似合う。それにギャルソンエプロン!!
後ろ姿も良い!!背筋の良い背中に少しくびれた腰、たぶん引き締まってるであろうお尻に長い脚。細い足首、くるぶしが見えてて…エロいです。大人の色気…
今まで男っぽい人は対象外だったけど…
何が今までの人達と違うのだろうか…
「座らないのか?」
何かを切っている恵と目が合う…
「あぁ、その前に何飲もうか考えてた…恵何飲みたい?喉渇いてるんじゃない?」
とりあえず考えてても答えは出ない。
ただ今は恵と一緒に居たい。という事だけは分かってるからそれで良い…
「あーそう言われてみれば!今日もいい天気で日が当たると暑いぐらいだったよ」
「じゃーゴクゴク行ける特製アイスティーにしようかな」
「それは楽しみだ」
そう言いながら口角上げる恵に一瞬見惚れ慌てて準備を始める…
ケトルにペットボトルのお水を入れ電源ON
紅茶用のポットにオレンジピールの入ったセイロンの葉を入れ準備しておく。
紅茶の缶を開ければオレンジの香りとセイロンの香りがふわりと広がり無意識に深呼吸をしてしまう…
「いい匂いだな…オレンジか!?」
「分かる?オレンジピールの入ったセイロンティーです!サッパリしてて美味しいですよ」
「悠介はセイロンティーが好きなんだな!」
「セイロンティーは飲みやすくて好き嫌いが少ないですからね!自分も好きですよ!紅茶全般好きだけど…」
と話してればケトルがカチリとなりポットへとお湯を注ぎ茶葉を泳がし出していく
後から氷で冷やす為少し長めに出し濃く抽出する。
タールグラスを取り出して氷を入れ濃いめに出した紅茶を注ぐ…マドラーでよくかき混ぜ出来上がり!!
「どーそ!」
と恵に渡せば手を洗い受け取り「頂きます」とゴクゴクと飲んでいく…
グラスから垂れた滴が胸元に落ち薄いブルーのシャツの色がそこだけ変わった…
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