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出産〜後輩に囚われる〜

今日も私は大きなガラスの箱に入れられている。目線の先にある扉からまたアイツがやって来るのだと思うと、体が疼いた。 「梓先輩」 「達也!」 「貴方のお仕事です。今日も頑張りましょうね」 ★★★★★ 大神薬品は私にとって憧れの会社だった。 治療が難しかった病気の治療法を解明することをモットーに、たくさんの人を救ってきた。私も助けられたように、一人でも多くの人をと思っていた筈なのに。 『非人道的な治療だって?』 『そうだ。お金に困っている人や養子を被験体にするなんて許されるわけない』 『気持ちよくなって稼げるし、酷い扱いもしてない』 『あの生物に襲われることが酷い扱いじゃないなんて』 『手術しなければ体の負担は少ない。薬を大量投与しなければ副作用もない』 私は大神家の三男・達也にショックを受けた。まともな奴だと信じていたが裏切られたと感じた。 『梓先輩、分かって下さい。裕介くんの病気は早い治療が必要で、治すには触手を使うしかない』 『安全性を確かめていない』 『ドールで検証済みだ』 『ドールって』 私を治療研究チームに推薦してくれたのは達也だった。大富豪の坊ちゃんは何人か見たことがあったが、達也は大人しく他の兄弟とは違うように見えた。一緒に研究するうちに、切磋琢磨し、悩みを打ち明け、達也が大事なパートナーになった。 梓先輩のこと、大好きです。僕から離れないで。 お互いαで、子を授かることは難しい。だが、一緒にいるだけで幸せだった。 ★★★★★ 「触手の有能さを貴方自身が体験して、裕介くんに使用できることを証明して下さい」 上から達也の声が聞こえる。 眼鏡を外され視界が少しぼやけるが、緑のものが迫ってきているのは分かる。 「うっ」 触手が梓の身体を縛り、動かないようにする。昨日のように細い触手が穴から無遠慮に入ってきて液を噴射しているのが分かる。 「はぁ、はぁ、くっああ、熱い」 何度も何度も噴射するため、本体から液が管を通って触手の先端まで運ばれ、膜を作るために出してるのかもしれない。 「僕が中出ししたことを思い出す?」 「そんなっ」 「乳首への愛撫はどう?」 乳首を咥えられキツく吸われた。赤ちゃんが必死にミルクを欲しがっているような吸い付き方なのに感じてしまうなんて。 「あっ、ああ、達也、変になる」 「快楽を感じる成分が分泌されて痛みは無いですね」 「ぁ、それは」 「梓先輩、これは研究です。ドールを使いたくない、人体実験を告発する、なんて無理だと分かりましたか?」 「私は、んっ、諦めないっ」 「梓先輩は真っ直ぐで、優しくて好きです。でも今回だけは諦めて下さい」 「それは」 「お願いします。辞めるなんて言わないで、僕の元から去るなんて許さない」 細い触手が抜かれ、代わりに太い触手が梓のナカにねじ込まれる。 「な、何か、入ってる、私のナカに何を」 「治癒してくれるのは小型の触手です。その触手は卵から生まれたばかりのものでなければなりません」 「ここに、まさか、アイツらの卵が」 「αのフェロモンを50倍に濃くして充満させてます。梓先輩、まるでΩみたいですね。僕たちの子ではないですけど、僕の研究は子どもみたいなものですし、梓先輩に出産してほしいです」 「私が、Ωだと・・・私の子がお腹に」 フェロモンで梓の思考は早くナカに入れてほしい、掻き回して、種付けしてほしいと変化していく。 「違う、私は、触手なんかに、犯されたくなんか、んあっ」 「触手は私の命令しか聞きません。私に犯されていると思って梓先輩」 「っ、あ、は、くっ、待て、卵が、苦しい、先が刺激され、はぁん」 口から嬌声が漏れ、息遣いも荒い。顔も赤らめ、周囲の水が跳ねる。穴を広げれば広げるほど水も入って、少しの刺激にも快楽を拾ってしまう。 「卵からそろそろ生まれます」 「生まれ、る?」 「はい」 「いや、生まれるなんて」 「前だけでなく、後ろもいじられて気持ちいい筈です。何も怖くありません。僕は手を握ってあげられないけど生んで下さい。生まれたら、その子を裕介くんの治療に使います。それなら怖くないでしょう」 「私のが、治療に」 「そうです。梓先輩が出産したら皆のためになります」 私は触手がナカから引いていくのが分かる。いよいよ生まれるのだ。 「ああっ、卵が、動いて、蹴ってる、ナカを蹴ってる」 「力んで排出して!」 「んああああああっ!!」 達也はガスマスクを付け、生まれた触手の赤ちゃんを取り出していく。触手生物の親は扉から帰っていき、水も抜かれていった。 「梓先輩、お疲れ様でした」 「たつ、や」 「梓先輩のおかげで裕介くんは助かります。ベッドへ運びますから寝てていいですよ」 「疼くんだ」 「えっ」 「達也の、ほしい。私のナカに、入れて」 「入れてほしいんですか?」 「ひゃあ」 「これからも僕の元で実験に付き合ってくれますよね」 「んんっ」 ナカを少し刺激するだけで乱れる私に、達也は告訴しないことや婚約者になる約束を取り付けていく。 「次の産卵まで、お世話しますね梓先輩」

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