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抱擁〜私を離さないで〜

【人物紹介】 ・久坂春樹:理央とは幼馴染で、恋人。Ωの新人記者。後輩の雅人が理央を狙っていると思い、ライバル視している。岩岡議員の調査をしていたが雇われた井岡に拉致され監禁されている。 ・宮地理央:春樹の事が大好きな大型わんこキャラ。エステティシャンで、経営している店で問題が発生している。α。 ・大神雅人:薬品会社の御曹司で、弁護士をしているα。春樹達の後輩で、ドS。欲しいものは手に入れる主義。理央の件で、春樹とも再会する。 ・岩岡新造:春樹と先輩が追う大物政治家。Ωの男を弄んでいる。井岡にΩの男を調達させている。 ・井岡一弥:岩岡と懇意にしている貿易商。調教が趣味なサディスト。交友関係が広い。権力者とのコネがあり、大神家とも知り合いである。 解放される条件は井岡やその仲間達の前でSEXすること。 大神は久坂を気遣い、目隠しをした。お姫様抱っこされるのは恥ずかしいが、体力が落ちている今は助かる。 ベッドの上に寝かされると、軋む音がした。 「坊ちゃんはどんなSEXするんですかね」 「いたって普通ですよ。こう見えて優しいですからご希望にそえませんが」 布ずれの音、ベルトを外す音。 見えない分、いつもより聞こえる。大神の姿は見えないが、近くにいるのは分かる。 「久坂さん、私でなく宮地さんに抱かれていると思ってくれていいですから」 頷くと、頭を撫でられる。 理央は指が細く柔らかいが、大神は理央より大きくて感触が違う。 顔や首に大神がキスをしていき、胸もいじられた。井岡に散々バイブで弄られたため、簡単に立って甘い刺激が走る。足をもじもじ擦り合わせてしまうのも、乳首を弄られながら射精することを繰り返され、脳が覚えてしまったのかもしれない。 「春樹、イキたかったらいいよ」 チロチロと舐められただけで一度達してしまい、大神の身体にかかってしまう。 「気にしなくていいよ。ゆっくりほぐすから」 「坊ちゃんが来る前に充分穴を広げてますよ。本来なら岩岡先生が種付けしてコレクションにするつもりだったんですから」 大神が来てくれなければ俺は愛人、いや玩具にされていたのだ。分かっていた。自分の状況を知らせるために一度岩岡とΩの青年の遊戯を聞かされたことがある。 『ほら、しゃぶらんか。お客さんを待たすんじゃない』 『でも、動かれたら、んあっ!』 『儂が動くのは勝手だろ。ほら、早くしないとナカでイクぞ。それともしゃぶるよりナカで奉仕をするか』 『今出されたら妊娠しちゃう!あっ、もう、出さないで』 『嫌なら早くしろ。嫌嫌言ってる間にイッてしまうなあ』 『あっ、待って、するから!出てる、ナカに出てる、んんっ!?』 俺もあんな奴に組み敷かれるなんて怖い。身体が震えると、耳たぶを噛まれ、意識が大神に向く。 「春樹は大丈夫。僕が助けに来たから、これが終われば柔らかい寝床で寝て、美味しいものを食べよう」 「ノロノロしてんじゃねえぞ!行儀良くしてんじゃねえ!」 「早く春樹ちゃんの蕩け顔見せろ!」 野次が飛び、一人が久坂に手を伸ばそうとするが、大神が手を払いのけた。 「彼は私のです。手出しをするようなら容赦はしない」 大神が冷たい声で言ったのはその時だけで、久坂には優しく丁寧に愛撫し、痛くないか聞いてくる。理央と思おうとしても、大神と抱き合っていると分かる。怖がらせないようにする行為をどんな表情でしているのだろう。 「好きに」 「どうしました?」 「好きにしていいから。早くしないと、帰れないし」 「ですが」 「大神なら大丈夫、だと思う」 そう言うとナカに質量のあるモノが入っていく。バイブで広げられたそこは何なく包み込み、大神が動くとまるで離さないように締めつけてしまう。 「んんっ、あ、あっ、そこは」 「気持ちいいですか?」 「お、奥、突いたら、んあっ!!」 長くて大きいものが出入りし、ベッドが軋む音が大きくなる。自分の声も高くなり、イキそうになると抱き起こされ、更に深くなる。大神に抱きかかえられ揺さ振られ、大神の吐息も聞こえる。 「私を離さないで、春樹」 「イけ!イけ!」 「ほら、もうすぐだぞ春樹ちゃん!」 外野の声が聞こえても大神の背中に回した手を離せなかった。 「はっ、はっ、ん、んんっ、イキ、あああっ!!」 大神が鎖骨の下を噛んだ時、一緒に達した。大神はゴムを付けてくれていたようだ。 「出せましたね。お疲れ様でした、春樹」 大神のαのフェロモンに当てられ、その後も俺が気絶するまで続けられた。正直トんでたので、高級な車で目覚め、整えられた服を見た時に地獄が終わったんだと安心できた。 「泣いてもいいですよ」 大神はハンカチを渡した後、こちらを見ずに運転してくれた。恐怖からの解放で一生分の涙を流したんじゃないかと思うぐらい泣いた。 「宮地さんには連絡しました。仕事が長引いて、連絡も出来ないだろうと言っています」 「そっか。何もかもありがとう。大神のおかげで助かったよ」 理央に知られたくないから、ホッとした。涙で目が腫れているし、正直疲れたので大神の住むマンションに泊まらせてもらうことにした。 「久坂さん、おやすみなさい」 「おやすみ」 大神のベッドは何かいい匂いがする。大神から時々香るアロマの香りか、それとも背を向けて寝ている大神自身の匂いか。 その日の夜は安心して眠りにつくことができた。きっと朝まで大神に抱きしめられながら寝ていたからと思ってしまうほどに。

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