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第3話

 夕食後、家政婦さんに作ってもらったおにぎりを持って愛翔の部屋へ忍び込んだ。  薄暗い部屋の中、兄さんに強姦された愛翔はそのままの姿でベッドに横たわっていた。 「愛翔? 大丈夫か?」 「直兄さま……!」 「おにぎりを持ってきたよ。薬は飲んだ?」  首を横に振る愛翔に、アフターピルと痛み止めと水を渡した。ほっそりした喉が薬を嚥下するのを見てほっとする。  愛翔は男でも妊娠できるオメガだ。スキンも無しに兄さんの精を注がれていたから、処置をしないと妊娠してしまう危険性がある。 「おにぎりは食べられる?」 「ありがとうございます。……直兄さまだけです、優しいのは……」  愛翔が塩むすびを食べる間に、俺は濡れタオルで愛翔の身体を拭いてやった。兄さんの精液が付いた部分は特に念入りに。  背中の蚯蚓腫れには軟膏を塗ってやった。 「直兄さま……あの、ここにも、塗ってくださいませんか」  瞳を潤ませた愛翔に手を取られ、導かれたのは尻の穴。腰を押し付けられて、愛液と兄さんの体液で濡れそぼつ後孔に指が入ってしまった。  蠢く腹の中が俺の指を厭らしく締めつけてくる。兄さんのペニスに貫かれた、厭らしい穴。 「あん、直兄さまぁ……僕、直兄さまなら、」 「やめろ……!」  俺の股間を触ろうとしてきた愛翔を突き飛ばした。  驚いた顔で俺を見上げる愛翔は、小さな身体で可愛らしい顔立ちをしている。そして、彼が放つオメガ特有の甘い香りに胸が騒いだ。 「駄目、ですか? 僕、直兄さまのこと、お慕いしております。直兄さまだって、僕に惹かれているから優しくしてくださるんでしょう?」 「……ち、違う!」 「待って、直兄さま!」  俺は愛翔の部屋から逃げ出した。あのままあそこにいたら、胸の内からこみ上げる感情でおかしくなりそうだったから。

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