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第10話

それから数年後…… 「それで? あの子は見つかったのか?」 「ええ。隣の県になりますが、●●市という場所で狭いアパートを借りて住んでいるようです。こちらが、報告で上がってきた写真となります」 「……へえー。真冬と亜依さんのいい所をとった整った顔だね。ふふっ、こっちの写真はムスッとしてるけど、目力があっていいね~」 「ちなみに、発情期はまだのようです」 「そっか~。まだ未完成なのか……。それ残念だなー」 「どうなされますか? せっかく居場所が特定できましたし、一度お目にかかりますか?」 「そうだね。明日にでも、冬愛の通学路で待っていよう」 真冬が亡くなってから十年以上経つ今も、春馬は白崎の家からいなくなった弟の家族に執着をしていた。 そして、側近として仕えている川崎も、変わらぬ思いをこじらせていたのだった。

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