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第20話

肌を滑る掌が温かい、こちらの反応を窺うように丁寧に撫でてくれるのは嬉しいけど、少しばかりもどかしい。もっと激しく奪ってくれてもいいのに…… 俺の秘奥に伸びるてくる指、ゆるりと確認してそこを撫で、兄は「ん?」と首を傾げた。 「ずいぶんと柔らかいな?」 「だって、自分で準備してたもん」 男同士のあれやこれ、当然まったく知識がなかったから色々調べて事前準備はしていたさ。ただ兄ちゃんが、いつまで経っても手を出してこないものだから自慰ばかりが捗って、少し緩くなっちゃった? 「そこは俺にやらせて欲しかった」 「知らないよっ、いつまでも手を出してこない方が悪いんだろ?」 「まさか、よその男に触らせてなんか……」 ぎらりと嫉妬の炎が垣間見えてぞくっとする、そういう顔も出来る癖に出し惜しみするからだよ。 「そこは自分で確かめ……はぅ!」 ぐりっと指を突っ込まれて身体が跳ねた。そこはなんなく兄の指を受け入れたのだけど、兄はちっと舌打ちを打った。 「俺は存外嫉妬深い、迂闊な事は言わない方がいい」 少し乱暴な指使い、普段の兄からは考えつかないその荒っぽさにぞくぞくする。 「もっと!」 「んん?」 「そういうのもっと見せて!」 「お前は……そういうのが好きなのか?」 どうなんだろう? でもたぶんそう、優しくされるだけじゃ不安になるよ。そういう執着を見せてくれたら俺は安心できる。けれど、兄ちゃんは少し戸惑い顔だ。そこで引かないでよ。 「お前はなかなか難しいな」 急に兄の態度が軟化して元の兄に戻ってしまう、もう! 何で!? 「俺は少し乱暴に奪われるくらいがいい、優しくされると不安になる」 「不安になる……か、だったらそんな不安が吹き飛ぶくらい優しくしよう」 足を割り開かれて持ち上げられて兄が俺の下肢に顔を埋める。え? やだ、そんな所舐めちゃダメ!

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