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第17話
あれからしばらく経って、龍也さんはこれまで通り毎日お仕事に行き、幹部の二人もたまに顔を出してくれるけど、凄く忙しそうだ。僕は、家にいて掃除をはじめとした家事をしながら生活している。今度龍也さんに手料理を食べさせてあげたくて、一人暮らしの時は全くと言っていいほどしなかった料理も勉強中だ。
「一番初めに作るんだったら、やっぱり肉じゃがとかかなあ?でも、もうちょっとおしゃれなもの作りたいな。」
一人でうんうん悩んでいると、ガチャっと玄関が開く音がした。
「ご無沙汰しております。」
そう言いながらリビングに現れたのは、椎名さんだった。
「あ、椎名さん。ご無沙汰してます。忙しそうですね、何か飲みますか?入れてきますよ。」
「お気遣いありがとうございます。しかし、時間がありません。出かけますよ。」
これからどこかに出かけるらしい。ちょっと焦った様子の椎名さんに急かされながら、急いで準備をする。
「お待たせしました。」
準備が終わり、待っていてくれた椎名さんに声をかけると、それでは参りましょう。と家を出た。
マンションの下で待っていた車に乗り込み、出発する。
「…あのー、これからどこに行くんですか?」
前の助手席に乗っている椎名さんに尋ねると、思いもよらない答えが返ってきた。
「これから天羽会をはじめとする会を取り仕切る、天竜組(てんりゅうぐみ)の本家に向かいます。そこで組長と顔合わせを行ってから、天羽会の組員に正式に発表という形になります。」
「えええ⁉僕何も聞いてないですよ!言ってくれればもっとちゃんとした格好で来たのに!」
今の僕の格好と言ったら、ジーパンにTシャツというものすごくラフな格好だ。こんな格好で行ってなめてるやつとか思われたらどうしよう。
「変に緊張しないようにという会長からのご配慮です。」
緊張しないようにって言っても、事前連絡は大事だよ!!
「前の車は会長が乗った車です。ちょうどですね。ほら、着きましたよ。」
あっという間についてしまって、車からおりると、何処かの旅館ですかと言わんばかりの大きな門が立ちはだかっていた。
「やっぱり緊張するか?伶。」
いつの間に横に来たのか、龍也さんが聞いてくる。
「緊張しますよ。なんで言ってくれないんですか。…でも誰になんと言われようと、龍也さんは僕のです!」
「フッ。それでこそ伶だな。」
龍也さんがそう言うのと同時に門が開いた。
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しばらく更新できずすいませんでした。色々あってバタバタしていたらどんどん日が経ってしまっていました。ほんとにすいません。
また今日からぼちぼち更新していくので楽しんでいただけたら嬉しいです。
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