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第33話

朝、目が覚めると隣でまだ龍也さんは寝ていた。 昨日の龍也さん、どうしたんだろうな。でも、僕から色々聞くのも違うんだろうな。 のどが渇いていることに気が付き、布団を抜け出す。部屋に備え付けてあるポットからグラスに水を注ぎ、水を飲む。水を飲みながら窓際に座っていると寝室のほうからバタバタと足音が聞こえてきた。 「どうしたの!?」 慌てて立ち上がると龍也さんが焦ったような顔で僕のところに歩いてきた。 「龍也さん?」 「れい」 龍也さんが僕のことをギュッと苦しいぐらいに抱きしめてきた。 「りゅ、やさん、苦しい」 「伶、伶」 「龍也さん。大丈夫だよ」 僕もギュッと龍也さんを抱きしめ返す。 「ごめんね、起きた時隣にいなかったからびっくりした?」 「いなくなったかと思った」 「いるよ。大丈夫」 昨日から不安定になっている龍也さんを諭すように話しかける。 「龍也さんがなんでそんなに不安になってるのかは分からないけど、話してくれる時まで待ってるからいつか教えてね。僕はずっと一緒にいるから」 「ああ、ごめんな。昨日からなんか変だ」 「たまにこうやってぎゅってしようか。それなら僕がちゃんといるってわかるでしょ?」 「そうする」 「分かったよ。まだ準備しなくても時間あるからもう一回寝よう」 「絶対寝坊する気がするんだが」 「その時は二人で和泉さんに怒られよう」 「はっそれは面倒だが、二人ならいいか」 もう一度龍也さんと一緒に布団に入る。 案の定次に目が覚めた時には和泉さんが部屋にいて。二人でしっかりお説教されながら着替えをした。 「なんで和泉はあんなにうるさいんだ」 長いお説教が終わると龍也さんがボソッと文句を言う。それはしっかり和泉さんに聞かれていて、またお説教が始まりそうなのを椎名さんがまあまあとなだめている。 和泉さん達が出て行ったのを見てほっと息を吐く。 「龍也さんが余計なことばっかり言うからお説教長くなってたじゃん!」 ずっとなぜか僕だけ正座させられていたから足がしびれて辛い。 「まさか、僕が正座してるから意地悪したの!?」 ニッと片方の口角だけ上げて笑う龍也さんの顔が表す回答は一つで。 「もう!そうゆう意地悪する人は嫌いだよっ!」 「くくっ悪かったよ」 「全然反省してないでしょ!」 「反省してるって」 そう言いつつ僕の足をツンツンしてくる。ビリビリするーーーー! 「相当しびれてるようだな」 「だから、やめてって」 「マッサージしてやるよ。ほら、そこ座れ」 「意地悪する?」 「ふっ。しないよ」 「ほんと?」 「ホント」 足を龍也さんのほうに伸ばして座ると龍也さんが僕の足をマッサージしてくれる。まだ足はビリビリするがだいぶ楽になったところで龍也さんが話しかけてきた。 「今日は何する?昼は全員でバーベキューの予定だが」 「お昼からかー。ならお昼まで一緒に外お散歩しようよ」 「分かった。じゃあ行くか」 「うん!」

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