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第38話(愁side)

朝、パチッと目が覚める。携帯で時間を確認しようと携帯に手を伸ばすとふと隣に何かあることに気が付いた。 「あ”?」 バサッと布団をめくると爆睡している凛月がいた。なんだこいつ。気持ちよさそうな顔しやがって、腹立つ。何となく凛月の鼻をつまんでみる。 「ん、ふがっ」 顔をしかめてふがふがしている凛月が面白い。 「んー、なにー」 「なんでお前俺のところで寝てるんだよ」 「えー忘れちゃったのー?昨日は俺と熱い夜をすごしたじゃない」 「馬鹿な事言ってんじゃねえ、殴るぞ」 「えーこわっ冗談じゃん!」 「だから、なんで俺のところにいるんだよ!お前の部屋は隣だろうが」 「だって昨日寒かったんだもん」 「だからって俺の部屋に来るな」 「やーだね」 「よし分かった。お前の朝飯は人参で埋め尽くしてやる」 「勘弁してくれ。なんの嫌がらせだよ」 旅行から帰ってきて今日は日曜日。久しぶりの休日だ。 「起きるか」 「そうだね、今何時?」 時計を見ると六時半。早く起きすぎたか。 「六時半!早すぎ。愁ジジイかよ」 「黙れよ」 「おーこわこわ」 二人でベッドから降りてリビングに向かう。リビングでソファーに座っているとキッチンのほうから凛月が話しかけてくる。 「今日はカフェオレ?コーヒー?」 「コーヒー」 「りょーかい」 すぐに凛月がキッチンからコーヒーを持ってくる。 「はいどーぞ」 「ありがと」 隣に凛月が座りテレビをつける。 「早すぎて何も面白いのやってないじゃん」 「何か見るか?映画が何か録画にあるはず」 「朝っぱらから映画なんか見たら寝ちゃうし」 「あっそ。朝飯何食いたい?」 「ベーコンエッグ食べたいなー」 「じゃあそうするか」 「やったね」 隣でテレビのチャンネルを回しながらブーブー言っている凛月を横目に見ながら朝食の献立を考え始めた。 「そろそろ朝飯作るか」 「俺も手伝うー」 「じゃあ頼む」 「はーい」 二人でベーコンエッグと簡単にスープを作り、パンを焼く。テーブルにそれを並べてそれぞれ席に座った。 「いただきまーす」 「いただきます」 二人で手を合わせて食べ始める。 「このベーコンエッグめっちゃうまくできたよね」 「そうだな」 いい感じに半熟になったベーコンエッグが少しうれしい。 二人とも食べ終わると皿を片付けると凛月に話しかける。 「凛月ー。今日なにか予定あるのか?」 「特に何もないよー」 「奇遇だな。俺もだ」 「どっか行く?」 「それでもいいが。どこ行くんだ?」 「特に考えてないなー。映画でも行く?」 「あーそれいいな」 「じゃあそうしよ」 今日の予定が決まったところで二人で見る映画を相談して、家を出た。 「映画面白かったねー」 「ああ。当たりだったな」 「お腹空かない?」 「お昼時だな。どっか店入るか」 「そうしよ。あ、オムライス美味しいお店あるよ。行く?」 「行く」 お昼を食べ、ブラブラ歩きながら家に帰ると辺りはもう暗くなっていた。 「いやー久しぶりの休日楽しかったねー」 「そうだな。明日からまた頑張るか」 「がんばろー」

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