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第15話 再戦
再びの土曜。
「やっぱりかなわないな」
息を荒くして奏太が汗をぬぐう。
先週よりはいいところに打ち返しているつもりなのだが、それでも、事も無げにボールが戻ってきてしまう。
「そんなことないですよー。先週より更に楽しいです」
縁は息も乱さずに笑っている。
技術以前に体力差で負けている。
家に戻ったら、もう少し真面目にジムに通おうと奏太は心に決めた。
奏太がギブアップしてお遊びは終了した。
シャワーで汗を流し、例の定食屋で昼食をとる。
「テニスは長く続けてるのか?」
運ばれてきた炒飯を崩しながら奏太が聞いた。
「いえ、まだ1年もやってないです。俺、どちらかというと熱しやすく冷めやすいっていうか、飽き性なんで、広く浅くやってます」
「浅くやってる奴に俺は完敗したわけだ」
「やだなぁ、奏太さんは学生時代ぶりなんでしょ?さすがに俺が勝ちますよ」
両手を広げて宥めるように縁は笑う。
「ああ、でも、二十代に体力で勝てたのは嬉しいですね」
「ん?んん?」
思わず奏太が首を傾ける。
「中途入社なんで社員ID新しいですけど。奏太さん29でしょう?俺、32です」
「は。そうなのか。意外だったな」
「童顔だし、中身も子供っぽいんで。よく言われます」
「ふうん」
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