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第24話 おまけ 縁くんの受難2

縁とまりあは血の繋がりはないが姉弟にあたる。 まりあの母はまりあを生んですぐ亡くなり、しばらくしてまりあの父は縁の母親と再婚した。その母親の連れ子が縁というわけだ。 「急にどうしたの?こっちに来るなんて。愛媛が気に入ったんじゃなかったの?」 コーヒーを淹れ縁の前に置いたまりあは、向かいの椅子に腰を下ろした。 「そうだったんだけど、色々あって本社に転勤になったんだ。それで今、住むところを探してて」 「ふーん。色々ねぇ。本社ってどこ?」 「○○町」 「なによぅ、私の職場に近いじゃない。ここに住みなさいよぉ。部屋余ってるし。お金も別に気にしなくていいから」 「いいの?」 もちろんそれを期待してここに来たわけだが、いざ良しと言われると躊躇いが生まれる。先ほどの熱烈歓迎の件もある。 「じゃあ、気が向いたときにでも掃除と洗濯してくれれば嬉しいかしらぁ。後私の話し相手」 「話し相手?」 「愚痴でも聞いて、ついでに技の一つもかけさせてくれれば」 物騒なことを言うまりあ。 「病人送りにならない程度でお願い」 「やぁね、軽い怪我なら私が診てあげるわよぅ」 「いや、そういう意味でなくてさ。……置いてくださいお願いします」 「任しときなさい」 上記のやり取りを経て、縁は姉のまりあのマンションに転がり込むこととなった。

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