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藤本 3 ※※

※グロ注意※ 思っていたより幾分遅かったが、予定通りに篠宮くんが部屋へと来てくれた。 だが、その後ろには見慣れない男が5人。見たことはある。節操なしで有名な‪α3人‬と…津川先輩に何度もフラれている‪α‬2人…。あぁ、そうか。津川先輩は自分がしたことをやり返されるのか。 津川先輩のこの後を想像し可笑しく思うと同時に、この短時間でこれだけの人数を集められた篠宮くんはやはり人を従え、人の上に立つ尊敬すべき人物だと再認識した。 「…佐伯。いるの…?」 そう呼びかけると篠宮くんは、事態を飲み込めず呆然としたままの津川先輩も、ここへと呼んだ僕でさえも無視してフラフラと虚ろな目をして部屋の奥へと向かう。 部屋には彼を犯していた男共が転がったままだ。 「あの、篠宮くん!佐伯くんは…。」 彼はどこかへ逃げたのだと伝えようと前に出るが、最後まで言う前に篠宮くんが目の前で横たわっていた男の体を宙に浮くくらい強く蹴り飛ばした。 「うっ!ぅ"ぇ…っ!」 僕の与えた睡眠薬のせいで意識が朦朧としているのもあるのか、起き上がることもできない様子の男。それを無視し、その隣、足を広げて座るように壁に凭れて眠る何も纏っていない男の方を向いた篠宮くんは男の股間目掛けて振り上げた足を踏み潰すように落とす。 ぶちゅんっ…と後に残るような、果肉が溢れ出し潰れる果実のような、スッキリしない音が聞こえた後、1度大きくその身を震わせた男は泡を吐いて動かなくなった。 だがそれでも満足しないのか、篠宮くんは何度も足を踏み下ろす。 グヂップチュッと最初は音が大きく響いていたのにやがてそれは周りへと飛び散るに連れて軽い小さな音へと変化していって、篠宮くんは最後に付着した肉片を床に擦りつけるようにして靴底を拭って離れた。 篠宮くんが動いたことで股間が血塗れとなった彼の全貌が明らかになり、それを見た後ろのα‬たちの中から「うぇっ…。」という声が上がる。 呆けたようにただ見ていると篠宮くんは「そのナイフちょうだい。」と言って僕に手を伸ばしてきた。ちゃんと僕を認識してくれていたのだと嬉しくなり喜んで差し出すと篠宮くんはベッドで眠る男の性器にそれを突き刺す。 「!?っ…ぁああ"!!」 目を覚まさない方がきっと幸せだったろうに、男は睡眠薬の名残りで上手く動かない手足をバタつかせながら自分の性器に突き刺さったそれを凝視し「篠宮…。」と蚊の鳴くような声で呟いた。 篠宮くんは彼に顔を向けることもなくその手に力を入れジリジリと少しずつ性器をシーツごと引き裂いていく。男は自分の性器が2つに割かれていくのを暫くの間ビクビクと大きく痙攣し呻きながら見ていたが、気付けば呻き声は上がらなくなっていた。完全に性器を割かれてからも時折小さく体が痙攣していたけれど、それも暫くして止まった。 篠宮くんは動かなくなった男を眺めた後ナイフをシーツから引き抜いてベッドを降り、机で眠る男の元へ向かうと今度は完全に性器を切り取った。だが、ナイフは血やら先程の男の一部が付いたままで上手く動かないようで最終的にブチブチと引きちぎるようにしてそれは捥ぎ取られた。篠宮くんの指の隙間から、血で多くを覆われた皮なのかそれともその内側にあったものなのか分からないピンク色のものが溢れるように覗いていた。篠宮くんは最後にそれを払い取るように手を振って、飛んできた血が当たったαが情けない悲鳴をあげる。 その後にビシャビシャと吐瀉する音が後ろから聞こえ、噎せ返るような血の匂いの中に酸の匂いが混じっていく。 「ねぇ、お前の家にやたらと噛み付く犬がいたよね。こいつのはその駄犬にあげるよ。」 ひと仕事終えたように肩を落として近くの椅子に腰掛けると、最初に蹴られた男を指さしながら僕の後ろに控える‪α‬に言った篠宮くん。 「ははっ…。どうも…。」 乾いた笑いをあげて指名された‪α‬が返事をする。 「あ、でもいきなり本命を噛ませるようなつまらないことはさせないでね。少しの余興くらいは…仕込んでおいてほしいかな。…見に行くから。」 つまりは何度も外せて噛ませろという意味。 それを聞き青ざめる先程のα。 篠宮くんだけが、楽しそうに笑っている。 誰も、その場を動けなかった…。

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