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服の隙間から入った手が、腰に触れる。
最初は温度が低かったはずのその手は、今は俺よりも熱い。
「……すきだよ、リク」
俺の名を呼んで愛を囁く男が、首筋に唇を這わせながら、ふわりと覆い被さってくる。
骨ばったあたたかな手は、期待を膨らませて主張する核心に近づきつつも、はぐらされる。
そこじゃない、そう思うと腰がゆらりと揺れるのに、触ってほしいところではない色んなところをまさぐってきて、息が浅くなり、焦れる。
体温の低い彼の身体は少しずつ熱をもつ。
俺で興奮してんのかな、なんて思うと、こっちまで身体の芯に火をつけられたように、じりじりと焼け疼いた。
近くに感じるやつの匂いに無意識に擦りよって、身体は弛緩して。
おずおずと、だけどしっかり、俺は身を委ねるために首に腕を回す。
──それが、合図だ。
甘ったるくて淫猥な、最悪の秘め事が始まった。
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