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 筋肉痛というほどでもないが、腰の奥の内臓が重だるいんだよな。  でもまあそんな気にするほどじゃないし、余計な心配させんのもあれだしな。 「寝違えただけ。大丈夫だよ」 「……」  ボーッとしたまま、ヤスは無言で食器を持って、椅子から立ち上がった。  返事はなかった。  朝は必要最低限しか喋りたくないらしい。  だけどお昼を過ぎた頃には覚醒するから、変なやつだ。  一気に元気になって、活発でスポーツ大好きな明るい性格になる。  朝と昼のギャップは、もう見慣れた俺でも、ある意味凄い。  こいつには、スイッチのONとOFFでも付いてるんじゃないかと、最近真面目に思ってしまうほど。 「つか、お前目開いてたのな」 「……失礼だな、これでもそこそこモテるんだぞ、俺」 「違うって、まだ寝てんのかと思ってたからさ」 「ギリギリ起きてるっつっただろ」  つーか寝ながら飯食わねぇし、と不機嫌丸出しで呟く弟は、朝限定で異常に沸点が低い。  イラついたように舌打ちし、眉間に皺を寄せる顔を見ながら、内心ちょっと楽しんでる自分がいる。  このイライラしている時にわざと揶揄うのが、実は面白い。  本人に言うと怒り狂うだろうから言わないけれど。

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