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第7話 ケジメ
三木を飛鳥井の駐車場へ送ると、三木は深々と…康太に頭を下げ…
「明日の夜…伺います…」と告げた
覚悟を決めた瞳を送ると…三木は自分の車に乗り込んで還って逝った
康太は車から降りると…停まっている車を見て、溜め息を着いた…
神野の…BMWが停まっていた…からだ
「もう来てやがる…」
「神野ですからね…」
「なら、片付けに行くとするか…」
康太はそう言うと…飛鳥井の家の中に…入っていった
応接間に顔を出すと…神野と小鳥遊、蒼太と矢野がソファーに座っていた
「神野…少し待て…一生の薬を塗ってからな…。慎一、救急箱を持ってこい!
伊織…弥勒の薬を塗ってやってくれ!」
康太が言うと、慎一が救急箱を持ってきて、榊原は一生の服を脱がし…包帯を外した
化膿した傷口が…爛れて…見えていた
榊原は、医者から渡された消毒薬で傷口を消毒してから、弥勒から貰った薬を塗った
その上にガーゼで傷口を保護して…包帯を巻く…
総て終わると…榊原は一生に服を着せた
「貴方…少し熱出てますよ?」
榊原は、そう言うと体温計を口の中に入れた
ピピッと体温計が鳴ると…榊原は体温計を取り出し、眉を顰めた
38度と見ると…榊原は薬の袋を取り出し…解熱剤…を一生の口の中に入れた
慎一が水を差し出し…一生は仕方なく…それを飲んだ…
榊原は立ち上がると、三階の自室に行って毛布を取りに行った
毛布を持って戻ると、一生に掛けた
「少し寝なさい…。側にいるので…目を閉じなさい…」
榊原は一生の額にキスを落として…目を閉じさせた
康太は一生の髪を、優しく撫でた
「さてと、神野、話し合おうぜ」
康太が言うと…神野は一生を見て……良いのですか?と尋ねた
「部屋に追い返しても…寝ないなら…見て寝かせるしかねぇじゃんかよ!
構うな…!始めるぞ!」
「専属の話でしたね…。
俺は…貴方が…決めた事に従います!」
神野は康太に深々と頭を下げた
「蒼太、宙夢と話し合ったんだろ?
答えを聞かせろ!」
「……話し合っても…答えなど出ません…
君を裏切って…飛鳥井の名を傷付けた…事実は…消えない…」
「償いたいか?」
「はい。償えるなら…」
「ならば、飛鳥井蒼太、お前は、明後日から飛鳥井建設に出社しろ!
ハッキリ言って…矢野の足を引っ張るしかねぇからな…お前は…出直せ!
矢野はアトリエで仕事しろ!
蒼太は飛鳥井建設に出社しろ!
飛鳥井は今は乱世だ…甘くはねぇ…
オレが改革の真っ只中だ…オレの思い通りに動け!
それで、許してやんよ!」
「え…康太…僕は…許されないのに…」
「許されねぇからな…オレの意思を寸分違わず実行出来る…人間を配置する…
オレに命を寄越せ…飛鳥井蒼太!
オレの為に…その命を…寄越しやがれ!
その為に助けてやったんだ!」
「解りました!僕は…君の為に寸分違わず動く…駒になる…
栗田一夫みたいな…存在になれと仰るのですね…」
「そうだ!オレの手足になり目になりやがれ!
宙夢は…一条隼人の専属のまま!
他の仕事は一切するな!
そのうちオレがお前の店を用意してやる!
だから、今は腕を磨いて…蒼太を支えろ!」
矢野は…康太の足元に…移動して…泣いて…謝った…
「宙夢、愛する男が曲がるなら…刺し違える覚悟がなければ…別れろ
命を懸けろ…愛すればこそ…違えてはいけねぇんだ!
解るな?愛する男を甘やかすのは…誰でも出来る…
愛すればこそ…違えねぇ様に導く!
それが出来ねぇで…恋人の資格なんてねぇんだよ!」
「解ってます…蒼太を…導かねばならぬ僕ですが…出した答えは…蒼太と共に…死んであげる…それだけだった…」
「共に死ぬのは…愛とは言わねぇ…
自己満足だ…愛してるなら闘え…
殴ってでも…軌道修正する!
それが恋人の使命だ…!」
康太は矢野の顎を持ち上げた
「強くなれ…愛してるなら…強くなれ!
甘やかすのは…愛じゃねぇぞ…
明後日から…蒼太は出社する…
お前と居られる時間は減る
だけど、お前は一人で…仕事をした方がペースは上がるだろ?
当分…蒼太は勉強させる…甘くはねぇ世界に放り込む…
二人は…支え合わねぇと生きれねぇぜ!
互いを離したくねぇなら支え合え!
解ったな?」
矢野は、はい!と決意の瞳を康太に向けた
康太は矢野の唇を舐めてやった…
「お利口だ…宙夢…。」
「康太…僕は…頑張るよ…。」
「あぁ。頑張れ…」
チュッと矢野にキスを落とす
「気晴らしに飛鳥井に来い!
源右衛門に話しとくから…子守して…手助けしてやれ」
「解りました…康太…本当に…」
泣きじゃくる矢野の頬を舐め慰める
ついでに…キスしてやり…舌を挿し込み…激しい…接吻…となり…榊原は康太を剥がした
「君は本当に…目が離せませんね!」
「宙夢の口の中が…美味しくてな…ついつい…」
「美味しかったんですか?」
「おう!食ってみろよ!美味しかったぜ!」
康太に言われ…榊原も矢野の口腔を味わう…接吻をして…矢野は…腰が抜けた
「本当に…美味しかった…何の味ですかね?」
「嘘…そんなに美味いの!オレ様も!」
隼人も…矢野の口腔を…味わい…接吻した
「美味いのだ…何食べたのだ…?」
「プ…プリンを…」
涙目で…矢野は答えた…
榊原は「神林パティシエのオーダープリンですね!だから、康太の好きな口腔の味だったんですね…新作ですか?」と的確に言い当て…新作か尋ねた
「新作だから…持って来たよ…」
立ち上がろうにも…矢野は…本当に…腰が抜けていた…
「すまねぇ…蒼太…。宙夢の腰を抜かした…最近、してねぇのかよ?
こんなキスで腰抜かすとは…サービスが足りねぇぞ…蒼太…。」
「すみません…罪悪感で…それどころじゃなくて…宙夢…立ち上がれませんか…
康太は…そんなにキスが上手かったですか…?」
矢野は…真っ赤な顔になった…
「蒼太、明日は…朝からオレは病院の後…若旦那に逢う約束が入ってる
出社は明後日からな!
オレも会社に一緒に行く!
前と…全然違うからな…驚くぜ…
無能な社員には給料は支払う気はねぇからな、試験を受けてもらい、実力主義にした
無駄な接待費も…省いた…
飛鳥井は…改革の真っ只中だ…心して出社しろ!良いな?」
「はい!解りました!」
「なら、話し合いは終わりだ…!
神野も異存はねぇな?これからは宙夢を酷使して使え…専属だからな!」
「異存などないです!」
「なら、母ちゃんが飯を奢ってくれる
なぁ、母ちゃん!飯を食わせろ!」
何時の間に来ていたのか…玲香が…応接間に来ていた
「康太…我にタカるのか?」
「オレは明日には…二本…飛んで行くかんな…」
「200万円…?誰を使うのだ?」
「弥勒院高徳と、紫雲龍騎に…仕事を頼んだ…」
「なら、奢ってやろう…何が食べたい」
「寿司が食いてぇ…」
「瑛太…康太が寿司が食べたいと言っておるぞ…」
「なら、寿司は私が出します!全く…母さんは…セコいですね…」
玲香は笑って…デリバリを注文に行った
榊原は、弥勒の所から貰ってきた薬を…使用方法を良く読み…作って康太に飲ませた
「……伊織…不味い…」と榊原に訴える…
「全部飲みなさい!」
「…伊織…不味い…」
「残したら…許しませんよ!」
康太は…脅され…全部飲みきった
「飲んだ…」
「あ~んしてみて」
あ~ん
榊原は康太の口の中を確かめ…
「良いですよ!」と優しくキスした
その頭を押さえ…康太は…榊原の口腔を…犯す…
舌を絡め合い…苦い…味を…無理矢理…味合わされた…
唇を離すと…榊原は、うえっ…とした
「不味い…だろ?」
康太は笑った
最近…見た事のない…元気な康太の笑顔だった
康太は立ち上がると…玲香と瑛太を素通りにして…
清隆に飛び付いた
「父ちゃん…お帰り!」
清隆は康太を抱き上げ…「ただいま…」言った
「蒼太の件はカタが着いた!心配するな」
「どうなったんですか?」
「飛鳥井蒼太は会社に戻す!
オレの手足になり目になり動く…
栗田と同じポジションに着けて…仕事をさせる
世間知らずなんだよ蒼太は…
宙夢と一緒にさせても…宙夢の足を引っ張るなら…オレの為に動かせる!
あれ程…金を使ったんだからな…恩返ししてもらわねぇとな…」
瑛太が「一生はどうですか?」と康太に尋ねた
康太は父親の腕から降りると…榊原の横に座った
「オレの所に来るって聞かねぇから…病院に呼んだ!
そしたら、2月に怪我した傷が化膿して治ってねぇから感染症になりかかった…って点滴と注射されて…帰ってから…消毒して解熱剤飲ませたから寝てる…」
「そうですか…抜け出しましたか…」
「瑛兄、着替えて来いよ…」
「着替えて来ますよ…。」
「飯食おうぜ!」
康太は親指を立てて…ニカッと笑った
瑛太も玲香も清隆も…仕方なく…着替えに行った
康太は…静かに…瞳を閉じると…両手を…高く掲げた…
一陣の風が…優しい風が康太を包み…吹き抜けて行くと……
康太の掌の中に…水晶玉が…残された
「龍騎……これが?」
『そうだ…紡いで参った真実だ…
今夜…弥勒と共に…そこへ渡る…
明日の朝…我も弥勒院行く…そこで渡せると思う…待っておれ…』
「解った…なら、明日…一本ずつ渡せる様にしとく…助かった…」
『少し…顔色が良い…笑顔も出るようになったな…安心した…ではな…』
「あぁ。ありがとう…」
紫雲の気配は消え…康太は手の中の…水晶玉を覗き込んだ
榊原も水晶玉を覗き込み…その経緯を…目にした
悠太は…レイプされたのだ…
何人かの男達に…回されて…
男としての…尊厳を…踏みにじられ…汚された
康太は…「ほほう…随分と…楽しい事してんな…」と呟いた
人間には…ただのガラス玉にしか…見えない…
榊原はその瞳を…金色に…輝かせ…怒りに震えた…
「青龍…!人の世で…姿を変えるな!」
目を醒ました…一生が…榊原を、たしなめた
だが…康太の手の中の水晶玉を見て…
「許さねぇ…こんな…事が…許せるはずがねぇ!」
と怒りに震えた…
一生の瞳も…金色に変わりかけ…康太は一生の瞳を閉じさせた
「伊織…落ち着け!」
康太に言われ…榊原も瞳を閉じた
「さてと…心の問題だな…どうするかな…」と康太は思案した
「康太…悠太の後ろ…裂けてませんか?
気になるので…見てきた方が良いですよ…」と榊原は、康太の耳元で…囁いた
合意でなく…蹂躙されるなら…裂けて血を流しているだろう
「慎一…ちょっと来てくれ…」
康太に呼ばれて行くと…その手に…水晶玉を置かれた
「見えるだろ?見てみろよ?」
「康太…」
康太に言われて…水晶玉を見てみると…
悠太の映像が…目に飛び込んで来た…
慎一は、言葉を失った…
「伊織…オレは…行ってくる…少ししたら…寝室に来てくれ…」
「解りました…」
康太は立ち上がると…応接間を後にした
聡一郎の部屋に行き…ドアをノックすると…聡一郎が出てきた
「悠太…」と声をかけると…悠太の背は…ビクン…と脅えた…
「悠太、来い…」
「康兄…」と言い悠太は首をふった
「聡一郎…悠太を借りるな…
明日…総て話してやる…」
康太はそう言うと…悠太を起こし…手を引っ張って…三階の自室に…悠太を連れていった
康太が寝室に悠太を連れて行くと…榊原もやって来た
康太は…悠太をベッドに座らせた
「悠太、お前を触ってるのは…誰だ?」
「康兄…」
「そう。オレの手だ…。なら、これは?
この手は誰の手だ?」
榊原が悠太の頬を撫でた
「伊織くん…義兄さん…」
「そうだ!伊織だ…オレの伴侶だ
この手なら…怖くはねぇよな?」
悠太は、頷いた
「悠太…怖がるな…」
康太は…悠太の服を…脱がせた
「こっ…康兄!」
「オレが怖いのか?」
「違う……でも、嫌だ…触らないで…」
「触らねぇと…見れねぇだろ?」
「え!どこを?」
康太は…悠太の耳元で…
「お前が…傷つけられた場所をだ…」
と告げた
悠太は、驚愕の瞳で…康太を見た…
「お前には…兄がいる…伊織がいる…」
康太は…悠太を抱き締めた…
榊原もその手に…悠太を、抱き締めた
服を脱がすと…暴行を受けた…後があった
「帰ってから風呂に入ったか?」
悠太は首をふった…
「なら、精液は入ったままか?」
悠太は頷いた…
「伊織…主治医に連絡を取れ!悠太を連れて行く!」
「解りました!」
「悠太、総て…俺に任せろ!」
悠太は頷いた
榊原が主治医の所へ連絡を取ると直ぐ様
「康太、すぐに来い…との事です!」と伝えた
「悠太、行くか?伊織…悠太を…頼む…」
「解りました。」
榊原は、悠太の服を着せると背負って…部屋を後にした
康太は…榊原に着いて…走った
一階に行くと、慎一が待っていた
「悠太は、俺が背負ってあげます!」と言い慎一が悠太を背負った
瑛太が…「康太!何処へ…」行くのですか…とは、言葉が続かなかった…
康太は…瑛太をキツい瞳で…貫き嗤うと背を向けたから…
応接間から、一生が飛び出してくる!
「俺も連れていきやがれ!」
一生が怒り心頭に吼える…
榊原は、一生を待って、車を出した
康太は…後部座席で悠太を抱き締めていた
「一生、明日…病院の前に学校に行く!
御返しは…しねぇとな!」
「なら、人を集めとく!」
「オレの弟に手を出せば…タダでは終わらねぇ事を知らしめねぇとな…!」
「あたりめぇだ!
おめぇの弟って事は俺にとっても弟も同然!
況してや悠太は、聡一郎の最後の恋人だ!
許しておくかよ!」
康太は…そう言うと…スマホを取り出した
「貴史か…頼みがある…」
誰とも告げず単刀直入に謂う
こんな電話をするのは唯一人しか思い当たらぬ
兵藤は何かを予期して『あんだよ?』と言葉にした
「オレの復讐の見届け人になってくれねぇか!」
『復讐?誰に復讐すんだよ!』
「後で…飛鳥井に来てくれ!話すから!」
『解った…電話しろ!行ってやるから!』
そして、次は…「彦ちゃん…頼みがある…動いてくれねぇか?」と佐野春彦に電話を入れた
『お前が卒業して暇してたんだよ!
良いぞ、用はなんだ?』
「大学生になる安曇…貴也
高等部1年の、安曇…貴之
コイツ等はオレの弟を、踏みにじった御返しを…してやらねぇとななねぇんだよ!
この旨を理事長へも連絡を入れる
何かあったら直ぐに動いてくれ!頼む!」
これだけ謂えば佐野春彦ならば、謂った以上の事をしてくれる筈と、康太は要点だけ伝えた
『康太、俺も乗ったぜ!
お前が動くならば、最高の状態で動かしてやる事を約束する!』
佐野は約束した
康太はそれを聞き届けて電話を切った
そして、理事長の…神楽四季に電話を入れた
「四季?明日…オレは学園で暴れるけど…見逃してくれねぇか?」
四季は『理由なく君は暴れないないでしょ?
理由を話なさい…』と謂った
康太は総て…話した…
話して…黙っていられるか…と怒りを露にしていた
『最低ですね…良いですよ…制裁をしなさい!』
「悪りぃ四季…オレも不本意だがな…
そして、総て…公にするから…親を呼び出してくれ!
両親を揃えてな!頼めるか?」
『良いですよ!君の依頼は、キッチリと完遂してあげます!』
「ありがとう!なら明日な…」
神楽と電話を切ると…康太は果てを見詰め…嗤った
「伊織、少し力を使っても…良いか?」
「体調が悪くなったら言って下さいね!」
「勝機を呼ばねぇとな…動いても…負けるだろ?」
康太の言い分に榊原は折れるしかなかった
康太は星を詠み、勝機を導いた
その手に勝機が握られると、窓が閉まった車内に一陣の風が吹いた
榊原が、主治医の病院に到着すると…飛鳥井義恭が出迎えてくれた
「こっちに連れて来い!」
言われ…連れて行くと…悠太は、寝台に寝かされた
「ズボンと下着を取ってくれ…」
言われ…脱がすと…悠太は暴れた
「大人しくしろ…悠太!」
「康兄…」
「恥ずかしがるな!お前のオシメを変えたのはオレだ!」
悠太は、それとこれとは…と言ったが無視して…ズボンを脱がせた
ズボンには血が…ビッシリと付着していた
そして…下着を取り去ると…中には精液が残っていた…
主治医は、それを総て…取り去り…DNAを採取すると…言った
そして、切れて…裂けた…肛門を…写真で撮し…証拠を作成する
「伊織、慎一、悠太を押さえとけ!
麻酔を打っても痛いだろうからな…」
と、言い…義恭は裂けた肛門を…溶ける糸で縫い始めた…
「強姦された場合、AIDSテストはやらねぇとな!」
と、言われ採血された
康太は、悠太を抱き締めて…守っていた
一生は…Twitterで、明日は桜林に飛鳥井康太が行く…と、呟いた…
喧嘩を売りに行くから…応援してやってくれ!と呟くと…反応はすぐに在り…大きなうねりを呼んで…騒ぎとなった…
一通り…検査と治療が終わると…榊原は、悠太に…検査用の…ズボンを履かせ…
病院を後にした
そして、飛鳥井へと帰ると…心配する…瑛太や…玲香、清隆を他所に…康太は、何も言わずに…自室に悠太を連れ込んだ…
康太は悠太の服を脱がした
「体を洗ってやる…オレと伊織がいる…
怖くねぇだろ?」
悠太は、頷いた
康太も榊原も服を脱ぐと…榊原は悠太を支えて…浴室に向かった
康太は悠太の体を洗ってやった
「本当は…後ろも洗ってやりてぇけどな…縫ったからな…。でも義恭は中を洗浄したと言ってたし…洗えねぇよな…?」
「無理ですよ…指なんて入れたら…大変ですよ…」
康太が…デカい弟の体をゴシゴシ洗ってやる…
「康兄…俺…もう二度と…聡一郎は抱けないかも…」
「何で?」
「男として…機能するか…解らないよ…」
「悠太…兄が…治してやる!
絶対に!治してやるから!」
悠太は、頷いた…
綺麗に体をゴシゴシ洗って、浴室から出ると…榊原は、康太と悠太の髪をドライヤーで乾かし…自分も乾かした
そして、ベッドに…悠太を挟んで…寝た
「伊織くん…部屋に帰る…」
「目を閉じなさい…忘れれば良いんですよ…
眠りなさい…」
榊原と、康太に…抱かれて…悠太は目を閉じた…
傷付いた心を癒すような温もりに…悠太は…眠りに落ちた
康太は起きると服を着て…兵藤を呼び出した
榊原も起きて…服を着ていた
「貴史、来てくれ…」
康太が言うと、兵藤は、直ぐ行く!と言い電話を切った
「伊織、頼む!」
榊原は、下に下りて行き…兵藤を連れて来た
少し余分な…モノも一緒に…
瑛太と神野と蒼太が着いて来ていた
その後ろに…一生、聡一郎、隼人に慎一も…着いて来ていた
康太は、兵藤に水晶玉を、手渡した
兵藤は、言われるまま…水晶玉を覗き込むと…レイプその物の…胸糞悪い映像が…映し出されていた…
「なっ!何だよ!これは!」
「見ての通りだ…!オレは弟を…玩具にされた…許しちゃおけねぇ!
この仕返しは…明日、必ずやる!」
「俺に…復讐の見届け人になれと?」
「そうだ!」
「それは、出来ねぇ!」
「あんでだよ!」
「俺も…加わるからだよ!
見届けるだけで、済ませるかよ…!
男だからなレイプは立件出来ねぇが…傷害で取れるだろ?」
「この男は…」
「現 総理の息子だろ?だから?
総理の息子なら、許されるのかよ!」
「伊織、東青に…何かあったら学園に呼ぶかも…と、伝えといてくれ!」
解りました、と榊原は電話をかけた
兵藤は「悠太は…どうしてるよ?」と状況を問い掛けた
「俺のベッドで寝てる…」
瑛太は…会話が見えないので…話してくれ…と康太に頼んだ
「君の為にお寿司も取ってあります!
持ってくるので…話してください!」
「解った…でも、他言無用…守ってくれ…」
「当たり前でしょ!悠太は…私の弟ですよ!」
瑛太は慎一達を引き連れ…お寿司や料理を持ってきて…並べた
「悠太は…レイプされたんだよ!
ケツの穴が裂けて縫う程の…怪我をおった
オレの弟だと言う…だけで、何人もの男に回されて…蹂躙された…
精神的ショックで…この先…男として役立つか不明だ…
さっき、精液を流してやって体を洗ってやった…でもビクビクして…見てらんねぇよ」
瑛太は…言葉を失った…
「貴史、この水晶を瑛兄達に見える様にしてくれよ!」
康太はそう言い水晶を兵藤の手に乗せた
「俺かよ?俺が遣るのかよ?」
「ケチケチすんなよ!」
別にケチケチしてる訳ではないんだけど‥‥
「わぁったよ!」
兵藤は呪文を唱えると水晶がピカッと光った
「これで誰でも見る事が出来る、ホレ…見てみろ!」
兵藤は、水晶玉を掌に乗せると、皆に映像を見せてやった
瑛太と神野と蒼太は、言葉をなくした…
聡一郎は、涙を流し…隼人は怒っていた
「オレは明日…悠太の敵を取りに行く!」
「僕も行きます!」
聡一郎が、康太に言った
「聡一郎…」
「僕は怒れる権利はあるでしょ?」
「あるな!なら行け!」
康太はそう言い、寿司を口に放り込んだ
「と、言う…事で…明日は早く起きて忙しい…夜には予定が入ってる!
さくさく片付けねぇとな!」
明日の予定を思案して…呟く…
「犯してやろかな…悠太を犯った奴…」
怒りに任せてとんでもない事を謂う康太を
「こらこら…康太のじゃ…威力ないでっしゃろ?」
と、一生が、たしなめる
だが逆効果で…康太は怒った
「オレのじゃ、ちぃさぃって言うのかよ!」
「なら、大きいのか?」
「伊織…一生が、虐めた…」
康太が榊原に抱き着くと…榊原は康太を撫でた
「一生…本当の事は…言っちゃダメでしょ?」
「う~」康太は唸った
「君の…それは僕のでしょ?使っちゃあダメですよ?」
「なら止めとく…」
勝手にしろ!と言う、やり取りを無視して…兵藤は寿司を食った…
「貴史…泊まって行くか?」
「悠太を挟んで雑魚寝かよ?」
「悠太は…ベッドで寝かしとく…。
多分…誰かに触れるのは…無理だわ
聡一郎が添い寝する…。
だから、一生も隼人も慎一も交えて…雑魚寝だ…このリビングに布団を敷くんだよ!」
「面白そうだな…泊まってく!」
夜まで騒ぎ…そして夜も更けると…
リビングに布団を敷いて、雑魚寝して寝た
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