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第10話 望むべき明日‥

三階の自室に行き、着替える 榊原は「ねぇ…康太…」と甘く康太の名を呼んだ 「あんだよ?伊織…」 「僕は…君を誰にも…触らせたりしたくない…解ってますか?」 何だか…嫌な予感がする…… 「解ってんよ…だから、女装したまま…犯らせて下さい…ってのは勘弁な…」 「バレましたか…。せっかく…綺麗にするんですよ?君を…抱きたい…ねっ…ダメ?」 「………好きにしろよ…。」 愛する男に…言われるなら…やはり許してしまうしかない… 「久し振りに…スカートを履いた康太を…抱けるので…今から興奮してます」 「早ぇーよ伊織…」 康太は苦笑した 「それよりも、閻魔から…渡された…のって、貴重なモノですよね?」 「あぁ…百年に一度…たった一分…花開く…花…。 その花を咲いているうちに手折り、願いを込めれば…その命…忽ちに甦る…奇跡の花だ…」 「閻魔は…人である…君の命を願ったのですね…。 我が弟が…人として…その命を全うするように…願いを込めたのですね… 食べなさい…総て残さず食べなさい…」 閻魔の渡してくれた花を…鞄から取り出した 「美しい…硝子の様な花ですね…」 「食って…腹壊さねぇのかよ?」 「大丈夫でしょ?」 榊原は笑った 康太は…手にした花を…残さずに食べた 「美味しいですか?」 「ん?何だろ?味がねぇ…」 「でも、君が元気で人の世を終える事が出来るように…祈って下さったのですよ?」 「……兄は…やはり甘いな…」 「君の兄になる方は…皆甘いのですね…」 「そうか?」 「そうですよ…僕のですから誰にも渡しませんがね!」 榊原は、康太を抱き寄せた 「渡されたら困る…」 「渡しませんよ!君は僕のモノです!」 榊原は、康太の唇に…キスを落とした… 次第に…接吻が深くなり…康太は榊原の背中に…縋り着いた 「伊織…んっ…ぁ…」 唇を離した時に…康太の顎まで唾液が…流れ落ち…唇が淫靡に…濡れて…榊原を誘っていた… 服に…手を忍ばせると…康太の乳首は立ち上がっていた 「伊織…ダメぇ…三木が来る…」 「解ってますよ…」 榊原は、康太を離した… すると膝が…ガクンっと崩れて…榊原が康太の体を支えて抱き抱えた 「すみません…少し…キスが深すぎましたね…」 榊原が苦笑する… その時…枕元に置いた携帯が鳴り響いた 電話は…三木からだった… 『すまねぇ…道路が混んでて…遅れる… 遅れるが必ず伺うから…待っててくれ! 遊説で…秋田だ…また少しかかる…すまねぇ」 「夕飯はどうしますか?」 『食べてから伺うから良いよ…ならな!』 榊原は、電話を切ると康太に三木の電話の内容を告げた 「なら、伊織、キッチンに行き飯を食おうぜ!」 「沢庵…ダメですよ?様子を見てからね!」 「ダメ?」 康太は上目遣いに…榊原を見た… 「夕飯か…ベッドの中か…選ばせてあげますよ?」 「夕飯が良いです…」 「沢庵は様子を見てからで…良いですね?」 康太は仕方なく…頷いた… そして、キッチンへ向かい、夕飯を食べる そこへ、聡一郎が悠太を連れて帰ってきた 「康兄…今日は本当に有り難う御座いました 康兄がいてくれなかったら…俺は挫けてました…。聡一郎も着いててくれて…少しだけ…出来そうな気がしました!」 悠太は深々と…康太に頭を下げた 「悠太、下を向くな!お前は前を見据えて進めば良い 舵取りや軌道修正は兄がやる お前は怯むことなく、進め!良いな?」 「はい、康兄…」 悠太は康太の言葉を噛み締めていた 慎一は、悠太の前に夕食を並べた 榊原が、悠太の薬を出して、一生の薬を出す 「聡一郎、洗浄して塗り薬を塗れますか?」 榊原に言われ…やります…と決意を秘めて…答えた 「康太!一生の沢庵を盗み食いしようとしない!」 目敏く見付け怒られ…康太は、ちぇっ…と唇を尖らせた 仕方なく…プリンを剥いてやると…康太はプリンを美味しそうに食べたい 「慎一、頼まれてくれねぇか?」 食後に…康太から言われ…慎一は 「何ですか?」と尋ねた 「三木が遅れて来るから、来たら三階のオレの部屋に連れて来て欲しい…頼めるか?」 「解りました…おみえになりましたらお連れします!」 榊原が食器を片付けて食洗機に入れると、康太は立ち上がり…自室に向かった 三階の寝室に向かうと、康太と榊原は、お風呂に入った 「康太、催淫効果のある香油を取り寄せました! 三木が来るので…君の体に塗りたくってあげます」 「塗られた奴も…感じるのか?」 「皮下吸収ですので…感じますね…」 「なら、九時を回ってからにしてくれ…」 「良いですよ…」 康太は風呂から出るとバスローブのまま…榊原の膝の上で甘えて過ごした 榊原は、またPCを見ながら…楽しそうに…目を輝かせていた 九時を回ると…康太はそろそろ…かな、と呟いた 榊原は、康太のバスローブを解き、体に香油を塗りたくった 甘ったるい…臭いが部屋に包まれた… 康太は榊原の体にも…香油を塗った 香油を塗る康太の手に感じて…榊原の性器は…上を向いて聳え立っていた… 康太が…ツッと指でなぞると…嵩を増し…傘を開かせた… 「犯されたいですか?」 「まだ…早い…」 榊原の鼻息が荒くなり…怪しくなった所で…ドアがノックされた 榊原はバスローブの前を直して…ドアを開けた そこには三木繁雄が…立っていた 「慎一、悪かったね…」 榊原が言うと…慎一は頭を下げて…部屋を後にした ベッドの上にいた康太は、三木を見るとバスローブを脱いだ 「三木…こっちに来い!」 三木の目の前に…全裸の康太がいた 榊原は三木を部屋に入れると…スーツを脱がしにかかった ネクタイを解き、スーツの上着を…ハンガーにかけズボンを脱がせる そして、ハンガーにかけ、Yシャツを脱がせ、下着を取り去った 「伊織…本気で…やる気なんだよな…」 「当たり前でしょ?貴方が来なかったら…帰って直ぐ…康太を押し倒してましたよ…」 三木は、マジかよ…と呟いた 「四の五の煩せぇよ!早く来やがれ!」 康太は待ちきれず…三木の手を引いてベッドの中に引きずり込んだ 三木の上に…康太が跨ぎ…動きを塞ぐ 「大人しくしてろよ!繁雄」 康太の舌が…三木の顔を…舐めあげた そして唇を…舐め…舌を差し込んだ 口腔を犯され…最近感じた事のない感覚に囚われた ゆっくりと…康太が体を重ねる… 三木に…重なり…息も着かない…接吻を送ると…三木は…自制の制御を…失った 唇を離すと…唾液が糸を引っ張っていた 「大人しくして、快感を受け入れろ…」 三木は…頷いた 康太は三木の乳首を…舐めた… 男の乳首が…こんなに感じるだなんて…三木は知らなかった… 康太の舌が…三木のへそを舐め… 勃起した…性器を捉えた… 康太は三木の亀頭の頭を舐めると…舌舐めずりをした 「中々…良いモン持ってんじゃん…なのに使わねぇと…宝の持ち腐れになるぜ!」 三木の肉棒を…舐める…そんな康太の背後に…榊原が康太の襞を伸ばして解した 肉棒を舐め…扱き…陰嚢を揉んで…指を…奥へと…進める…会陰(えいん)を指でなぞると、三木の体が跳ねた 「もっとリラックスしろよ!」 康太は三木の亀頭の割れ目に…舌を挿し込んだ チュッ…と吸い上げ…精液で濡れた…先っぽを…擦り込むように…撫でた 「ぅ…康太…止め…ぁ…ダメだ…」 「まだ早い…まだイクな…」 「無理…っ…」 三木は…康太の手によって精液を吹き上げた 「だらしねぇな…まだ楽しむのはこれからだぜ!」 「…くそっ…こんなに早くねぇのに!」 三木は不本意にイカされて…自分の早さに…悪態を着いた 「三木は…おじさんですので…そこで、康太が抱かれる所を見てなさい…勃起したら…感じさせてあげます。」 榊原はそう言い…康太のアナルに…キスした 舌を挿し込み…指で解して行く… 指を2本挿し込むと…康太は泣いた ぐちゃ…ぬちゃ…グチュクチュ…と濡れた音を立てて…康太の穴を解して行く 三木はその光景を見て…興奮していた… 榊原は、三木の上に康太を置くと…バックから…挿入を始めた 「康太、足を閉じて…素股で…三木を挟んで…」 康太は榊原に貫かれながら、榊原の言うままに…三木の性器を…素股で挟んだ… 康太は三木の胸を吸いながら…体を揺すられた… ガシガシと腰を使われ…三木の肉棒が…股に挟まれ…擦れる 「あっ…あぁん…イイ…」 康太が…快感に泣く… 三木は…康太に擦られ…イッてしまった 「まだ、イケますよね?」 康太の体を…肉棒で挿し込んだままずり下げる 「康太、舐めてあげなさい」 康太は言われ三木の肉棒を貪りついた 「も…許して…康太…」 三木が根を上げる… 「まだ、ダメ…」と康太は…三木を責め続けた 何回…イッたのか…解らない… 疲れが…体を襲い…意識がなくなる… 耳元で… 「お前の…深淵を見せてみろ…」 と言う康太の言葉が…聞こえた 意識は…落ちて行く 「まだだ…三木…もっとお前を見せてみろ…」 完全に意識はなくなり… 深い闇に…囚われた… 此処は…何処だ? 『そこは、お前の望むべき…明日だ…』 と言う…声が聞こえた 望むべき明日? 俺の望むべき明日……って何なんだ? あ…沈む… 気持ちが…沈む… 「繁雄、寝惚けてるの?」 目を開けると…鳴海がいた 「鳴海…何故…此処に…」 鳴海にいきなり殴られて目が覚めた 「お前とボクは一緒に住んでるんじゃないのかよ!」 「嘘…」 「何が嘘なんだよ!」 三木は腕の中の…鳴海を…抱き締めた 嗅ぎ慣れた…鳴海の臭いが…鼻一杯にして…三木は夢のようだった… 三木は…鳴海と暮らしていた… 平凡でありふれた生活を手に入れて…暮らしていた… 「夢のようだ…鳴海…」 三木は…鳴海を手に入れる為に…… 総てを捨てていた… 親も…家も…友人も…名誉も…名声も… そして、政治家になると言う…使命も…捨てていた これは………夢?なのか? 現実なのか? 総て投げ出して…鳴海と生きたいと…康太に言って… それは…お前の人生の破綻の始まりだ…行かせられねぇよ…と、言われ 絶望して…死のうとした… 総てが…もう…どうでも良かった… 好きな男と…好きな場所で…過ごせもしない世界にも辟易していた… やけくそで…自殺未遂をした 自分の手首をカッ切って…死のうとした… でも、死ぬ前に康太が来て、捨てる命が有るなら…オレの為に生きやがれ… と、言われ…切った手を…更に切られて… 血の契りをした 康太も…自分の腕を切り着け…三木の血と…康太の血とを…交えて…飲んだ… あの日…から、康太の為に政治家になろう…と決めた… でも後悔と未練を…総ては断ち切れず…引き摺り…毎日生きてきた… 夢?は………… 死のうとした…あの日…から、夢?は始まっていた… 三木は…小さな会社に勤め…普通に…生きていた 鳴海は…歯医者になる夢を諦めて…バイトをしていた 互いの親から…絶縁されて…暮らした愛の…日々だった それなりに幸せなのに… それなりに満足してるのに… 夢を諦めた…日々に… 未練だけ残った… 『三木繁雄…選べ…お前の行きたい道を! オレに示せ…』 声が聞こえた 俺の行きたい道? 俺は何処へ行きたいんだ? 鳴海と共に生きたかった… だが…鳴海と暮らすには…リスクが有りすぎた… 政治家として生きると決めた日から… 三木とは友達と言う一線を引いた… 元々…恋人でも…なんでもない…親友だ… それでも……互いが言わなかっただけで… 惚れあっていたのは…一目瞭然なのに… 「なぁ、鳴海に行くと…俺は…総てを捨てなくてはいけないのか…」 『男同士の…カップルが…許されるのは…稀だ…からな!』 「選べない…選べる筈など…ないだろ?」 『ならば、議員のまま…鳴海を愛せば良いだろ?』 議員のまま…鳴海を? 人の目につく議員と言う職業の人間が…男と同居…は許されない… ならば、愛人として…囲うか… そう言う議員は多い 相手が男だと…矢面には出せないから…囲う 俺は…鳴海を囲うのか… 日陰に置いて…夢を完遂するのか? 無理だ… 無理だ! 鳴海を…日陰に囲うのも… 総てを捨てて…一緒に生きていくのも… 無理だ… 三木は…鳴海を抱き寄せた… 「繁雄…」 鳴海が…三木を抱き締める… 「鳴海…俺は…お前といたい…」 「夢を諦めて…? 親とも縁を切って…そのうち会社とかでも…何故結婚しないんだ?…と聞かれるよ?」 「鳴海…」 「ボク達が…共に生きるには…捨て切られないモノが有り過ぎる…それを総て捨てると言うのか?捨てられるのか?」 「………」 答えられなかった… 親や家を捨てて行くのは容易い… 都会に埋もれて…男二人で生きて行くのも…結構容易い… だが、生まれる前から…政治家になれと…言われてきた…それを捨てられるのか? 「お前は…多分…捨てられないよ… 友達に戻ろう…友達のままでいよう…」 「鳴海…」 三木は泣いていた… 「総て捨てるから…側にいて…鳴海…」 「夢を諦めるのか? この日本を支える政治家になるんじゃないのか?」 「側にいて…鳴海…」 「ボクをお前の愛人にするのか? お前が…議員になるのならば…マトモな家庭が必要なんだぜ! ならば、ボクは…愛人しか…ポジションがないじゃないか…」 「愛人なんかに…したい訳じゃない!」 「それでも…だ!お前が議員と言う夢を捨てられないのなら…ボクは…お前の友達のままで…良い…」 「鳴海…お前と共にいるには…総てを捨てねば…ならないのか?」 「………」 鳴海は悲しげな…顔をした… 「…それが、現実なんだよ?繁雄…」 「鳴海…お前を捨てて…手に入れる日々は… 意味を持つのか…教えてくれよ鳴海!」 「意味があるか…意味がないかは… お前が…最後に決めれば良い… 意味がない人生だったか… ちゃんと戦った人生だったか…決めるのは… お前だろ?ボクじゃないよ…」 「鳴海…」 この日本を…変える一員であれ…繁雄… 父の教えに…政治家になるのを決めた… 飛鳥井家真贋の為に動くのだ繁雄 康太と初めて逢った日から‥‥己の道は決まっていた あの日から… 政治家として…生きる事に疑問さえ抱く事なく生きて来た… 総て捨てて…鳴海を幸せに…出来てない… 鳴海… 鳴海… 俺は…行かねばならぬのか… 聖域なき戦いの世界に…身を置かねばならぬのか? 「唯…一人の人を…想わん… 我は…我の道を行く… お前は…修羅の道を…歩めば良い… 我等の道は…この先も…重なるが… それでも…交わりはしない… ボクの想いだけ…連れて行け…」 鳴海は思いの丈を口にした 愛しい鳴海の姿があった 手を伸ばせば‥‥‥触れられる距離に鳴海がいた 「繁雄…ボクから離れて…生きて行け この言葉は…餞別に…くれてやるから…」 想いだけ? お前の想いだけ…連れて行けと…言うのか… 愛する人と別れて… それなりの女と結婚して…子供を作り…幸せな家庭を演じて…政界で生きて行けと言うのか… 鳴海…お前の想いが…痛すぎる… 鳴海…鳴海… 共には生きられぬ愛しい人よ‥‥ 『決めたのか?お前の進むべき指針を…』 「俺は政治家として生きると… 政治家として…戦い続ける…」 『ならば、もう二度と…迷うな!良いな!』 「もう……迷わない もう‥‥逝く道を見失わい 俺は‥‥この先も…鳴海…の想いだけ連れて逝く お前の心だけ…愛して連れていく… この先も…想いは繋がらなくても… 胸に抱いて…生きていける…」 『もう迷うな!お前はお前の生きる道を行け!解ったな!目が醒めた場所が…お前の生きている場所だ…違えるな!』 「もう二度と…迷いはしない… 心に決めた…この想いだけ連れて俺は… 政治家として生きると決めた」 『目を醒ませ…三木繁雄…果てから帰って来い…』 三木が目醒めると…康太と榊原に抱き締められて…寝ていた… 寝ぼけた頭が…どれが現実なのか… 解らなくて…混乱する 三木の体に…康太の腕が絡まる… 「まだ早い…目を閉じてろ…」 康太に言われ…三木は…目を閉じた… そして…暫しの休息に体を休めた… 今度こそ…目が醒めると…総て…覚えていた… 康太と榊原と寝た事も…夢をみていた事も… 康太は全裸のまま…起きると…三木に… 「夢見てたろ?あれは、お前の望んでいた果てだ! あの場所に行きたいと願うなら…オレは行かせてやる気だった… そして、夢の中の鳴海は…本物の兵藤鳴海の思いを紡いで来た…鳴海の本人だ… オレは結末のない夢を紫雲龍騎に紡がせて…結末は…三木、お前に任せて…望む所に送ってやるつもりだった… あれは、夢であって…夢じゃねぇ… お前の意識の一部だ…そして相手は兵藤鳴海…本人だ! お前達…二人で出した…結論であり…果てだ…」 三木は…康太の言葉を静かに聞いていた そして、一言… 「俺は…政治家として生きるとを捨てられなかった… 鳴海と過ごす…果てを夢見てたのに… 何もかも捨てて…生きて行く事は…出来なかった… 政治家として、今ある地位を捨てて…行けなかった…」 康太は黙って…三木の話を聞いて… 「ならば、お前は…今を生きるしかあるまいて! もう迷うなよ!」 「康太…ありがとう…気持ちのケジメが着いた…もう迷わない…」 「なら良かったぜ、おめぇと寝てやった甲斐があったってもんだぜ!」 康太は笑っていた… 榊原が浴槽に湯をため…ベッドに戻って来た 「三木、貴方のYシャツは乾かしてあります!風呂に入って体を洗ったら着替えなさい!」 「伊織…悪かった…」 「伊織気にしなくて良いですよ その分、さくさく働いて下さいね」 三木は…心の中で…やっぱし鬼だわ…とボヤいた 三人で…浴室に入り…三木は康太に体を洗ってもらった… 康太の手が…悪戯をして…三木のモノを…扱く… 「ゃ!康太…止め…」 泡立てた手が…肉棒を擦り…刺激すると…三木は…射精した… 「康太…おじさんは疲れた…」 三木が泣き言を言う 「この世界に留まったご褒美だ…」 「あんまし…嬉しくないかも…」 「お前が…望むならな…オレは望む場所に行かせてやりたかった… それが、この世に引き留めた…オレの責任だと想ったからな… 鳴海が結婚するって聞いてからの…お前の揺れ方は凄かった… そのうち暴走して…総てを投げ出して…鳴海を奪って…駆け落ちでもしかねなかったからな… そしたら、お前の妻も…子供も… 鳴海の…妻になる女も…腹の子も… 泣く事になるからな… ならば…お前の行きたい所に……飛ばしてやるつもりだった それがオレの…お前にくれてやる愛だった…」 「康太…俺は…迷っていた… 迷って…後悔ばかりしていた… 過去に戻りたくて…鳴海の側に行きたくて… ジレンマがあった… 総て投げ捨てて…鳴海を奪って…暮らしたい想いもあった…」 康太は黙って聞いていた 「三木…今ある場所は…お前が選んだ場所だ もう迷うな!立ち止まるなよ!」 「あぁ…何だか…抱き締めた…鳴海の臭いと…感触が…残ってて… …………………康太…少し泣かせて…」 康太は黙って三木の背中を撫でてやった 榊原は…やはり三木は…政治家であるしかないのか…と思った 政治家の家で生まれ…帝王教育をされ、育てられたサラブレッドは…コースを外れては生きては行けないのだと…知る… 一頻り泣いて…体を洗って… 康太は榊原に中も外も洗ってもらい…三人で…湯船に浸かった 風呂から出ると…康太は榊原に支度され…服を着ていた 榊原は、スーツに身を包み… 三木もフラフラになりながら、支度をした 榊原は、ベッドのシーツを剥がすと…洗濯機に放り込んだ そして、三人で…キッチンに行き…朝食を取る 三木は…珈琲とサラダを食べていた 何だか…気分が…軽くなっていた… 一生が…康太のワンピースの入った紙袋を…手渡した 「ありがとう一生、助かりました!」 「お釣りとレシートは袋の中にある」 榊原は、笑って紙袋を受け取った 瑛太は…その光景を見て… 「やはり、女装するのですか…」と呟いた 三木は…食べていた珈琲を吹いた… 「女装ぉ~康太が? そんなご趣味が…おありでしたか?」 口を拭い…三木が溢す… 「違げぇよ!飛鳥井の会社の本質を見る為に、変装するんだよ! 会社の奴はオレの顔を知っているからな、そのままの姿で回っても…証拠は掴めねぇ…。 アイツ等…ズル賢いかんな、中々尻尾を出さねぇ… 証拠を掴み…解雇する…でねぇと、淀んだ空気は腐敗を招く!」 と康太が説明すると…やっと納得した 「三木、オレと、飛鳥井建設まで行かねぇか?お前は単独で見て回ってくれ…外部の意見も聞かねぇとな…。 で、適当に帰ってくれて良いかんな!」 「解りました!お供しますよ!」 「悪いな…。瑛兄は、オレを見ても…話し掛けたりすんなよ…」 康太に言われ…瑛太は… 「解っておりますよ。貴方の仕事を完遂させるのが…私の仕事…邪魔などしませんよ!」 と、言っては…見るのだが…気になるのは間違いない 「三木、待っててくれ!着替えてくるからよぉ!」 「はい!御待ちしてますよ…」 康太は榊原と共に…自室に戻って行った キッチンに居合わせた玲香と清隆が…瑛太に…「何を始めるのじゃ?」と問い掛けた 「康太が女装して、会社に入るんですよ…」と瑛太が説明すると… 玲香は「康太が女の子か…似合うのか?」と一生に問い掛けた 一生は仕方なく… 「そこら辺の女より可愛いぜ康太は…」と説明してやる 「可愛いのか…」と呟き…清隆を見た 「そりゃあ可愛いでしょ…君と私の子供なんですから♪」と玲香に返した そうこうしている間に、康太の支度が整い…キッチンにやって来た 玲香も清隆も瑛太も…三木も京香も…茫然自失となった フワフワのワンピースを着た康太は… 可愛かった… 足には脛毛もなく…無駄な毛がない!…髭もないから…化粧はバッチリ…だった そこには完璧な少女が立っていた 玲香は「康太…なのか?」と問い掛けた 清隆は「娘だったら外には出せません!…ねぇ玲香…」としみじみ呟いた 瑛太も…「そんな姿で…会社に行けば…危ないです!」と言った 三木は…「嫁に来い…って言いたい位…可愛いじゃねぇかよ…」と呟いた… でも、当の康太は…スカートを捲り…椅子に座ってお茶を飲もうとしていた… 「化粧が剥がれるからダメです」と榊原にダメ出しを出され…不貞腐れた 「カツラは熱いかんな…さくさく証拠を見つけ…粛清しねぇとな! 今朝は蒼太が来るのに遅いな…」 と、言ってる間に、蒼太がやって来て… キッチンにいる、やたらと可愛い女の子に…戸惑っていた その女の子は蒼太の顔を見ると… 「よぉ!蒼太!」と手をあげて…康太の声をしていた 「えええええええええ~康太…!」 かなり驚いて…動揺する… そんな蒼太に榊原は、座ってお茶を飲むことを進めた 「何で…康太は…女の子になってるんですか?」 榊原が、今日の行動を…詳しく話した… そこで、やっと納得した… 「しかし…君は女の子になっても可愛いですね…」 蒼太がしみじみと呟く… 「瑛兄、蒼太は経理と監査…人事課の統括本部長に置く!今日、伝令を回せ!」 「解りました!」 「今日は…隅から隅まで…じっくりと…会社の中を…見て歩き回るからな…声はかけるなよ!必ずな!」 家族は全員頷いた…

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