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第20話 帰還

『…明日には…帰る…伊織…帰るから な…』 と言う思念を貰って…榊原は康太を待ち続けていた なんの感情も抱かない…ロボットの様だと… また母親に言われて…泣かれた 母さん… 僕は…この世に生きている意味は…康太がいなくては…有り得ないのですよ… 人として…感じる心は…康太がいなければ起動もしない 心が……水を吸わず…乾いて散る感じかする 康太…僕は一日だって…君に…逢わずにいたら枯れてしまうよ… 榊原はじっと…康太を想い…… 窓の外ばかり見ていた… 「窓の外には…オレはいねぇぜ!」と声がして…部屋の中を見ると…康太がいた 弥勒が…康太を連れて…部屋に降り立つ所だった… 「伴侶殿……康太を…お主に渡してやろう!」 「弥勒!康太を連れてきて下さったのですか?」 「お主が…人としての心を無くすと…康太が案じていた だから一分一秒…惜しいと想い…時空を越えて連れて参った」 榊原は深々と弥勒に頭を下げた そして……康太に飛び付き…抱き締めた 「ならな…康太。覇道は結んでおくからな!」 「あぁ。構わねぇ…ありがとな…高徳」 「お前が…掴めておるなら…俺は安心出来る またな!元気な姿を見せてくれ!」 「おう!近いうちに…会いに行くよ!」 その言葉をもらい…弥勒は…笑って時空に消えていった 部屋から弥勒の気配が消えると… 榊原は康太に接吻をした 「君がいなければ…僕は生きている…実感もしません!」 「伊織…逢いたかった…」 榊原は、康太の姿をマジマジと見た そして…銀色の髪に触れた… 「初めて…こんな姿の君を見ました…」 「こんな姿にするのは…オレも初めてだ」 「康太…我慢出来ません… 君を腕に抱いたなら…もう止まりません…」 「伊織…でも此所…んっ…」 会社と言う言葉ごと…榊原は康太に接吻をした 息も着かない…接吻をして…体を持ち上げた… そしてソファーに押し倒した… 「此所が何処だろうが…僕の自制が…もう効きません…」 榊原は康太の服の、前をはだけて尖った乳首を吸った… 「ぁん…あぁん…伊織…」 愛撫を受ければ…康太も…体が火照ってくる 榊原は全部は…流石と脱がせないから…ズボンだけ…脱がせた… そして繋がる部分を…舐めて解した… 「ちょっ…伊織、汚いってば!」 「君の体に汚い場所なんてないって…言ったでしょ? 君の体は…僕の為に…在るんでしょる…」 「あぁ…伊織の為に在る…」 「ならば、傷を着けないように…大切にしないとね…」 そう言い…舌と…指で…丹念に解され…康太は鳴いた… 「もう……良い?」 「おう!もう良い…来いよ!伊織…! オレの中に…来い!」 康太しか…言わない台詞だった 榊原は……康太を上に跨がせ…挿入した 繋がる…感覚に…榊原は… イッてしまった… 康太も…久々の感覚に…挿入した快感で…イッてしまった 「ごめん…スーツを汚した…」 「着替えは持ってきてます 君の着替えも…持ってきました…だから…」 榊原は抽挿を再開した… 部屋の中に…康太の刹那げな声が…響き渡った… 一生は、瑛太の部屋にいた 慎一も……瑛太の部屋にいた 聡一郎は…陣内と…詰めに入っていた この日の…隼人は仕事だった… 「旦那…飯も食わねぇ…睡眠も取らねぇ…」 と一生は溢した 「外に…食べに出ますか?」と瑛太が…気分転換に…外へと連れ出そうか…と問い掛けた 「そうですね…部屋から…動こうともしませんからね…」と慎一が心配して言葉にした 「見に行きますか?」 瑛太が…提案すると…全員頷き…榊原の部屋に見に行くことにした 副社長室を出て…副社長代理の部屋をノックした だけど…出る気配もなく… 一生はドアを開けた 部屋の中では…榊原が銀髪の髪の人間と… どう見ても…エッチをしていた… 榊原に縋り着いていて…顔は解らないが… 最中なのは…見てとれた 「旦那!康太を待ってるんじゃねぇのかよ!」 一生は、怒って…榊原の側に近寄った 榊原の胸に顔を埋めてる人間が…顔を上げて…… 一生に声をかけた 「よぉ!一生…少し待て…亭主が煮詰まってる…相手をせねばならぬ!」 その声は…康太の声だった… 榊原が康太以外は抱かないと…思っていても… そんな銀髪したのを康太だと…誰が思える? 榊原は誰が見てようが…お構いなしで… 康太を抱いていた 腰を使い…卑猥な…ぬちゃ…ぐちゅ…ぐちゃぐちゃ…と言う音を立て…康太の中を…掻き回していた 康太は仰け反り… 「話しは…後で良いか?亭主が…止まらねぇ…あぁん…もう…イク…」 「今日は…手加減は無理です… 康太…愛してます!」 榊原は………もう止まれなかった… 仕方なく…一生や慎一…瑛太は…部屋の外に…出ていった 康太の体の中で…榊原の肉棒が…ドクドクと脈打つっていた… 「伊織…愛してる…お前だけを…愛してる…」 康太は…魘されたように…愛を囁いた 「僕も愛してます…君がいなければ… 僕は生きてる実感も出来ません…離れないで…僕の側から…消えないで下さい!」 康太は…榊原の額に…自分の額を合わせた 「許してくれ…何処へ行こうとも… 必ずオレは…お前の所へ戻る…だから許してくれ…」 「良いですよ?必ず…僕の所へ帰って来るのなら…僕は堪えれます…」 「伊織…オレは…お前がいないと…生きられない…」 「僕も…君がいないと…生きられません…」 榊原は康太をキツく抱き締めた… そして……尽きぬ欲望を…康太の中に…注ぎ込んだ… 熱が覚めて…もう…勃起すらしなくなり、康太の中から…抜け落ちる頃… 榊原はやっと……康太を解放した 榊原は康太の体を…拭いた 副社長代理の部屋には…簡易の水道はあっても…風呂はないから、入念に康太の体を拭き、後始末をした 綺麗に拭いてから…持って来た服を着せた 榊原も濡れた股間を拭き…スーツも下着も取り替え 新しいスーツに着替えた 「無理させました…大丈夫ですか?」 「少し怠いな…でも体はほぼ、前に戻ったぜ!多少の…おめぇの暴走なら…受け止められる…」 康太は…そう言いニカッと笑った 「何を食べてたんですか?」 「何だろ?門倉と遼一が…飯を食わせてくれた! オレはこの髪をやったら金はなくなったかんな」 康太はケラケラ笑って答えていた 「少しないと…黒には戻せませんね…」 「痛んでるだろ?風呂にも入ってねぇかんな…だから、汚いって言ったのによぉ」 「僕は1ヶ月入ってなくても気にしませんと…言ったでしょ? 外で…風呂に入られた…って言われたら…嫉妬で……君の息の根を止めてました」 「オレは…伊織しか要らねぇよ! しかも、門倉や遼一が…オレの伴侶は誰か知っている…近付けるかよ!」 「それでも…僕の知らない時間に…妬けます」 「妬けよ!オレは…おめぇのもんだからな! 妬いて…所有権を主張しろよ!」 榊原は、精液で汚れたスーツを、拭いていた 「精液のシミって…クリーニングで取れるのかよ?」 「大丈夫でしょ?スーツより君が大切ですから!」 榊原は全く気にする風もなく…精液で汚したスーツをスーツケースの中にしまった 着替えると…榊原は部屋の掃除をした ソファーを拭き…床に飛び散った精液を拭いた そして部屋にミストを撒き散らすと…部屋のドアを開けた 部屋の外には…瑛太と一生…慎一が待ち構えていた 「旦那…絶倫すぎ…何時間待たせるんだよ!」 一生が文句を言うと 「すみません…久し振りでしたので…自制も吹き飛びました」 榊原は謝った 「康太!てめぇ帰ったら一言位教えろよ!」 と一生は、康太に食って掛かった 「すまねぇ!弥勒に伊織の所まで送ってもらったんだ! 伊織を触れば…欲しくてな…我慢してた箍が外れた… 伊織を愛してっからな…体に御褒美を貰わねぇとな!」 と、元気良く返されれば許すしかない しかも康太は元気に…前に戻ったぜかのように明るく笑っていた 一生は康太を抱き締めた 「旦那が…浮気したかと思ったやん! こんな髪して……」 「伊織は…オレしか抱かねぇよ! 他に行けば…間違いなくオレが息の根を止める!」 康太しか吐かない台詞だった 瑛太も…康太を抱き締めた 一生は瑛太に…その場を譲った 「康太…兄は…君の帰りを…ひたすら待ちました… この様な…姿の君を見ようとは……」 「秘密裏に動くには…目立って別人になるしかなかった」 康太が言うと…一生は 「普通は秘密裏に動くなら目立たねぇ闇に紛れんじゃねぇのかよ!」とボヤいた 「オレは目立って…門倉と遼一を使い…紛れて動いた…。 だからな違和感のねぇ姿になるしかねぇ」 成る程…と納得した 瑛太は…慎一に…その場を譲った 慎一は…康太の座ってるソファーの前に膝を着くと…膝の上に頭を乗せた 「貴方が消えたから…」 後は…言葉にもならなかった 康太は膝の上に置かれた…慎一の頭を撫でた 「すまねぇな慎一…だけどな、オレが消えても…お前と一生は動いてくれると思ったから…オレは動けるんだぜ! 何も言わなくても…お前はオレの想いを寸分違わず…動いてくれる確信はあんだよ! だから置いて行く…おめぇを信頼してるかんな…だからだぜ!」 康太が言うと…慎一は泣きじゃくった… 康太は優しく…慎一の頭を撫でてやった 「さてと、帰るとするか! 瑛兄、参考人招致にはオレが出るぜ…この頭でよぉ!」 「康太…」 「オレは負けねぇぜ!ぜってぇにな!」 「ならば、私も出ます! 君がいるなら…私も絶対に…負けません!」 康太はニャッと不敵に嗤った 「さて、帰るとするか!」 康太は慎一を起こして…立ち上がった 立ち上がった康太を、榊原は瑛太に渡した 「良いのですか?」 「僕が…独り占めしてると…義兄さんは拗ねるでしょ?」 「解ってますね伊織は…!拗ねてました!」 瑛太はそう言い…康太の頬に…擦り擦りした 途中で聡一郎を回収して… 聡一郎は康太を見ると泣きじゃくった そんな聡一郎を一生が支えて歩いた 地下駐車場に向かい…車に乗り込む 榊原の車の後ろには…一生、聡一郎、慎一が乗り込み…榊原は苦笑した そして、飛鳥井の家へと向かう… 久し振りの…飛鳥井の家だった 飛鳥井の家の駐車場に車を停め…家に入ろうとすると…不意に抱き付かれた 見ると…兵藤貴史だった 「よぉ!貴史…久し振り…」 「おめぇは…勝手に何処に行ってんだよ!」 兵藤は怒っていた 「こんな夜中に…犬の散歩すんなよ…」 「迷子のおめぇが帰らねぇからだろ!」 「よしよし!なら。みんなで雑魚寝だ! お前も泊まれ!」 「こんなグレちまって…」 「この髪に一万も掛けたバカはオレだな…」 「何処に迷子になってんだよ!」 「ちゃんと還るからよぉ!待ってろよ貴史!」 「待っててやったじゃねぇかよ!」 康太は笑いながら…飛鳥井の家に帰っていった 夜中だと言うのに…飛鳥井の家の中は…電気が全て……灯っていた 応接間から…清隆が出迎え…康太の容姿に…驚き… そして玲香も顔を出し…固まった 源右衛門も京香も…神野も小鳥遊も…蒼太と矢野…恵太と栗田までもが…応接間から出てきた 「あんで、皆…いんだよ?」 康太は……驚いて…問い掛けた 神野は…康太の腕を掴んだ 「貴方…何処へ行ってたんですか? 貴方が帰らなかったら…」 神野は…康太を抱き締めて…泣いた… 蒼太も恵太も…康太を抱き締めた… 康太は気がすむまで抱き締めさせた後に… 玲香の前へ行き、頭を下げた 「お帰り母ちゃん!見舞いにも行けずにすまねぇ…」 玲香は言葉もなく…康太を抱き締めた そして、康太は栗田に声をかけた 「栗田、主を心配してやって来たか?」 「当たり前でしょ!俺の雇用主は飛鳥井康太…貴方だ!」 「動いてくれた?」 「ええ。寸分違わず…貴方の意のままに…」 「そうか。心配掛けた…」 栗田は…康太を抱き寄せ…顔を康太の肩に埋めてた 震える肩に…栗田の絶対の信頼を…感じ取っていた… 榊原は夜中にも関わらず…清四郎に電話をしていた 「父さん…康太が帰って来ました…」 『今から行きます!』 清四郎はそう言い電話を切った 「康太…部屋に戻るのは、少し待って下さい… 父さんが来ます…」 「構わねぇよ!」 康太そう答え…悠太を呼び寄せた 「康兄…帰って来なかったら…誰が卒業式に出てくれんだよ!」 と、叫び…悠太は号泣した 兵藤は「そうか。中等部はまた卒業式やってねぇのか?」と呟いた 「おう!オレは悠太の所有権を持ってるかんな…責任があんだよ! 悠太の卒業式には出ねぇとな! 入学式にも出てやるつもりだ! 悠太のガキの頃から…コイツの行事はオレしか出ねぇ…。出るな!と言ってあるからな…」 「なら、俺も卒業式には行ってやるよ! 皆で卒業式に行こうぜ! 当然…入学式にも行こうな!」 悠太は…勘弁願いたい…と、心の中で呟いた… 兵藤は、飛鳥井で飯を食っていた 康太が…ガツガツと食うのを横で一緒にガツガツ食っていた 暫くすると…清四郎が真矢と笙を連れてやって来た 解錠してもらい、応接間に飛び込むと…清四郎は康太に抱き着いて…泣いた 「貴方…何処へ行ってたんですか? しかも…こんな髪になられて…」 清四郎は康太の髪を撫でて…呟いた 真矢も…康太を抱き締めて… 「最初解らなかったわ…」と呟いた 笙も…銀髪になった康太が…誰か解らなかった… 「飛鳥井は…乗っ取られる…一歩手前だった… 飛鳥井建設を手にした者は…真贋を制す! とまで、言われるそうだ… オレは飛鳥井が潰れたら…残る気はねぇのに…な! 飛鳥井家真贋は…飛鳥井の家の為にしか存在はせぬ! それを、内外に知らしめる! 参考人招致の打診が明日来る! そこでオレは決定打を打つ!」 康太の態度は…毅然として…潔かった 「さてと、ろくに寝てねぇかんな…寝たいんだが… 泊まってけよ!恵太と栗田、蒼太に宙夢 清四郎さんと真矢さん…笙も泊まってけよ! 雑魚寝で…泊まれば寝れるだろ? 神野も小鳥遊も泊まってけ 話があるなら朝にな…今夜は寝たい ……ずっと道路の上で寝てたからな…キツイ」 康太はそう言い立ち上がると 「伊織、リビングのソファーを片付け…布団を敷け…!何人寝れるか解らんが…行くとするか!貴史、寝るぞ!」 応接間から出ていった 源右衛門が…「部屋に布団を敷く…何人かは…寝れるぞ!」と言うと、清四郎は…父さん…と言い…着いて行った 真矢も…笙も源右衛門の部屋に泊まりに向かった 蒼太と矢野は玲香に「我と来い!」と声をかけられた 「なぁに三人でも寝れる!」と楽しげだった 清隆は「神野と小鳥遊は客間に、恵太と栗田は私の部屋で雑魚寝をしましょう!」と楽しそうに言った 三階では…布団を敷いて…雑魚寝をした 榊原が抱く康太を挟んで…兵藤、一生、聡一郎、隼人、慎一、力哉が、雑魚寝を始めた 康太は…布団に入ると…あっという間に…眠りに落ちた 凄い…イビキが…部屋に響いた… 榊原は康太を抱き締めて…眠りに着いた 兵藤も…やっと安心して…眠りに着けた 一生も慎一も…聡一郎も…隼人も力哉も……康太の存在を感じて眠りに着いた 朝…誰かに殴られて…兵藤は目が醒めた 「痛てぇな!んとに寝相がすげぇな!」 グゥー ガァー ゴオオオオ…と康太のイビキが…部屋に響く 目の前の…足の裏に…兵藤がボヤいた 「また、蹴られましたか?」 「コイツの寝相は犯罪やろ!」 榊原は笑って康太を抱き上げた 榊原に抱き締められる感触に…康太は目を醒ました… 「伊織、背中痛てぇ!道路で寝るのは…キツイな…撫でて…」 「何で…道路で寝てたんですか?」 「時短の為!道路で寝た!寝れねぇのな…体が痛くなって…」 「康太…」 「伊織、飯食ったら、風呂に入れて洗ってくれよ…汚ねぇんだよオレは!」 「解りました…なら、起きて下に行きますか?」 「おう!一生、行くもんよー! 寝たフリすんじゃねぇ!」 康太は一生の上にダイブした… ついでに兵藤も下敷きにされ…喚いた 「康太…苦しいってば!退け!」 「死ぬ!」 一生は悪戯っ子の反撃で叫んだ 兵藤は、康太を押し退け…起きた 悪戯する康太を抱き寄せ…抱き締めた 「おめぇ、俺の男前の顔を何回蹴れば気が済むんだよ!」 「寝てる時は…責任は取れねぇよ!」 「クソ!元気じゃねぇかよ!」 「おう!バリバリだぜ!」 康太は起きると…ポリポリと掻きながら…部屋を出て行こうとした 「行くぜ!早く来いよ!」 康太が言うと、皆、布団から抜け出し…起きた

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