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第21話休息

キッチンに行くと…人が増殖していた… 「三木…若旦那も…どうしたよ?」 康太は何時もの席に座ると、榊原が食事の用意を…して置く 「貴方とお食事でもと思いまして…連絡を取ったのですが…繋がらないので…飛鳥井へ来ました… そしたら、玲香さんに君の失踪の事を聞いたのですよ! 帰られたら連絡を頼んでおいたら…連絡がありましたので…伺いました 三木は飛鳥井の家の前にいたので、拾ってきました!」 康太は不敵に嗤って三木に声をかけた 「三木、遊んでる暇はねぇぞ! 参考人招致だぜ!オレは国会に立ってやんぜ! この髪のままな!」 「貴方…何処へ行ってたんですか! 貴方がいなきゃ俺は議員でいる意味がないじゃないですか! ………って言うか…参考人招致…受けるんですか?」 「あたりめぇじゃん!立ってやんよ! 参考人招致だろうが、証人喚問だろうが! 出てやんよ!その変わり…飛鳥井家真贋に手は出したくねぇ…恐怖を植えねぇとな!」 また……眼光が鋭くなった… 果てまで…見抜く目は…光輝き…光っていた 「オレは負けねぇぜ!三木着いて来い!」 「はい!貴方と共に…」 三木は立ち上がると…深々と頭を下げた そして……康太を抱き締めた… 「何があっても!俺は貴方と共に行きます! 貴方の為の議員です!それは変わりません!」 康太は三木の背中を叩いた 「変わるなら…息の根を止めてやる! それだけだ!お前はオレのモノだから生きていられる!違うかよ?」 「違いません!」 康太は笑った 戸浪は康太の言葉を聞き逃す事なく捉え 「何故?飛鳥井が?何故ですか?」と想わねぇか問い掛けた 康太は戸浪に…全て話した それが総ての…失踪の原因だから… そして、不良グループに紛れて…追い込み… 探り足場を固めに動いていた…事を…話した 「盛田は…滅ぶ! 何故なら…オレが滅びの序章を唱える呪術を唱えて来たからだ! 飛鳥井に仇成す輩には……死より重い破滅を見舞う…! 確実に…盛田は破滅に向かう… 誰も止められはしねぇ! 呪術師だろうが、神だろうが…オレの唱える破滅の序章を唱える呪術を破れは出来ねぇ! 飛鳥井は…他の誰のものにもならねぇ! 他の手に落ちる時…オレは飛鳥井を破滅させる! オレの呪術を破れる奴は…この世で…唯一人…榊原伊織だけだ! 弥勒院高徳…だとて無理だ…オレの呪術は破れねぇ! それが!飛鳥井に仇成す代価だ!」 破壊神…と、言われる如く…狂気を孕んだ…笑みだった… 敵に回せば…破滅が待っている… 「若旦那、飛鳥井が片付いたら戸浪へ行く あと少し待っててくれ! でも、オレが戸浪へ行く時は…覚悟しろよ オレが動けば…乱世の中へ突入する! オレは…時代を変える真ん中へ行く 俺を動かすなら覚悟が必要だぜ!」 康太はそう言い笑い飛ばした! また……強くなられた… 戸浪は…康太を目にして…実感した 血を吐き…その命を脅かされていた…儚さは…もうない 自分の足元を…着実に絶対なモノへと変えて…君臨する……その姿は絶対だった 「貴方と共に生きると覚悟した時から…私は半端な思いは抱いてはおりません! 貴方が戸浪を…嵐の中へ導くのなら…私は命を懸けて…舵を取って行きます! 荒波でも…乗り越えれる屋台骨がなければ、戸浪は解体します 乱世の世の中を乗り越えるには、半端な事では乗り越えられはしません! そんな覚悟は…当に出来ています 遺書も…既に書いてあります! 何時何があろうとも…私はトナミ海運の為に礎になる覚悟は出来ています! トナミを…嵐の中へお導き下さい! 貴方が動けば、世の中は変わります! ですが、それは変わっているのではありません! 間違った方へ行くのを、軌道修正して下さってるので…在るべき所へ還るだけだと、ちゃんと解っております!」 戸浪は立ち上がり、深々と頭を下げた 「飛鳥井が片付いたらな! 飛鳥井の明日を繋げねば…オレは真贋としている意味さえない! 飛鳥井が片付いたら…戸浪は揺らぎ出す… オレはトナミ海運に柘植恭二を使って…種子は撒いておいた… その種が…芽を出す頃が…ちょうど飛鳥井の収束となる頃だ… どっちに転がるか……それは解らねぇが… どっちに転がっても起こして立たせりゃ変わりはねぇだろ?」と康太は笑った なんともまぁ…豪快な… 戸浪も笑った 「はい!どっちに転がっても起こして立たせれば変わりはありません!」と。 「若旦那、食欲も戻って完全体になったからな、また飯を奢ってくれよ! でも次は…財布の中身を心配しねぇと、オレは食うからよぉ!」 「大丈夫です!今は愛人もおりませんので…小遣いは潤沢にあります!」 「あ!そうだ!忘れてた! お前の元…愛人!白馬に送ったわ オレの馬の調教トレナーに収まった かなり荒れてて…アル中一歩手前を拾って…慎一に白馬に持って行かせた オレが殴り付けて…朝倉を監視に着けさせといた! 第二の人生のスタート切った! お前への想いも断ち切った! 何も心配することはない! 事後報告になるな…忘れてた…すまん!」 「康太…」 戸浪は…康太に頭を下げ…そして抱き締めた 「貴方は…何処までも…優しいんですか!」 康太を抱く…腕が…震えていた 「若旦那、今度……レースを見に行かねぇか? 次のレースから…パドックに藍崎が入る アイツはもう自分の足で歩き出したよ! その目で見てやれよ!」 「はい!本当に…申し訳ない…」 「気にすんな…おめぇは本当に可愛いな! 不器用で…本音で…誰とも付き合わねぇ そんな不器用な男は嫌いじゃねぇぜ!」 康太はそう言い…戸浪にキスした 舌を挿し込み…貪る…接吻をしてから、唇を離した 「今のキスは藍崎からだ! 別れにキスしてくれと頼まれた! オレは人が良いからよぉ頼まれてやった 返したぜ!若旦那!それで、終わりだ! 今後、オレはもう藍崎の話しはしねぇ! 何故なら、アイツはオレのモノになったからだ! オレの馬の調教をする! それが藍崎の…生きる道だ!ケジメを着けてやった!」 「貴方……そのキスは…反則でしょう…」と戸浪はボヤいた 「そうか?藍崎のキスは軽かったけどな… お前があんまり可愛いから…ついな♪」 康太は戸浪の後ろに撫でられた髪をくしゃっ…と崩して前髪を…垂らした 「んとに、可愛いな!オレの愛人にならねぇか?」と戸浪を口説く始末で…榊原に怒られた 「康太!愛人は許しませんよ! そんなのを作ったら…君の息の根を止めますよ?」と脅された 「すまねぇ…若旦那…愛人の話しは無しで!」 康太は……戸浪に罪悪感さえ抱くな…と言うのだ 罪悪感を抱けば…想いは残る その想いさえも断ち切れと言うのだ… 戸浪は…本心から…笑った 「残念です…貴方の愛人のポジションは惹かれました……」 「そうか?なら、お前とも血を交わしてやろう!」 康太は三木の腕を捲った そこには…古い…傷跡が着いていた 「三木とは血を交わした! コイツの腕をカッ切って…流した血を…オレの血と交ぜて…飲んだ でも、コイツは迷ってたからな…近々新しい傷が出来るな 血が交われば…見えねぇ明日が見えて来る 血は一つに交わり…互いの体に残る! オレが血を交えているのは…三木だけだ! コイツの命を拾ってから…オレの為に生きさせている…!」 三木は…黙って康太の横にいた 戸浪は三木に… 「君の機動力には…飛鳥井康太の血が交じっていたのですか…」としみじみ呟いた そして、康太に向き直った 「私は君のモノにはなれない! 私の肩には…トナミ海運の社員の生活がかかっている! だけど、君と共に在りたいと想う 飛鳥井の家の一大事の今、何としてでも力になりたい! 飛鳥井建設とトナミ海運は…何処よりも強固な結び付きを…今後も続けたい そして、私個人としても、君と共に在りたい 君の果てを見届ける者に…なりたいと申した想いは今も変わってはおりません! 血を交えて下さい…戸浪海里として…貴方を見届ける者にさせて下さい!」 「なら、今度部屋を取れ! んとに可愛いなお前は。 素のお前は可愛すぎだな! これがお前の素か…オレに見せて…構わねぇのか?」 康太は戸浪に問い掛けた 戸浪は笑って 「構いません!素の私を…見せるのは貴方にだけだ! 万里の卒業の翌日に部屋を取ります!」と答えた 「なら、御褒美だ!」 康太は戸浪の顎を上げ…接吻をした 激しい…糸を引きそうな…接吻を引き剥がしたのは…一生だった 「こらこら、若旦那が…可哀想でっしゃろ!」 戸浪は…もう自分も装えない位に…ヨレヨレだった 「伊織…申し訳ない…」と戸浪はひたすら謝った 「貴方は悪くないですよ…。 康太のテンションが戻ってしまったので…こちらこそ、申し訳ないです!」 と、榊原は謝った 戸浪は…康太を絶対的に想っている 康太の為なら…その命…惜しみもなく…差し出すだろう それは愛ではない… 愛に近い…信頼だった その信頼を妬いたりはしない 康太は笑っていた 本当に楽しそうに笑っていたから、榊原は許していた 「若旦那、髪を下ろして…横を短くカッとしろ! そしたら人当たりも良くなる! もう、お前も鎧で固めなくても自然体で遣り過ごせるだろ? ビシッと決めるのも…良いかも知れないが、弛みがねぇんだよ……おめぇにはよぉ」 キツイ一撃だった 若いからと言ってナメられない為に固めた鎧だった 「解りました…美容院に行ってから……会社に行きます!」 「おう!その方が社員の受けも良いかんな お前は可愛いんだ、多少の容姿を生かさねぇとな!」 「私を可愛いと…言うのは貴方だけですよ」 「そうか?なら、皆、おめぇを見てねぇんだよ! お前の姿は…未だに暴君のまま存在するんだよ! 飴と鞭を使える人間にならねぇとな!」 「勉強します!では、美容院に行ってから…会社へと行きます!」 「おう!そうしろ!横を短くカッとして前髪を下ろすんだぞ!」 「はい!言われた通りのカットにして…会社へ行きます! そして笑顔とスマートさをアピールしたいと想います!」 「おう!頑張れ!なら来週な!」 戸浪は…康太に深々と頭を下げて…帰っていった 三木は…「康太って何気に怖い…」と呟いて…虐められた 「そう言うことを言うか! あんだけ優しく抱いてやったのによぉ!」 三木は…たらーっとなった 「康太、近いうちに美味しい店に連れて行きます! その時に…お願いします!」 「おう!解ってんよ!」 「ではまた連絡します! 行方不明だけは……勘弁願います!」 「オレの行く道は伴侶でも止められぬ! 文句を言うな!」 「申しませんよ! 伊織…また、康太を貸してください!」 「良いですよ!体調も戻ったので美味しい店に連れて行って上げてくださいね!」 「はい!絶対に貴方を裏切りませんから、貸してください!」 「解ってますよ!あれは意地悪で言っただけですよ!」 「虐めないで…下さい……んとに心臓に悪い」 三木がボヤくと榊原は笑った 三木は…康太を抱き締めて…帰っていった 「騒がせたな…」 康太は神野と小鳥遊に声をかけた 「気になさらないで下さい!」と神野は答えた 「飛鳥井が片付いたら…笙と隼人のCMを撮影する… 力哉と調整してスケジュールを、入れとけよ! 戸浪へ行く前が良いな」 「解りました!力哉とスケジュール調整させていただきます 隼人の仕事も記者会見以降、前以上の忙しさになりました!」 「神野…」 「はい。」 「オレが国会に出れば…オレの株は下がるぞ」 「構いません!貴方の株が下がろうが上がろうが…俺には関係ない!」 康太はクスッと笑った 「清四郎さん、眠れましたか?」 康太は清四郎にも声をかけた 「初めて…父さんと眠りました…」 「そうか。たまには、こうして泊まってやってくれ!」 「解りました。」 「今日はオレは動かねぇ! 清四郎さんちに泊まりに行きます スケジュールはどうですか?」 「映画を撮り終えたので…私は少し休みます 妻も…舞台が終わったので休養です! 笙は解りません!休みでもコンサートとか行ってますからね!」 「なら良かった!一生達もお邪魔して構いませんか?」 「構いませんよ!一生達だって遊びに来て下さいって言ってるのですけどね…康太がいないと来てくれません…。」 「なら、伊織に体を洗ってもらったら行きます!4日は…風呂に入ってねぇかんな…」 「うちに来て入れば良いじゃないですか!」 「汚ねぇぞ!風呂に入らず…道路で寝ていたかんな…汚れる…」 「構いません!康太が汚ない筈がありません! 伊織の部屋で…お風呂に入れば良いですよ 君達夫婦の部屋ですからね…」 清四郎は…楽しげに康太に言った 「一生達もゲストルームでお泊まりなさい! 隼人は私と寝ますか?」 隼人は嬉しそうに笑って 「良いのか?オレ様は父親は知らない… 何か緊張するな…でも嬉しいのだ」と思いを口にした 「慣れて行けば良いですよ? 康太の子なら…私の子供も同然ですからね」 清四郎の暖かさが、康太には嬉しかった 「一生、泊まりに行くか?」 「お前が行くなら…一緒に行く お邪魔します…清四郎さん!真矢さん、笙!」 一生は楽しそうに言い、康太を見た 「瑛兄、今日はオレは動かねぇ! 今日は金曜だ…今週はもう動かねぇよ 月曜日は…悠太の卒業式だ! 水曜には参考人招致だ… 今夜は榊原に泊まり帰らねぇ!」 「楽しんでいらっしゃい! 伊織と離れていた時間も仲良くな」 康太は嬉しそうに笑った 「何かあれば…電話くれ!伊織が出る」 「解ってますよ。」 瑛太は康太の頬にキスを落として…出社した 康太は玲香を見た 「母ちゃんは会社に行かなくて良い! 来週から新しい部署が立ち上がる 母ちゃんはその部署の責任者になれ 社員食堂とレストラン部門の…責任者だ! 礼儀と礼節を叩き込んで…恥ずかしくない教育を頼む!」 「康太…」 「もう社内に母ちゃんの部署はねぇよ! 飛鳥井玲香の言葉は絶対だと叩き込んだ社員を相手にして…教育しろ! もう……悩まなくて良い… 社員は教えただけ成長する…それを見守って…飛鳥井の新部署の最高責任者になれ!」 「解った…来週まで休む… 悠太の卒業式は…頼みますね…」 「その為に帰って来たんだ! 悠太を悲しい目に遭わすかよ!」 玲香は黙って頷いた 「ならな、母ちゃん、ゆっくり休んでろよ! オレの子供の子守しながら…過ごせ!」 「解っておる…無理はせんわ!」 「なら、清四郎さん、行きましょうか? オレは風呂に入らねぇと汚ねぇかんな お邪魔したら…お風呂へ直行させて下さい! 貴史はどうするよ?」 「俺か?俺は三木の所へ行かねぇといけねぇ 愛車にまだ乗ってねぇからな…走らせて三木んちまで行く!」 「愛車って…あの…」 「そう。あの…」 「………趣味悪い…」 「あ~そう言う事言うかぁ!」 兵藤が怒る… 一生は、……どんな車か想像もつかなくて 「貴史の車って…何だよ?」と、尋ねた 「この男が…乗る車って…どんなのが想像つく?」 逆に康太は尋ねた 「ベンツ?」一生が聞く 「違う…そんな誰もが乗るような…のじゃねぇ」 さっぱり…解らなくて一生は降参した 「U.S.A.トヨタ逆輸入車 ランドクルーザーだ」 康太が言うと…やはり皆…言葉をなくした 「康太、乗せてやっからな!」 兵藤が言うと康太は 「伊織、もう1つグレードの高けぇ保険に入っとくか?」 と揶揄した 「ひでぇな!」 「嘘だ…近いうちに、お前んちを尋ねる そしたら、ドライブに連れて行け! 帰りは食事も着けろ!」 「…………デートかよ! 仕方ねぇ!奢ってやんよ! 伊織、康太を借りるぜ!」 兵藤は笑って榊原に話した 「ええ。どうぞ。」 「なら、俺は帰るわ!お邪魔しました!」 兵藤は、玲香や清四郎達に頭を下げて、飛鳥井の家を出て行った 「清四郎さん、行きましょうか? オレ達は歩いて向かいます!」 康太が言うと笙は 「なら僕も康太と歩いて家へ行きます!」 と申し出た 清四郎と真矢は…車に乗り込み…一足先に…家へ帰っていった 康太は榊原と笙、一生、聡一郎、隼人、慎一達と…歩いて榊原の家まで歩いて向かった 「笙…一緒に風呂に入らねぇか?」 康太が言うと…笙は驚愕の瞳で…康太を見た 「遠慮しときます…」 「遠慮すんな…泣かしてやるから…一緒に入れ」 「康太…」 「なんなら…忘れる様に抱いてやろうか?」 「……伊織が怖いので…」 「泣きてぇだろ? オレに……泣かせて欲しいから…一緒に歩いて行くんじゃねぇのかよ?」 「本当に……君は……」 笙は…言葉をなくした 榊原の家に着くと…康太は榊原と共に風呂へ直行した 「一生、二時間…入ってくるわ!頼めるか?」 「了解!」 康太が笙を引き摺って…榊原の部屋へと向かう 清四郎は…何故…笙?と、一生に尋ねた 「……康太には…何か見えてるんだと想う 笙に泣かせてやろうか…と言ってた 優しく泣かせてやる…って言ってた その時の…笙の顔が今にも泣きそうで…図星だったと想う」 「そうですか…笙は…何も言いませんからね… 何かあったのですね…」 「康太は榊原の家族を大切にしてる その家族の為だからな…」 「なら、一生…康太達が出て来るまで…座ってお茶でもしますか? 私が淹れます…真矢は座ってなさい!」 真矢は…笑ってソファーに座った 「笙は…邪魔しなきゃ良いけど…」 「三人で…風呂に入るそうですよ?」 「まぁ…伊織が怒りそう…」 真矢はケラケラ笑った 榊原の部屋に入ると、康太は服を脱いだ 惜しみもなく全裸になる康太に…笙は戸惑う 榊原も康太に服を脱がしてもらい…全裸になる 「脱がせてくれるのですか…優しいですね」 楽しそうに榊原が言う 「伊織、脱がせてやっから…笙の服を剥け」 「解ってますよ!腕っぷしは僕が上ですからね♪脱がせて見せますとも! 脱がせたらキスしてくれますか?奥さん?」 「してやんよ!唇にか…それとも…?」 「僕を焚き付けて…襲いますよ?」 康太は笑っていた 榊原は…躊躇する笙の服に手を掛けた 「伊織…お前…僕が見てても…やりそうな勢いだな…」 「誰が見てても…抱けますよ? 昨夜も…一生や慎一、瑛太さんの見てる前で…康太を抱いていました」 「………お前って本当に怖い…」 「そうですか?」 榊原は気にする風でもなく…笙の服を脱がして行く 上着を脱がし…ズボンを脱がし…下着を脱がし…全裸にすると…浴室へと向かった 浴槽に湯を貯め…三人で入ると…康太は笙を抱き締めた 「オレは行方不明になってる間に…黄泉に行った お前の…一度は子供になった子達だ… 紫雲龍騎に頼んで導いて貰って黄泉に送ってやった… オレの祖母の飛鳥井清香に……その魂…預けておいた 清香は…飛鳥井に所縁はないが… 源右衛門の孫になる笙の子供として生きた子なら…と預かってくれた… お前は何も心配するな…」 「康太…」 笙の瞳から…滝のように…涙が溢れた 「だから…お前は苦しむな… 総ては…オレが在るべき場所に還してやるから…苦しむな…」 「僕は…君に命も救われた…」 「愛する伴侶の…兄ならば…オレはお前を守ってやる…」 笙は康太に縋り着いて…泣いた 笙の耳に…元妻と…娘二人の訃報が届いたのは…康太の失踪している時だった… 一度は…妻と呼んだ…女が死んだ そして……娘二人も… パパと呼んでなついてくれた子供だった 旅行に行く…途中に…落石事故に合い…車は巨大な石の下敷きになり…即死だったと…連絡が入った 笙は…やるせない想いを抱き… 胸が潰れそうだった… 康太に…だけは…解ると想い…何処かで甘えていたのかも知れない 康太は榊原に体と頭を洗ってもらうと、笙を連れて…浴室から出た 康太は…ベッドの上に上がると…笙に手を伸ばした 「来いよ!笙!」 笙は…康太の手を取った… すると、グイッと康太が笙の手を引っ張った 「うわぁ~」 笙が驚いて…悲鳴をあげる 「優しく抱いてやっから…泣け!」 康太はそう言い…笙に…接吻した 息も着かない…接吻に…笙は翻弄される 榊原が笙の…尖った乳首を舐めた… 「伊織…止め…」 「何も考えるな…身を任せろ!」 康太は…笙の体に…愛撫を降らせた 榊原は康太の体を舐めまくり…味わっていた 笙の…勃起した…性器に触れると…笙は…後退った 康太は笙の足首を掴み…上に乗ると…動きを封じた 「オレが…わざわざ泣かせてやるんだ…泣きやがれ!」 康太はそう言い…ニャッと笑った 康太の顔が降りてきて…接吻され…口腔を犯された… 頭が朦朧として…笙は泣いた… 康太の唇が…笙の性器に触れる… ペロンと舐めると…笙は…仰け反った 「ダメ…康太…イクッ…」 と言っても…責め続けられ…笙はイッた 笙の目の前で…康太が…榊原に犯されていた… そして康太は…笙の性器を弄び…何度もイカせていた 康太に抱かれて…榊原に抱き締められ…イッた 笙は…康太に優しく泣かされ… その涙が…尽きるまで…抱かれて泣いた… 体が…考えるのを止めた時… 脳裏に…一度は子供として生きた娘が二人…現れた 「パパ…サヨナラも言わずにゴメンね でも…最後にサヨナラを言えて…良かった サヨナラ…パパ…優しくしてくれてありがとう…」 長女…が現れ 「パパ…サヨナラしないとダメだって… 私、パパの娘でいられて幸せよ… ありがとう…パパ…サヨナラ」 次女が現れた 笙は…ごめんな…ごめんな…と、謝っていた 「パパ…泣かないで…ずっとパパを見守ってるよ!」と優しくキスを贈られた 消えて行く…二人の娘は…笑顔だった… 笙は…嗚咽を漏らし…号泣した 精液で…ドロドロになり…不快感に襲われるが…指一本…動かすのも億劫だった 「さてと、体を洗ってくれよ伊織」 「解ってますよ。兄さん、起きれますか?」 「目…腫れてない?」 「腫れてますよ?」 「優しく泣かせ過ぎ…こんな事されたら… 泣いてしまうでしょ?」 笙は…ボヤいた 「伊織も怒れよ…」 「康太を抱く気なら…息の根を止めますが…そうでないなら…泣かせてあげますよ? 兄さんが泣くのに康太が必要なら…僕は…何も言いません! しかも…こうしないと…あの二人には逢わせられなかった… 仕方ないでしょ?」 榊原はそう言い康太に接吻した 「あの二人は…本当に…あの子達…なんですね……」 「サヨナラを言いたいと言ったからな…呼んでやった だけど…お前が無にならねば…逢えないからな…頭の中が…空になるまで抱いてやった オレが媒介になり…映像も…見れるようにした…だから、抱いてやると言ったんだ これでお前もケジメが着けれたろ? あの二人の分も…頑張れ…笙…解ったな」 「はい…本当に…有り難う御座いました…」 「なら、風呂に入って、下に降りるか?」 「僕は君を入れたら…掃除をします! 兄さん康太を下に連れていって下さい」 「解ったよ…それよりも…僕は危ないとか…想わないのか?」 「康太に惚れましたか?」 「康太は好きだよ!だって榊原のバラバラだった家族を1つにしてくれたのは、康太だよ? しかも僕は…康太に命も救ってもらった… 好きとか愛とかじゃなく…特別な存在だな」 「僕は…康太に手を出さないなら…許せるので良いです…。 康太を…奪うなら…容赦なく排除します」 榊原は康太を抱き上げ…浴室へと入って行く 「兄さんは歩いて来てくださいね」 「解ってます…」 笙も浴室に向かう 康太の手が…笙を洗う 榊原の手が…康太の中も…外も洗う 「伊織…ぁん…やめ…」 執拗に…中を掻き交ぜられ…笙に縋り着いた 康太の中も外も綺麗に洗ってから…湯船に浸かった 「腹減った…」 康太がボヤく… 「兄さん、康太の支度をするので…部屋に行って着替えてらっしゃい!」とバスローブを手渡した 笙はバスローブに腕を通し…自室に…着替えに行った 笙が着替えて…リビングにやって来ると…康太はソファーに着替えて座っていた 綺麗に髪まで乾かしてもらい…可愛い服を着ていた 笙は……銀色の康太の髪に触れた 康太が笙を見上げる 「有り難う…康太…本当に有り難う 僕は…心の何処かで君に頼っていた… 誰にも解らなくても…君なら解ってくれる…って……甘えていた」 「甘えれば良いじゃん… どの道…お前の命はオレが握ってる お前の軌道修正は…オレの務めだ…」 「辛くて…苦しくて…吐き出せない想いに…潰れそうだった…」 「半分潰れてたな…だから抱いてやったんだ… お前のケジメだ…そしたら乗り越えろ!」 笙は頷いた 「兄さん、康太を下に連れて行ってください! 何か食べさせておいて下さいね 僕の奥さんです…大切に運んでくださいね!」 「はいはい。お連れして食べさせておきますよ… しかし…康太…伊織を受け入れるのって大変じゃない? 伊織って…無駄に大きいよな?辛くない?」 「兄さん!そんな心配はしなくて良いです!」 榊原が怒ると…笙は笑って康太を抱き上げた その笑顔は…吹っ切れた…笑顔だった 康太を応接間のリビングに座らせ、テーブルに食事を置く せっせと…準備をして、笙は父親の横に座った 清四郎と真矢は…息子の顔を見た 泣き腫らした…目をして…笙は両親の顔を…真っ直ぐ見た 康太は怠そうに…首をコキコキして… 料理に手を伸ばした 「泣いたのですか?笙…」 清四郎が問い掛ける 「康太と…伊織の邪魔をした…のですか?」 真矢が…伊織の心中を推し量り…言葉にする 「康太に…抱かれ…泣かされました… 伊織は…僕の目の前でも…お構いなしで…康太を抱いていました… 腰をガシガシ使い…挿れまくりでした」 真矢は…まぁ…と溜め息を着いた… 「笙…康太と伊織は夫婦も同然…良いのですよ! でも…貴方が…康太に抱かれるのは…筋が違うでしょ?」 だから話せと…ばかりの勢いだった 「真矢さん…笙は…このまま泣かせずにいたら…後悔ばかりが募り…潰れる所でした この男も…伊織と同じ……自分の事は一切言わない! 例え…自分が壊れても…弱音は吐かない… だから…泣かせて…心の総てを吐かせる必要があった… 優しく抱いて…何も考えれなくする必要があった 許して下さい……」 康太は頭を下げた 清四郎は慌てて…それを止めた 「止めて下さい…康太… 君は笙の命を救ってくれたばかりか…今回は…その心も救ってくれたのですね 笙にはそれが必要だった…康太は手を差しのべてくれた…そうなんでしょう?」 清四郎は……身を呈してまで…してくれる行為に…意味がない筈はないと…想っていた 笙は…自らの口から…話始めた… 「元妻と子供二人が…落石事故で…亡くなりました… 元妻は…別に気にはなりません…新しい男と死ねて本望でしょう ですが…一度でも娘と呼んだ子供です… 子供の死は…堪えました… 別れる時…泣いて…僕に着いて行く…と言ってくれた子供達の…死を悼みました… でも…涙は出ないんですよ…心が…乾いて…ボロボロと崩れしまいそうでした… その前に…康太が…優しく抱いて…泣かせてくれました そして……飛鳥井とは所縁もないのに…娘達を…黄泉まで導いて…祖母様に…預けてくれた そればかりか…逢わせてくれて…お別れも言う事が出来ました… 僕は…また康太に救われました… 辛かったんですよ…母さん… 崩れそうだったんです…父さん… それを康太が…救って……ケジメを着けさせてくれました…」 笙は…涙を堪えながら…両親に総てを話した… 清四郎と真矢は…康太に深々と頭を下げた 「笙は…何も言いません… また大人なので干渉したり…出来ません 役者として働く大人と…見てるので見守ることしか出来ません… 私も…心の何処かで…康太が救ってくれる…と安心しているからかも知れません… 飛鳥井が大変な時なのに…貴方に無理させました また笙を救って下さって有り難う御座いました」 清四郎は深々と頭を下げた 「笙は…本当に…伊織と似て…頑固ですからね…私達には弱音は吐きません… 康太には救われてばかりですね… 況してや今回は…康太に抱かれて泣かされるとは…康太も大変な時なのに…」 と、真矢も康太に頭を下げた そこへ榊原が掃除を終えて戻ってきた 「兄さん、康太にご飯を食べさせてくれましたか?」 と、康太の心配をして戻ってくるから… 清四郎も真矢も…苦笑した 榊原は食べてる康太を持ち上げると…膝の上に乗せて抱き締めた 「伊織…康太が食べる最中なのに…もぉ…」 康太は…ハムスターの様に頬を膨らませ…食事をモグモグ食べていた 「何食べてますか?」 「今は…クリームプリン」 「なら、これは生クリームですね」 榊原は康太の口の端に着いた生クリームを…ペロンと舐めた ついでに口の中の味も…味わい…唇を離した 一生が…康太を引き剥がし…ソファーの上に置いた 「旦那…康太が愛しいのは解る…だが食わせてやりなはれ」 「僕は康太を食べてれば…満足なんですがね…」 「………昨夜も食べてたがな…俺等が見ててもお構いなしで…食べてたがな… んで、笙の目の前でも食べてたんやろ? ならば、我慢しなはれ」 「離れてたので…我慢したくないんです」 榊原は我が儘を言って…笑った とても楽しそうに…笑って康太に頬を擦り擦りしていた あの……無表情で感情の総てを無くした…顔の榊原からは想像も出来なかった… 夜更けまで…楽しく話が弾み…楽しい時間を過ごした 清四郎は康太に 「隼人と一緒に私と寝ませんか? 伊織はもう十分康太を満喫したでしょ」と話し掛けた 「清四郎さんと添い寝か。良いな♪」 「父さん、僕も添い寝します! 康太の体温を感じないと僕は寝れません! しかも……康太の寝相を知らないから…父さんは簡単に言うんですよ…」 「寝相…悪いのかい?」 清四郎は一生に問いかけた 「康太の寝相はすげぇぜ…よくもまぁ旦那は毎日こんなのと寝てられる…って思う位…すげぇぜ…。 一緒に寝れば…被害者が続出だ…今朝も貴史が蹴られて被害にあってる 後…イビキもすげぇ…寝ると後悔すんぜ!」 一生が言うと…康太は怒った 「伊織は…オレを抱き締めて寝てんぞ!」 「だから…愛なくしては…成り立たん… 伊織はお前を愛してるから…寝てられんだよ!」 一生が言うと…清四郎は 「愛ゆえに…ですか…。 私も堪えてみる事にします…」 清四郎が言うと笙も 「父さん狡い…僕も一緒に寝たいです!」と名乗り上げ 真矢も「なら、私も…どんだけ凄いか…知りたいわ!」と言い…全員で寝る事となった 客間に布団を敷いて…全員で寝た その夜も…被害者続出で…イビキと寝相の悪さに… 部屋に「痛い!」とか「グハッ」とか「うっ!」とか「重い…」と叫び声が…虚しく響いた

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