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第29話 参考人招致②

朝…7時前には起きて…支度を始めた 浴室に直行して…身体を洗い…ジェットバスに浸かり…泡を楽しむ… ゆっくりと湯に浸かり…外に出ると支度を始めた 康太に持って来た…私服を着せ… 榊原も着替えた そして康太のスーツをケースに詰め…バックの中にしまい…支度をした 服を着替え…ベッドの横のテーブルに置いた… 伴侶の腕時計を着けると…榊原は時間を見た 車のキーを持ち、バッグを持つと… 「帰りますか?」と康太に声をかけた 康太は笑って…ん。と答えた 怠い身体を…何とか気力で動かし…歩く 榊原は、抱き上げて…行ってあげます…と言うけど… 参考人招致の翌日だ… 人目があるから…それだけは…首をふった 「僕は…気にしないのに…」と言う榊原を 「オレは…気にする…」と言い…一人で歩く事にした 榊原から少し離れて…康太は歩く その後ろを…榊原は着いて歩いた フロントに行くと…三木が支払いをして帰っていった…と言われ、チェックアウトをした そして、帰ろうとしたら… 不意に後ろから抱き締められた… 「……っう……」 不意打ちを受け…康太は蹲った… 榊原が康太を抱き上げると…その瞳には… 涙を浮かべていた 「大丈夫ですか?」 「伊織…痛てぇ…血が出たかも…」 「…嘘…困りましたね…貴史…不意打ちは止めて下さいね!」 「済まねぇ…そんなに…激しかったとは思わなかったから…」 「ここで話すと…康太は嫌がります…行きますよ!」 榊原は早足で…ホテルを出ると…瑛太の車も停まっていた 榊原は無視して…康太を車に乗せた そして、瑛太に近寄ると… 「康太の精神状態は…良くないので…帰ります!」と告げて…車に戻った 榊原はさっさと車を出させる…走り出して行った 瑛太は仕方なく…兵藤と…一生と慎一を車に乗せると…榊原の車を追い…走り出した 「康太の精神状態は…良くねぇのか…」と兵藤は呟いた 一生は「一人で泣くつもりで部屋を取らせたって言ってたもんなー… その心…葛藤が凄かったんだろうな… その分…榊原を求めて…不安を埋めていたのかもな… 昨日の朝…旦那を脅して抱いてもらった…って言ってたからな… 参考人招致が有るから手を抜く旦那に腹を立て…無理矢理…抱かせた…って後悔してたからな… 昨日も…かなり酷使して…またなら…体躯は悲鳴をあげてる…」と康太の心を推し量った 「康太には…伊織しか…いませんからね 求めて、欲しがって…全部埋めて欲しいのでしょうね…」 愛しい弟に想いを馳せ…瑛太は言葉を紡ぐ 瑛太は…副社長室で… 一生、聡一郎、隼人、兵藤は…飛鳥井の家で… 慎一と力哉は…羅刹の家で… 康太の参考人招致を…見ていた 瑛太は…一緒に行く気だった 一生も聡一郎も隼人も…兵藤も……一緒に行くつもりだった なのに…康太は三木と二人で…行ってしまった… 帰って来るかと…待ってれば… 「康太は今夜は帰らない…」と三木が現れた 「康太は…一人で俺が取った部屋に…泊まる気だ… 俺は…一人で泣く…康太は見てられなくて…伊織を呼び出して…康太の元に行かせた 今夜は…帰らない… それを伝えに来ました!」と三木は忠犬宜しく…飛鳥井の家に…それを伝えにやって来た 飛鳥井の家族も…一生達も…兵藤も… 堪えて…堪えて…壊れそうな康太を…心配していた でも……榊原が側にいてくれるなら… 安心だった 榊原に優しく抱かれて… 過ごすなら…安心出来た… 康太の側に…榊原がいれば…安心だった だが、朝一番で…康太の姿を…見に行った 幸せな顔で…笑っていて欲しいから… 皆で…見に行った まさか…犯り過ぎで…立ってられないまで… だとは…思わなかった でも…愛され疲れなら…まだ安心出来る 榊原にそっぽ向かれた訳じゃないから… 飛鳥井の家に着くと…榊原と康太は待っていた 「瑛兄、羅刹は?」 「昨夜は康太がいないと残念がってたので…父さんが添い寝してやりました」 「そうか…オレは…不安定だったからな…」 「康太…体は?」 「……愛され過ぎた…少し休む… 本当に疲れた…それより株価は持ち直したろ?」 「ええ。一時最高値を叩き出しました」 「羅刹に俺の資産を総て投入して…大一番に勝負させた… 多分…参考人招致もカタが着く… 飛鳥井は無罪放免…そして飛鳥井を陥れた奴等は…制裁が下り…破滅へと落ちて行く…」 康太はふん!と鼻を鳴らした 康太は飛鳥井の家の中に入って行くと…榊原に腕を伸ばした 「瑛兄…オレは…今日は家から出ねぇ… 何かあれば…電話か…部屋に来い…」 「ええ…少し休みなさい…何かあれば…伺います」 康太は…後は何も言わず…榊原に抱き着いて…部屋へと戻った 寝室に入ると…康太をベッドに座らせた 「寝ますか?」 「…伊織は?」 「側にいますよ…」 「なら寝る…」 榊原は康太の服を脱がせて…ベッドに寝かせた 「僕は服を着たまま…君の横にいます それで良いですか?」 「ん。それで良い」 「軟膏…塗りますか…」 「痛かった…」 「また…軟膏をもらいに行きますから…塗ってあげますよ?」 飛鳥井の主治医に頼み…鎮痛剤入りの軟膏を作って貰っているのだ… 榊原は布団を捲ると…康太のお尻を…持ち上げ…お尻を左右に…開いた 「痛い…伊織…痛いってば…」 「血が出ていますよ?」 「だから言ったやん…血が出たかも…って」 榊原は康太の腰を抱えて…お尻の血を…拭いた そして消毒をしてから…軟膏を塗った その場に…一生がドアを開け…入ってしまったから…固まった… 「一生、水を汲んできて下さい!」 榊原に、頼まれ、一生は水を汲みに行った 少しして戻って来ると… 康太は寝かされていた 榊原は一生から水を貰うと…錠剤を口に含み…水と一緒に…康太の口に流し込んだ 康太の喉が…ゴクン…と飲み込むと、榊原は唇を離した 「寝なさい…側にいるから…寝なさい」 榊原の指が康太を撫でると…康太は…眠りに落ちた… 康太が寝息を立てると…榊原はベッドから降りて…一生を促してリビングに出た リビングに行くと、榊原は手を洗いに行った 「一生、飲み物を入れといて下さい」 頼まれ…一生はコップを二つ出した 手を洗って戻って来ると…榊原はソファーに座った 「康太の様子はどうよ?」 「参考人招致の前日の晩…康太は僕を欲しがって…乗って来たんです 僕が遠慮してると…怒って…不安定なまま…抱きました その時…かなり大きくなってて…それを挿れたので…怪我しました……」 「参考人招致の時には…怪我してたのか?」 「そうです…」 「嘘…誰よりも飛鳥井康太…だったのに… 怪我した体で…一人で…行ったのか…」 「そして昨晩も…一人で自分の身体を抱き締めて泣いていました… 三木が連絡くれなきゃ…一人で…ずっと泣いていたんでしょうね…」 「旦那…」 「そして、康太の欲しがるだけ…抱き潰しましたからね… 起きて歩ける方が…至難の技なんですよ…」 一生には言葉もなかった… 「お尻の穴は…かなり裂けてます… 傘が開くと…かなり凶器になりますからね…僕のアレは…… 一度射精してから…って言っても聞かなくて… そんなのを挿れればお尻の穴が…メリメリと裂けますよ…」 「………想像するのを俺の脳は拒否してるわ…」と一生は唸った 榊原は笑った 「今日は…康太は寝かせておきます」 「それが良い…」 「一生…お母さんの所へ行きなさい 僕達は…少し寝ます…」 「おう!そうする!しかし…流血しても…旦那が欲しいんだな…康太は… 康太の想いは揺るぎねぇな…」 一生は榊原の肩を叩くと…リビングを出て行った 榊原は寝室に戻ると…机の横の…携帯を見た… 着信は…百件を…越えていた… 学友に…清四郎に真矢と笙… 蒼太に矢野、恵太に栗田 神野に小鳥遊が…入れ替わり…電話を入れていた 「まぁ…今日は…無視で良いでしょ?」と電源を切ろうとすると…着信を告げて…携帯が鳴った 電話に出ると…清四郎だった 「父さん…どうなさったのですか?」 『昨日は電話が繋がりませんでした…』 「忘れて行ってしまいましたから…」 『康太は……どうしてますか?』 「寝ています…参考人招致は一人で…行ったのです…康太は…」 『えっ?一人で…ですか?』 「僕を晒し者にする気はないと…一人で…康太は…僕を置いて行ってしまいました… 相手が…康太の弱点を突いて来るのを予測して…康太は僕を置いて行きました… 三木から連絡が入って…慌てて康太の側に駆け付けたので…携帯の存在を…忘れてました」 『伊織…康太の想いは…凄いね… お前を守ったのだろうね…私も真矢も笙も… 参考人招致を見てました…あの場にお前がいれば…カメラはお前を撮しただろうから… 伊織はいないのですか?……と、真矢は心配してました… お前が…晒し者になるのは…私達も…心配だった でも、私は恥じはしない…真矢も笙も…お前を恥じたりはしない!』 「解ってます…父さん僕も恥じはしません… でも康太は…何も解らない人間は…報道と映像で…ねじ曲げられた事実しか見ない…と、僕は連れて行きませんでした… そして、一人で…部屋を借りて…泣いていました…」 『……………!!康太……』 「三木が教えてくれねば…康太は一人で自分を抱き締めて…泣き過ごして…泣き疲れたら…眠るつもりだったんでしょうね…」 『…………伊織…康太の側に…いてあげて下さい…… お昼頃…お弁当を持って…逢いに行きます』 「解りました…」 榊原は通話を切ると、電源を落とし…服を脱ぎ… 康太の横に…入り込み…寝る事にした… 榊原の素肌を求めて…康太が…擦り寄って来る 榊原は、康太を腕に抱き締め… 眠りについた

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