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第37話 飛鳥井の家へ
飛鳥井の家に…康太と榊原
そして一生が帰って来ると…瑛太はやはり…と、納得した
昨日は、密葬の間中…一生は気丈に振る舞っていた
母親を亡くしたと言うのに…何時もの緑川一生だった
そんな筈などないのに…
取り乱す事なく…
葬儀を終えると…一生は、飛鳥井清隆、玲香、瑛太、京香、悠太に頭を下げて…本当にありがとうございました!と礼を述べた
そして、栗田と恵太、蒼太と矢野
榊原の家族、清四郎、真矢、笙に礼を言い
その姿は…誰よりも穏やかで…落ち着いていた
いっそ…泣き叫び…取り乱してくれた方が…見ている方は…気が楽だった
一生が淡々とすればする程…感情を感じられなくなり…
回りは辛かった
清四郎と真矢は…
「一生も…伊織と、同じ……康太のいない世界では…本心すら晒さない…感情さえ無くす…見ている方は…辛すぎます…」と溢す程だった
慎一は「やはり貴方の所へ…一生は行きましたか…」とボヤいた
康太は応接間のソファーに座り
「おう!来たからな優しく抱いて…泣かせてやったぜ!」と答えた
だから……その言葉に…
どう返答したら…良いんですか…
と、全員…困っていた
康太はお構いなしで…笑っていた
「一生の命を握ってんのはオレだからな!
やっぱ泣けねぇ子供は…無理矢理泣かせねぇとな!
もう…当分…出ねぇって程…抱いてやって…夢を見させてやった
慎吾と綾香の夢だ…あの二人の想いを…夢に流してやった…慎一も見たろ?」
康太が問いかけると…慎一は
「はい。見ました。」と答えた
「一生は、素直じゃねぇからよぉ、抱かれて疲れて泣かねぇと…見れねぇんだよ…」
と言い…優しく一生を抱き締めてやった
康太の言葉に…一生には康太しかないのを伺えれる
康太の膝の上に…寝かされて…優しく頭を撫でられると…一生は眠りに堕ちた…
「慎一、毛布。伊織、オレに着替えを。」と康太が言うと…
慎一は毛布を取りに行き
榊原は康太の私服を取りに…寝室まで向かった
着替える時…康太の膝が外れると…一生は目を開けた
枕を頭の下に滑らせ…
「少し眠れ…オレがいるからよぉ…」と優しくキスをもらい…一生は再び瞳を閉じた
一生を眠らせ、康太は榊原に着替えさせてもらう
ラフな私服に着替えて…康太はソファーに座った
「康太、此処にいますか?」
「おう!一生の側にいてやる。だからPCを持って来てくれ。」
「解りました。持って来ます。
聡一郎着いてきて下さい。
僕は掃除と洗濯をせねばなりません!」
榊原らしい台詞に…全員が苦笑する
「瑛兄、昼には会社に行く。
オレに車が来るからな」
「車…?」瑛太は怪訝な顔をして康太を見た
「蔵持善之助からBMWを貰うんだよ」
「BMW…?」
「そう。高校卒業の祝いだって…」
「幾らの?」
「1400万円台…だとか言ってたな…」
「返しませんか?欲しいなら、兄が買ってあげます!」
「瑛兄…無理だ!断れば…それより高いのを寄越そうとすんだからよぉ!」
「その…腕時計…の人ですよね…」
「瑛兄…それ以上言うな…。」
「解ってます…。ならば、車庫を作らねばなりませんね…」
「そもそも…瑛兄のベンツも…車庫なしに入れるのは…あぶねぇしな…車庫を作る気だ
そしたら、伊織に車を買ってやんだよ!」
「あ!狡い…私が伊織には買う気でいたのに!」
「だからな、それより早く、夫にプレゼントすんだよ♪」
「兄が半分持ちます!それで手を打ちませんか?」
「嫌だ、夫のプレゼントは妻がするもんだかんよ!」
「ケチ!」
榊原が、掃除と洗濯を終えて、応接間にやって来るのを見て、康太は瑛太に声を掛けた
「……瑛兄、チューは?」
「あぁ。そうでした。忘れてました」
瑛太は楽しそうに言うと……
瑛太は榊原を呼んだ
「伊織、此処に来て下さい」
呼ばれ、榊原は瑛太の側に行った…
瑛太は逃げない様に、榊原の肩に手を掛けると
榊原の口にチューをした
想わず…榊原は…ソファーに足を取られて…転んだ
チューは?って康太にするのかと想っていた
なのに…
「何するんですか…義兄さん…」
「君が康太を託してくれたから…兄は嬉しかったんです。
やっぱ嬉しい時は、チューですよね?って康太に言ったら、伊織も喜ぶ…チューしてやれよ!って言ったんで…しました♪」
瑛太は楽しそうに…笑っていた
「義兄さん…チューは要りません!」
「伊織が私を信頼して…康太を託してくれた…その想いは…すごく嬉しかったんですよ」
「義兄さん…でも、チューは……」
「慣れなさい。」と言い瑛太は榊原の頬にキスした
優しい兄のキスだった
「義兄さん…」
「兄の愛です!」
瑛太は笑った
榊原は諦めた
応接間は、笑いに包まれていた
一生の帰宅を知り、玲香も清隆も応接間を覗いた
出勤前の…栗田と恵太が…飛鳥井に来て
蒼太も…出勤前に飛鳥井に…一生を覗きにやって来た
清四郎や真矢…笙も…仕事前に…一生を覗きにやって来た
全員…応接間に通され、爆眠の一生を目にする
康太の横で……一生は幸せそうな顔をして眠っていた
泣き張らした瞼が…痛々しく…
時々…鼻を啜り上げる息が…
一生が…ちゃん泣いたのを…物語っていた
康太はPCを操作して…忙しそうだった
一頻り…PCを操作して…顔を上げ笑った
「皆…一生を心配して…来て下さったんですね…」
康太が問い掛けると…皆…頷いた
「一生は、大丈夫です。俺が側にいれば…
生きていけますから…
オレはこの先も…一生と共に在りますから…」
その台詞の重さに…皆…息を飲んだ
飛鳥井康太が側にいれば…生きて行ける…と
意図も容易く…口にする
だが、その台詞の重さは…全員…解っていた
人一人の…人生を…背負っていると…言うも同然の言葉だった
飛鳥井康太の番人…
何時しか…言われる一生の評価
康太に降りかかる火の粉は…総て一生達…四悪童が…振り払い生きて来たのだ
誰も…康太の行く道は…邪魔などさせねぇ!
その想いだけで…一生は、康太を守る
彼等の関係は…共に在る…その想いだけ…
飛鳥井康太が動く時…
共に在る
その為だけに…一生は生きている
そして、何時か…康太に誇る…馬を作る
それは…緑川慎吾の…想いだった…
康太は一生の髪を…撫で…
「一生の想いは…黄泉に逝く…母が一人でなければ良い…と言う…願いだけだった
黄泉に渡った綾香は…夫と…再会した
そして…共に輪廻に加わり転生する…
最後に…二人の姿と…想いを…弥勒に紡ぎに行かせ…夢に流した
二人は…共に在る…それが解って…一生は安堵した…
素直じゃねぇからよぉ…こいつは…」
愛しそうに…一生の、髪を撫でる
榊原は、そんな康太を見守っていた
榊原伊織と言う男の懐は…広い…
康太を愛して…康太の…大切なものまで…引っくるめて愛せる男だった……
「慎一 」
「はい。」
「腹減った…沢庵…食いてぇ」
「解りました。持ってきますか?」
「オレが離れたら起きるからな…持ってきてくれ。」
「解りました。伊織は?」
「僕も。康太が食べるなら食べます。」
慎一は笑って…
「ならば、皆さんには珈琲を御持ちします」と言い応接間を出て行った
その後を、悠太と聡一郎が着いて行く
暫くすると…悠太が全員に珈琲を持って来て、配った
聡一郎が榊原の前に食事を置いた
慎一が康太の前に…食事を置くと…玉露のお茶も…ちゃんと置いた
応接間にポリポリ…と言う音が響く
「栗田、飯は食って来たんかよ?」
「はい。恵太が作ってくれます。」
と、幸せそうに栗田は答えた
康太は聞くんじゃなかった…とボヤいた
「伊織 」
「はい。」
「オレが飯を作ってやろうか?」
と、康太が言うと…飛鳥井の家族や…慎一達は…全員嫌な顔をした
「僕は…例え…病院送りになろうとも…妻の作るモノは食べますよ!」
と苦笑した
玲香は「お前が作ると…危険だ…止めておけ」とたしなめた
清隆は「また…伊織が病院送りになります…止めときなさい…」とたしなめた
瑛太も…「一生や聡一郎、隼人、そして私を…病院送りにした…あのチョコとは言えぬ…モノを…作った君ですからね…止めときなさい」と止めた
栗田は…????な顔をした
恵太と蒼太は…納得し
清四郎、真矢、笙は、最近になって、やっと康太の雑さを…認識した
「伊織…」
「はい。」
「オレの作るのは…病院送りになるって、言ってるもんじゃねぇかよ!」
「バレンタインの時の手作りチョコには…
何やら解らぬ…物体が入ってましたからね
食べて…僕は…病院送りになりましよね?」
「おう!オレが必死に作ったんだぜ!
一生や聡一郎は、殺人チョコを渡すんじゃねぇ!って止めたけどな…」
殺人チョコ……
全員……言葉をなくした
「君は…何もしなくて良いですよ
僕が統べてやって上げますから…」
榊原が…優しく康太を抱き締める…
「桜が咲いたら、オレが弁当作ってやろうと…思ってたのによぉ…」と康太はボヤいた
目を醒ました一生が
「花見より先に…病院送りになる、止めとけ…」と康太を抱き締めた
「でも、お前等は食うんだよな。
オレが作るのは殺人的に危ねぇって解ってても…食ってくれんだよな」
「食うさ。お前が心を込めてるのを知ってるからな!
だが心は込めても…おめぇは雑いからよぉ…
とんでもねぇモンしか出来ねぇからよぉ!
止めとけ…食いてぇなら…俺等が作ってやるからよぉ!
お前の亭主は料理も上手い!
わざわざ…お前が殺人弁当を作る事もねぇんだよ!」
「一生、何気に…てめぇの言ってるのは、ひでぇ事だって…自覚あるんかよ?」
「お前の作る…料理以上に…ひでぇモンなんてねぇからな…自覚はねぇよ…
何で普通に作って…劇薬ばりに死にそうになるん…止めとけ…俺を殺す気か…」
「殺す気なら…優しく抱いてやんねぇ」
「…それ言うかよ…」
「言っとかねぇとな…」
康太は笑って、尖った一生の唇を摘まんだ
拗ねて…感情を露にする…一生の姿があった
密葬の日は…感情など皆無で…冷たい…一生の姿に…胸が痛んだ
悲しくない訳などないのだ…
誰より…悲しみ…母を想うは…一生だった
この世で…唯一無二の肉親を亡くすのだから…
榊原の指が…一生の涙を拭う…
一生は、この二人に…愛され生きているのが…伺えれた
「寝癖…凄いですね…一生。
ドライヤーかけてあげたのに…」
「康太が…ぐしゃぐしゃにすんだからよぉ…」
「一生の毛を…毎日少しずつ抜くんだよ…
そしたら、一生も…ハゲの仲間だ…」
康太が笑う
「……康太…止めときなさい…」
榊原が康太の手を…一生から離す
「ハゲは…康太じゃんかよ…」と一生が言うと……
「くそっ!人の気にしてる事を!」と一生を羽交い締めにした
「本当に毟り取ってやる!」
「うわぁ~止めてぇ…」
「優しく抱いて泣かせてやったオレに、言う言葉かよ!」
「許してぇ康太…!悪かった!」
一生は叫んだ
榊原が康太を止めて…膝の上に乗せると…
康太はそっぽを向いた
「フン!」
「うわぁ!康太…拗ねるな…」
「つん!」
「好きだから…康太!」
「やだ!」
「愛してるからさ!」
「べー!」
「俺の命やっからさ!」
「腹壊すから…要らねぇし…」
「くそっ!許しやがれ!」
一生は康太を抱き締めた
榊原はそんな一生ごと…抱き締めてやった
「旦那は…優しいな…」
優しく撫でられ…一生が呟く
「オレのだかんな!」
「取らねぇよ!」
「一生、オレはもう少ししたら会社に行く
お前はどうするよ?」
「俺も行く!俺は今後もお前と共に在る!」
「一生…、オレの頼みを聞いてくれ…って言ったら…聞いてくれるか?」
「聞いてやんぜ!この命に変えてもな!聞いてやるぜ!」
一生は、康太を見詰め…言葉を贈った
康太は一生にPCを渡した
「今…見るな…!誰も…居なくなって見て…頼むな!」
「解った!お前の頼みなら、俺は命に変えてでも完遂する!」
康太は一生を抱き締めると…頼む…と言い…
離れた
「ご心配かけましたが、一生は大丈夫です。」
康太は頭を下げ
「では、会社に行く準備をして参ります!」と言い応接間を、後にした
部屋へ戻ると…榊原が
「何かありましたか?」と尋ねた
「四宮 朝霧が死んだんだよ…」
「え!………病気ですか…?」
「静岡の…病院に、入れてたらしいんだ
若旦那が、総て執り行ってくれた
一生の母親が黄泉に渡った日にな…
偶然にも…朝霧は………崖から飛んだ…
そして…二度と…帰らぬ人になった…」
「………歪んだまま…あの人は逝ったのですね…」
「遺体を…警察から引き取り…荼毘に臥してくれたのは若旦那だ…
そして、遺体は…荼毘に臥した寺に安置してある…
聡一郎に伝えて…母親の墓に入れるか…決めねぇとな…」
「それを……一生にやれと言うのですか…」
「伊織…隼人の事で、出るのはオレの様に
聡一郎の事で出るのは…一生なんだよ…
育てたのは一生だ!
辛くても導いてやる…責任があんだよ!」
「…それでも……一生にやれと言うのは酷ですよ
僕が…伝えましょうか?」
「伊織…一生が聡一郎の人生を背負った時から…決まっている定めだ…手を出すな!」
康太は…言い切った!
そして、康太は何も言わず…部屋の外へと出て行った
彼等の間にはルールがある…
それに口を挟めば…康太は容赦がない
康太は…何も言わず…外へと向かう
榊原は康太を追って…外に出ると…
康太はそっぽを向いた
何も言わず…車に乗り込み…黙ったまま…瞳を閉じた
会社に到着すると…康太はスタスタ…と歩き
エレベーターに乗り込んだ
「康太…怒ったのですか?」
「喧嘩したくねぇんだよ!
言い合いをしてぇ訳じゃねぇ…
ならば、逃げるに限る…」
康太の想いだった…
「康太…喧嘩なんて…出来る筈ないじゃないですか…
君と…喧嘩しても…僕はすぐに謝ります」
「多分…伊織には理解が出来ねぇだろうな…
母親を亡くした一生に、言わせる事じゃねぇからな…」
「でも…役割分担が…あるんでしょ?」
「一生はな、緑川慎吾が俺に託してくれたんだよ!
だから、一生の事でオレは動く…
隼人はな…俺が拾ったんだよ…だから、責任があんだよ!
聡一郎は…一生のもんなんだよ
バラバラだった聡一郎を…繋ぎ合わせて…この世に引き留めているのは…一生だ!
オレは口を出す気はねぇ…聡一郎と仲間だから守ってやるけどな…
肝心な…所は…一生がやるって決まってんだ
隼人の事で…一生や聡一郎が口を出さないと同じだ
一生や聡一郎は…隼人の事は…一切に口を挟まねぇ…
オレが…アイツを殴り倒しても…止めねぇんだよ!」
役割分担と…誰にも割り込めれぬ…絆が…
そこに在った
「伊織、部屋を変わる準備をしねぇとダメだぞ!
オレは自分の部屋に行く!ならな!」
榊原の目の前で…康太はドアを閉めた
榊原はお手上げ…になり、副社長代理の部屋に入った
副社長代理の部屋に入ると、佐伯から…副社長室に行く準備をしろ!と怒られた
「会長室」「社長室」「副社長室」「真贋」「役員室」と言うプレートが出ていた
康太は「真贋」に移り、瑛太や清隆、瑛太は、今後はその部屋で仕事をする為、引っ越しをしなければならなかった
「役員室」には、玲香が入り仕事する事となる
康太は引っ越しは、力哉がやる
「触らないで下さいよ!」と釘を刺されるから、触れない
「力哉、車が来るから、下に降りてるもんよー」
「ウロウロ歩かないで下さいよ!
貴方が消えると…ロボットが6体出来上がりますから…困ります!」
「え?2体だろ?」
「いいえ!瑛太さん、伊織、一生、聡一郎、隼人、慎一の6体で間違いないです!」
「………容赦ねぇな力哉…」
「貴方の秘書ですから!」
康太は地下の駐車場へと向かう
エレベーターに乗り…地下へと向かうと…
蔵持善之助の執事が、リムジンでやって来た
康太の車は若い使用人に運転させ、地下駐車場へとやって来た
リムジンから執事が降りて康太に頭を下げた
「康太様、お車をお届け参りました!」
と執事は言い、何処へ停めるか聞いた
康太の役員専用駐車場に止めてもらうと、ホロを被せた
執事は、康太に鍵と車検書と保険の証書を渡した
「ありがとう!善之助に礼を言っておいてくれ!」
「それでは…康太様。
また善之助に逢いに来てください!」
「予定を立てておくよ!」
深々と頭を下げると…執事はリムジンに乗り込み…帰って行った
康太は、エレベーターのボタンを押すと…
階数のランプが…階下へと降りてくる
ドアが開くと…康太は乗り込み…
抱き締められた…
力強い腕が…康太を抱く
「伊織、どうしたよ?」
「君が部屋にいないから…」
「勝手に消えると思ったのかよ?」
「違います…君は消える前には…必ず言って行きますからね…」
「なら、何なんでだよ?」
「君が怒ってたから…気になって見に行ったら…君がいなかったから…」
榊原の腕が…康太を抱く…
「怒ってたんじゃねぇよ…
でも…伊織には、オレは冷たい奴だと…思われたりしてな…」
康太は自嘲的に笑った
「冷たいなんて想いませんよ…
君達の絆に…口を挟む気はなかったのですが…ね。
つい、口を挟んでしまいました…」
「一生を想い遣ってだろ?
伊織は優しいかんな…」
最上階に到着して、エレベーターを降りると、榊原は康太を自分の部屋に連れ込んだ
ソファーの上に…康太を抱いて座ると…膝の上に乗せた
「康太…僕を嫌いになりましたか?」
「ならねぇよ!」
「なら……愛していてくれますか?」
「愛してるかんな!」
「康太…愛してます!」
榊原は康太の唇に…唇を重ねた
「んっ…伊織…あん…」
「伊織…喧嘩の後は…仲直りでしょ?」
「家に帰ったら…」
「楽しみにしてます」
ラブラブだった
康太は榊原の耳に…唇を近付けると
ゴソゴソ…ボニョボニョ…ヒソヒソ…と耳打ちした
「…………解りました!」と言い立ち上がると、階下へと降りていった
戻って来ると、榊原は康太と共に…会社を後にした
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