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第50話 陰謀

真っ暗な…暗闇に…康太は… 天を仰ぎ… 両手を広げ… 目を閉じて…いた 榊原の視線に気付くと…康太は笑った 「眠れ…伊織…まだ朝じゃねぇ…」 榊原の意識は…それで途切れた… 再び…目を開けると… 辺りは明るくなっていた 榊原は、胸の中の康太を確認した すると……榊原の胸に顔を埋め…康太は寝ていた 夢なのか…? 現実なのか? 康太に聞いても…答えはくれないだろう… 榊原は康太の頬に…キスを落とした 「康太…今朝は会社に行くんですよね?」 康太は榊原に抱き着き…胸に擦り寄った 「伊織は大学の授業を受けた後、会社だろ?」 「ええ。何かあったら呼んで下さいね」 「伊織…大丈夫だ…一生が一緒に行く…心配するな」 「心配しますよ…君を愛してやまないんですから…」 「伊織…」 康太は榊原の背中に腕を回した 榊原は康太に口付けて… 「会社に行くんでしょ?遅刻はダメですよ?」と促した 康太は……瞳を瞑り… 吹っ切る様に「起きる…」と呟いた 榊原は康太を起こし…浴室に行き体を洗い支度した 何時もと変わりのない朝が始まろうとしていた 榊原にスーツを着せて貰い、康太は一階に降りて行った キッチンで…朝食を取り…応接室で… 一生を待った 康太は瞳を瞑っていた… 一生が「何か有るのかよ?」と問い掛けた 康太は目を開けると…一生を見て 「何もねぇよ…」と答えた 「俺が着いて行く…お前を一人にしねぇ… 誰もお前の側には…近付けねぇ…だから心配するな」 一生は…康太が…他人に触れられたくないのを知っている… 況してや…あんな事のあった後だ… …襲われかかった記憶も甦るかも知れない… 誰にも康太の側へは…寄せ付けない気でいた 「一生…定めでも……受け入れられねぇ時もある…」 「え?あんだよ?」 「伊織に火の粉がかかるなら…オレは…離すしかねぇのか…」 「え?……康太……」 「伊織を、守る為の選択肢は1つ…別れるしかねぇ…としたら…神様は意地悪だな…」 「康太…!何を言ってるんだよ!」 「一生…行くぞ…伊織には聞かせられねぇ…」 「なら、外に出たら…話せ! 良いな?」 康太は観念して…解った…と答えた 玄関を出て…仮で借りてる駐車場まで出向き…車に乗り込む… 車は…会社には行かず…少し離れたファミレスれ行き…車を停めた 「話せ…何があったんだよ!」 「オレの…スキャンダルが…一斉に出るらしい… 伊織を…飛鳥井から出す… 副社長も…解任する…飛鳥井と関係のない者にする」 「………お前の…スキャンダル? 何故?何故追い討ちをかけられねぇといけねぇんだ?」 「飛鳥井家の真贋を潰してぇと思っているからだよ… オレの…アキレス腱は榊原伊織… そんなスキャンダルに…伊織を晒せねぇ 伊織が大学に行ってる間に…手を打つ だから、早く…瑛兄に言わねぇと!」 「伊織に…言わずに決めるな!」 「言っても納得しねぇだろ? そんな悠長な事やってる時間はねぇんだよ!」 「康太!」 「伊織を…世間に晒せば…伊織の両親だって形見の狭い思いをさせられる! 伊織の両親は役者だ!スキャンダルの真っ只中に身内がいたら…敬遠される…! オレの所為で…榊原の両親に迷惑がかかるんだぞ!出来る訳…ねぇじゃねぇかよ!」 「瑛太さんも伊織も…納得しねぇぞ!」 「それでもだ!それでも…やらねぇといけねぇ事もある!」 「旦那を失って!お前が生きてく事を…誰も想像なんてしたくねぇんだよ!」 「一生…伊織の為なんだ…」 「それは違う!」 「一生…会社に行け!」 「クソッ!」 一生はエンジンをかけた! そして飛鳥井建設へと…車を走らせた 瑛太に止めてもらって…康太の目を誤魔化して…榊原に連絡を取る… それしかないと…一生は思っていた 飛鳥井建設へ行くと早足で最上階へと向かい…社長室のドアをノックした 部屋の中から瑛太が出て…康太を見つけて笑った 「どうしたんですか?」 問い掛ける康太の顔は……キツい瞳をして… 瑛太は何かあると…康太と一生を社長室の中へと招き入れた 「瑛兄…頼みがある…」 「何ですか?」 「伊織を…副社長から解任してくれ…」 突拍子もない…言葉だった 「康太…?」 瑛太は…驚愕の瞳で…康太を見た 「康太!理由を聞かずに…了承出来ると思ってるのですか?」 瑛太は…康太の腕を掴んだ! 「瑛兄…オレの…スキャンダルが…出る 飛鳥井康太を…潰す為に…伊織を…引き合いに出す… 伊織が…晒される…好き勝手書かれて…奇異な瞳で見られるのは耐えられねぇ 榊原の両親も…引き出されるんだぞ! その前に…別れる… オレは伊織と別れる… 榊原の両親にも…顔向け出来ねぇかんな」 「康太…」 瑛太は…言葉がなかった… 「瑛兄…オレは伊織を…晒し者にしたくねぇ… 別れるしかねぇと…想ってる… それが……伊織の為だ…」 康太は……静かに…語った 「伊織に…話して…」 「話せば…嫌だと…言うだろ?」 「当たり前でしょ?」 「オレの…我が儘だ…聞いてくれ… 伊織を…守るには…これしかねぇ…」 「嫌です…嫌です…! お前の幸せを…壊したくない…」 「瑛兄!」 「伊織は…お前の命じゃないですか… それを断てば…お前は生きられない…嫌です!」 瑛太が康太を抱き締めて…離さないでいるうちに… 一生は榊原にメールした 『今すぐ社長室に来い』…と。 そのメールを見て…榊原は車を走らせた会社へと走った 何かを感じ……榊原は走った 康太は焦っていた… 瑛太の殴りたい位の頑固さに…瑛太の腕の中で…暴れた 「離せ!瑛兄!」 「嫌です!」 「瑛兄…聞け!晒されて好き勝手書かれたら、榊原の両親に顔向け出来るのかよ!」 「それでも…お前と…伊織を…離すのは嫌です!」 瑛太は…頑として…康太の言うことを聞かなかった 何度いっても…埒があかず…康太は…社長室を出て行こうとした… なのに…瑛太は…康太を離さなかった… 「瑛兄!…離せ…」 「離したら…何処かへ行ってしまうでしょ?」 「瑛兄…離せ…こんな事してたら…伊織が会社に来る… その前に…解雇しろ!飛鳥井と関係のない者に…瑛兄!」 「伊織が…了解したら…気いてあげます…」 「瑛兄…」 「了解などする筈…ないでしょ?」 榊原の声がして……振り返ると…榊原がいた 「伊織…何故?」 康太が驚愕の瞳で見る… まだ大学の筈じゃないのか… 「話し合いが…必要みたいですね… 義兄さん…今日は…仕事は無理です 一生、飛鳥井へ帰ります…部屋に来ないで下さいね!」 榊原は瑛太の腕の中から康太を…返して貰った そして、康太の腕を掴んで離さなかった… 「帰りましょう康太… 家に帰ったら…詳しく話を聞かせて貰います」 瑛太に一礼して…康太を引き摺り…部屋を出る 「伊織…痛い…」 「緩めると…逃げるでしょ?」 「逃げねぇよ…」 「なら何で…僕のいない所で…別れ話の算段なんですか?」 康太は……諦めた… 榊原はエレベーターのボタンを押すと…ドアが開いた 地下駐車場へ向かい…車に康太を乗せ… 飛鳥井の仮の駐車場に車を停めると…飛鳥井へと歩く 榊原が触ろうとすると…康太は…逃げた! 「伊織…隠し撮りされたら困る…オレに触るな!」 康太は…走って…飛鳥井の家の中へ帰った 家の中へ入ると…榊原は康太を抱き上げ… 寝室へと連れて行った 部屋に鍵をかけると…榊原はネクタイを解いた 「話して下さい…総て僕に話して下さい! 隠し事はしないと…約束して下さい」 康太は…頷いた 「飛鳥井家…真贋を…潰したいと思っている人間が… オレのスキャンダルを…大々的に…出すらしい… オレのスキャンダルは……伊織…お前しかねぇ 大々的に…晒す気でいる…… オレは伊織を…晒し者にしたくねぇ… 絶対に嫌だ…だから…副社長を解雇する オレの伴侶も…解消だ… お前なんか…嫌いになった…別れてくれ…」 「それ!本気で言ってますか?」 「本気だ…別れよう…伊織…」 「ならば…君の…息の根を止めないと…いけませんね… 僕は…離す気なんて…ない!」 榊原は康太をベッドに押し倒した 「僕の事を…嫌いになったんですか?」 康太は…目を閉じて… 「あぁ…嫌いになった…」と答えた 震える…体が…康太の嘘を教える… 「僕の瞳を見て…言いなさい!」 康太は…榊原の瞳を見た… 愛してる… 愛してる… これ以上…愛せる人なんて…現れない… 康太の瞳が…涙で…揺れた… 「………伊織…なんて…嫌いだ…」 「嘘でしょ…君の瞳は…僕を愛してると…訴えてますよ?」 「……別れよ?伊織…」 「嫌です!君のスキャンダルなんて…今更でしょ?」 「伊織…榊原の両親まで…白い目で見られるんだぞ… オレの所為で…仕事がなくなったら…どうするんだよ! 役者は…仕事が…あってこそだろ!」 「康太…僕が…君を選んだ時点で…覚悟は決めてますよ… 何時バレても…父は…僕を守ってやると言ってくれました…」 「伊織…」 康太は…瞳を閉じた 飛鳥井家 真贋と言う立場が…この日程…重くのし掛かった時はなかった 有る事……ない事……好き勝手書かれたら… 人は真実など見ずに…嘘を連ねた…記事や映像を信じる… そしたら、どうなる? 榊原の親にまで迷惑がかかる… 何時か…恨まれて…しまうかも知れない… 「僕の瞳を見て…答えなさい!」 康太は…榊原を見詰めた… 「………もう嫌いに…なった」 嫌いになんて…なれないのに… 「それから?」 「………別れよう…」 別れたくなんか…ない… 「君の瞳は…別れたくないと…訴えてますよ?」 「伊織…」 「僕を…ずっと好きで…僕しか見ない君が… 今世で…別れ話を…するとは… 嫌われましか…もう愛してないと…言うんですね…」 榊原は傷付いた瞳をした 康太の胸が…キリキリ傷んだ もう見てられなくて…康太は瞳を閉じた 「康太…目を閉じないで! 別れ話をするなら…相手を憎んで睨むんですよ!」 こんなに愛してるのに…それは出来なかった 康太は瞳を閉じたまま……静かに泣いた 榊原は…そんな康太を腕に抱いた 「バカですね…君は…スキャンダル…で、僕が潰れると…想いましたか?」 「榊原の家族に……迷惑がかかる…」 「今更ですよ…」 榊原は康太に…口付けた 「嫌いなら…抵抗…しなきゃ…」 抵抗なんて…出来ない… だって…触られると…細胞の1つすら…歓喜して…喜ぶんだから… 「……伊織……」 「君は…考え過ぎなんですよ…」 「伊織の写真が…世の中に…出るのは嫌なんだ! オレの所為で…伊織が晒し者になる… それは……自分が許せねぇ…程…嫌だ そして榊原の…家にも迷惑がかかる… そんな事…出来る訳ねぇじゃねぇかよ! 飛鳥井から出して…切るしかないと…想った… 別れて…やるのが…伊織の為なんだ…」 「僕と別れて…君は…生きられるのですか?」 「お前の想いさえあれば…オレは生きれる…」 「ならば、君と別れて…僕が…君以外の人と…恋人になっても、君は…許せるの?」 「…………!…くっ!…」 康太は…唇を噛んだ… そんなの堪えられない… 伊織が…オレじゃない誰かと… 康太は…唇を噛み切った… それは……許したくない… でも…そんな権利…ないのも知ってる… …………エゴだって…解っている! でも………誰かに…渡すのは…嫌だった 康太は…自分の唇を噛み切って…瞳を閉じていた… 結局…こんな姿を見たら…許してしまうしかない… 「……僕は…君以外の…ものになってしまうんですよ? 僕の実家はこんなに近くに有るんですから… 見なくても……知ることになりますよ?」 でも…少しだけ…意地悪しなきゃ… 別れ話を…本人のいない場所で…進めるなんて… 「…伊織…」 康太は瞳を見開いて…涙を溢れさせた 榊原が……他の誰かのモノに? ……………許せるのか…オレは! 「……嫌だ……お前が…オレ以外を…抱くなんて…許したくない!」 「別れる君には…権利はないですよ?」 「………っ!…」 康太は…自分の膝に…顔を埋め…体を丸めて…震えていた こんなに…耐えて…苦しむのに… 君は…僕を守る為に……苦しむんだね 榊原は康太を抱き上げ…膝の上に乗せた 「闘う約束は…どうなりましたか?」 康太は…目を開け…榊原を見た 「…僕を…手離さない為に…闘うと…約束しませんでしたか?」 「伊織…」 トロッと康太の唇から…血が流れた… 榊原はその血を舐め… 「康太に問います!これが最後の質問です! 君の答えによっては…離してあげます 永久にね…来世も…神に戻っても…離れてあげます…! 僕と…別れたいのですか?答えない康太!」 永久に…来世も…神に戻っても…別れままま… 康太には…絶望しか残らない… 「………別れたくはねぇ…… 永久に…お前を失って…生きられはしない そしたら…オレは自分を昇華する…」 「…愛している…は?」 「愛している…伊織…」 「僕も愛してますよ…奥さん… 離婚を突き付けられて…僕は死にそうでしたよ?」 「……ごめん…でもお前を守りたかったんだ…」 「君と別れてまで…守られたくはない! スキャンダルが出るなら…出れば良い… 僕は逃げも隠れもしません!」 「…榊原に詫びに行かねぇとな…」 康太は涙を流して呟いた 「……康太…僕と別れるなんて…言う子にはお仕置きです」 榊原は康太の服を脱がせ…全裸にした… 「僕と別れて…この体を…誰かに与えるつもりでしたか?」 康太は…首をふった 「簡単にイケるとは想わないで下さいね…」 「………伊織の気のすむまで…して良い…」 「ならば、これを飲みなさい…」 榊原は康太に…小瓶を渡した… 康太は…何度も飲まされた小瓶を手に取り…飲んだ 媚薬… 飲めば…暫くしたら…ジリジリと康太の体を…収まらない欲望で埋めつくし…蝕む 感じ過ぎると……快感は…痛みを伴う… 汗が溢れだし…痛い程…敏感になる肌を触られると…痛いのだ… 康太は躊躇する事なく…媚薬を飲んだ 「…良い子です…簡単に抱いて貰えるとは…思ってないですよね…?」 榊原は…バイブを取り出すと…康太を見詰めた 榊原は媚薬を飲み…赤く色ずく…康太を見ていた スーツは脱がず…康太に…触る 乳首は…尖って立ち上がり…性器も…立ち上がっていた… 榊原は康太を俯せにして…お尻を突き出させると… ローションを垂らして…バイブを…挿れた アナルバンドで固定して…外せなくする そしてスイッチを入れると…康太の中で… バイブは…振動して…掻き回す… 機械的な…動きが…康太を惨めにさせた 体躯は…火が着き…燃え上がる… 心は…冷めて…絶望を覚える… 「…伊織…」 康太は榊原の名を呼んだ… これは……お仕置きなのだ… 自分に言い聞かす… 下手したら…榊原は…抱いてくれないかも知れない… 怒っていた… そんな時の…榊原は放置する… 簡単には許しては貰えない… 榊原は……康太をそのままに…部屋を出て行った やはり……許しては貰えないのか… 康太は…絶望して…感じていた こんな機械に…苛められ…仰け反る… 榊原の熱く滾る…肉棒が欲しい… 開いたカリで掻き回されたい… これは……伊織の… 伊織の… 伊織の… 康太は…何度もバイブでイカされ…気絶した 部屋を出た榊原は…一生に電話を入れた 康太のスキャンダルを調べてくれと頼み 父親の所へ…電話を入れた 「父さん…康太が…別れようと言い出したんです…」 『え!君…何かしましたか?』 やはりそう返って来るのか…と苦笑した 「康太のスキャンダルが出るそうです… 康太は…自分の事は…見えません… 弥勒辺りから…来たんでしょうね スキャンダルは…康太の恋人の…僕を狙ってるそうで… 榊原の両親の仕事も…僕の生活も…壊してしまうから…別れて… 飛鳥井の副社長の席も…解雇して… 僕の軌跡を…総て消しす為に…康太は…別れると言い出したのです…」 清四郎は…言葉もなかった… 伊織を守る為に…別れる… あんなに愛して…命懸けで…愛している…榊原と… 榊原を守る為に…別れる…と言うのか… 『…私は…お前が康太を選んだ時点で… 覚悟は出来てます! お前が飛鳥井康太と…恋人同士だからと言って…恥じはしない…』 「でも康太は…僕達を…奇異な瞳から守りたかったんでしょうね… ずっと…そんな瞳で見られて来た康太だから…そんな瞳で…見られる…僕達を…危惧したんでしょ?」 『伊織…康太と…別れらのですか…』 「まさか…僕は手放しませんよ! でも父さん達には…ご迷惑をかけます… 最悪…戸籍を…抜いて戴いて…構いません」 榊原が謂うと清四郎は静かに 『伊織、お前は私と真矢の子だ! 今までも…この先も…お前の命が尽きるまで…お前は私達の子供だ! 戸籍など抜きはしません! 私達の事は…気にしなくて良い… 康太は…?』と語った 別れ話を切り出して…普通でなどいられはしないだろ? 「今…お仕置き中です…数時間は…来ても出れませんよ?」 『伊織…康太を虐めないで…あげて下さい 君の事を想えば…なんですよ? 康太の想いは何時も…君や仲間や家族や…私達の事ばかり…』 「解ってますよ…父さん… でもお仕置きしとかないとね… 大丈夫です。優しく抱いてやりますから」 榊原はそう言い…電話を切った 榊原は戸浪と三木に…電話を入れた 今日康太は…二人に逢う…予定だったから 「若旦那…今日は康太は…そちらへは行けません…」と榊原は丁寧に謝った 戸浪は…理由を聞かせて下さい…と榊原に尋ねた 榊原は、康太が別れを切り出してるので…話し合わねばならないので…と丁寧に断り電話を切った 三木にも同じ様に…理由を話して…今度また…と、電話を切った 電話を切ると…電源を落とした 邪魔など…されたくもないから… 部屋に戻ると…康太は気絶をしていた 「本当に…君はバイブが嫌いですね…」 康太は機械の震動が嫌いだ… 榊原のもたらす熱が…好きなのだ… 榊原の……肉棒なら…咥えて離さないのに… 榊原はスーツを脱ぎ…全裸になると… 康太のバイブを外した 中から…抜くと…康太は身震いをした 穴は…吐き出すかのように…動かない 康太を抱き上げ…体の上を跨がらせ… 穴を狙い撃ちして貫く… ゆっくりと抽挿を繰り返すと…康太の腸壁は…戦慄き…蠢き始めた 榊原のカタチに搦み着く…腸壁… 離したくないと…搦み着き…蠢き煽動する 康太が…榊原の感触に…目を醒ました… 目を開けると…榊原が康太を抱いていた… 「伊織…嘘…何で…?」 「何で…って、恋人を抱いて…いけませんか?」 「バイブで…ずっとかと…お仕置きだから…」 「君は…バイブは嫌でしょ?」 康太は頷いた 暖かさもない…機械の冷たさが伝わる器具で…感じるのも嫌だった 「僕のが…好きなんですよね?」 「好き……伊織の…カタチじゃないとイケない…」 康太の中の…榊原が、グンッと嵩を増した… 「あぁっ…伊織の…太い…」 「好きでしょ?…君が搦みついて離れません…」 「伊織…愛してる…」 康太の腕が…榊原に絡まる… 「愛してます…君だけを…愛してる」 「でも…お仕置きだから、我慢出来る…」 「気絶してて?無理でしょ?」 康太の瞳は…悲しげに翳った 「……お仕置きも…ちゃんと出来ねぇ…」 「僕を食べなさい。好きでしょ?」 「好き…伊織のしか…要らない…ぁ…大きい…」 ドックン…と康太の中で…脈打つ…榊原の存在に…康太は…身震いをした… 「ぁぁ…直ぐに来ちゃう…ぁん…激しく動かさないでぇ…」 媚薬の残った体躯には…少しの刺激が…快感に変換されてしまっていた… 「伊織の…ピクピク…凄い…」 康太は感じ過ぎると…舌っ足らずになる まるで子供の様な…口調になる… 「ぁん…あぁ…イッちゃう…伊織…助けてぇ……」 「イキなさい…何回でも…イッて良いですよ?」 榊原は…康太が気絶するまで…抱き続けた 康太は榊原に抱かれ…幾度も絶頂を迎えた… もう精液が出なくなっての…絶頂は… 意識を朦朧とさせて…気絶させた 気絶した康太を抱き上げ…浴室に連れて行き… 体を洗う… 中から精液を掻き出し…綺麗にして… 浴槽に康太を抱いたまま入った 康太の意識は戻らず…榊原は体を拭いて… 髪を乾かし…ベッドに寝かせた 榊原は寝室の鍵を開け… 榊原は服を着て…康太の横に入った 抱き締めると…康太は…榊原に擦り寄った 無意識に…康太は榊原に擦り寄る… こんな愛しい…康太を手放せる筈など…ないのだ 暫くすると…ドアがノックされた… 「どうぞ!」と榊原が言うと 一生や聡一郎、慎一に力哉が顔を出した そして、瑛太に…栗田、恵太、蒼太…戸浪に三木… 清四郎、真矢、笙まで…顔を出していた 「一生…リビングに…。慎一、お茶をお出しして!」 一生は皆を…リビングに行かせ、慎一は皆にお茶と茶菓子を出した 榊原は、康太に服を着せ…抱き上げて…リビングに、向かった 目が醒めた時に…榊原を探して…全裸で…来そうだから… 康太は…榊原に抱き締められて…眠っていた 正確には…気絶していた 瑛太が「康太は?」と聞くと 「気絶してます!媚薬を使いましたからね… 引かない快感に…気を失うしなうしか、ないでしょ?」とサラッと言った 笙は「媚薬…」と唖然とした 「媚薬やコスプレ…緊縛は僕の趣味です 後、色んなバイブとか…康太の使うのは…趣味なんですよ」と悪びれる事なく言う 清四郎は目眩を覚えた 夫婦生活に…介入する気はないけど… 「康太の嫌がる事は…止めなさい…」とついつい言ってしまうのだ… 「大丈夫です!僕達には愛があります!」 もう何も言うな…と言う事だった 仕方なく一生は 「旦那は…本当に康太の嫌がる事はしねぇから…安心しろよ…な?」と慰めるしかなかった 聡一郎は 「伊織にされて…嫌な事なんて…康太にはない! 嫌なのは…伊織じゃない奴に…触られる事だけだ! 康太は…服の上からでも…触られるのを嫌がる… 本当に嫌なら…触らせさえしない! それが康太です!」と叫んだ 一生は聡一郎を、抱き締めた 眠っていた康太が…目を醒ました 「聡一郎…泣くな…」と聡一郎に声をかける 目を開けて…瑛太や榊原の家族や…その他の人達に…康太は驚いて…榊原に縋り着いた 「伊織…」 「君が…別れ話をするから…皆心配して来てしまったじゃないですか…」 「だって…伊織…」 康太が榊原の首に腕を回し…抱き着いた… 「解ってますよ…僕の為…榊原の家族の為…なんでしょ? でも榊原の家族は君と別れても喜びませんよ? 僕の母の想いは…大空と太陽に…託されてませんか?」 「………!…っ!…」 康太は榊原に強く抱き着いた… 康太の肩が…震えていた… 聡一郎は「何処の情報で…スキャンダルが流れると…言うのですか…?」と康太に訪ねた 聡一郎が調べた範囲では出なかった 清四郎は「スキャンダルが出るのは…私の耳にも入ってますよ?」と康太に言った 「伊織から聞く前に…相賀が…私に話してくれました… 伊織が…標的に…されるかも知れない…と、教えて貰いました… 真矢には話してあります… 私達は話し合った…話し合って…伊織が…晒し者になっても…覚悟を決めようと…腹を括りました! 君達二人を支えます!この命に変えても… 君達二人を守ると…誓ったのです… 別れる必要なんて有りません!」と清四郎は言い切った 康太は顔を上げ…清四郎を見た 「清四郎さん…申し訳ありません…オレの所為で…」 「気にしなくて良いです! 飛鳥井家の真贋の伴侶になった時点で…覚悟はしてました! 君が歩みを止めぬなら…何時か…伊織の存在が…引きずり出される時が来る… 参考人招致の時に…伊織の姿を…テレビで流される…筈だった それが遅くなっただけの話… 君は気にしなくて良いです…別れなくて良い 君と別れて…ロボットの様になった息子を返されても困ります!」 「清四郎さん…」 「伊織は…飛鳥井康太の伴侶です! 君が…別れて…事実を隠して…守って貰ってもらいたくなんかないです!」 榊原は康太を抱き締めた 「伊織にしても覚悟なんて出来てるんですよ スキャンダルで晒されて…全国的に…飛鳥井康太の恋人と…言われれば公認になって…安心だ…位にしか想ってません!」 清四郎は言い切った 「解りましたか?父さん…流石です 僕は隠す気なんて…皆無です! 奇異な瞳で…見られる…? 別に構いませんよ?今に始まってませんからね… 昔から…人を見下すのが…癖でしたからね… ズバッと言うと…怪異な瞳で見られてたので…今更でしょ?」 と榊原は引かなかった 「僕を見る…他人の瞳は…怪異ではなく 畏れですかね…? どっちにしろ…今更でしょ? ねぇ、母さん…そうですよね?」 真矢は溜め息を着いて 「そうね。伊織は…冷めた…嫌味な子でしたものね 人に逢えば…嫌味の応酬…粗捜し…得意でしたね 何時の間にか…私は貴方を友人に紹介するのも止めたわ… でも今の伊織は…違う!康太が変えたのよ! 私は…息子を誇りに想います! 友人にも今なら逢わせられるわ! 今なら…気の効いた言葉の1つも言えるでしょ?」 「ええ。母さん!僕の康太は…フェミニストですからね! 女性に失礼な事を言うと…殴られます ですからね、母さん、口紅変えましたね? その色も…とても似合います…綺麗ですよ… なんて、心から言える様になりました」 「まぁ…伊織…」と真矢は嬉しそうに呟いた 清四郎が康太に 「康太…相賀が…この前君の見舞いに行った時に…決意を決めたそうですよ! 相賀、須賀直人、神野晟雅、安曇達也、戸浪海里、三木繁雄、蔵持善之助、飛鳥井瑛太… 彼等を巻き込み…記者会見をするそうですよ? その会見に私も出ます! そして…兵藤美緒も…加えろ!と脅して来てますから…入れます! 一条隼人も…康太の為に…出ます 笙も真矢も…君の為に出ます… 今夜…その会見を開きます…」 「清四郎さん!オレの為にしなくて良い!」 「いいえ!君だけの為じゃありません! 我が息子、榊原伊織の為でもあるのです!」 清四郎は言い切った 「清四郎さん…オレは…人に記者会見させて…隠れてるなんてしたくねぇ 記者会見をするなら…オレも出る…」 「父さん、僕もこの機会ですからね…顔を晒して…やる事にします! 康太が出るなら僕と同席します!」 榊原は言い切った! 康太は…全員を見て…口を開いた 「弥勒が…マスコミを使って…オレを陥れる…動きがあると…夜明け前に…伝えてくれた… オレを陥れるには……伴侶を晒す事になると…弥勒が言った… お主は…それに耐えられるのかと…聞かれた 弥勒と…後は何を話したか解らず…ベッドに入り…伊織に抱き着いた… そして考えるんだ…どうしたら良い…って自問自答すんだよ… でも答えなんて…出やしねぇ… でも答えは…解りきってる……伊織を守る… それは……飛鳥井康太と切り離すしかねぇ… 別れるしか…守れねぇ…と… 伊織の素性が解れば…清四郎さん達にも迷惑がかかる… オレは伊織の軌跡を消して…飛鳥井康太と関係なきものにするしか… 伊織を守れねぇと…思ってた…実際…別れる気だった… 別れられる筈なんかねぇのにな…」 康太は…榊原の胸に…顔を埋め…泣いていた 榊原と別れたとしても…守りたいと… 康太は言った… それしか守る方法なんかない…と、泣いた 守りたかったのだ… 榊原の未来を… 康太のスキャンダルで汚したくなんかなかったのだ… 康太の胸のうちを知れば…刹那くなる 榊原は手の中の康太を抱き締めた… ギューッって強く…抱き締めて…安心させてやる 三木が「何処の…奴等の企みですかね」と康太に声を掛けた 「飛鳥井家 真贋に致命的な…ダメージを食らわせ…潰す! そして二度と表舞台に出ない様に…トドメを刺す 飛鳥井康太を邪魔に思うは…周防か久音寺…辺りだ! だが…久音寺は飛鳥井には手は出さない! あの参考人招致の時に糾弾してた議員は…周防の手の者だった そして浪花の相場師…を裏で…糸引いていたのも…周防切嗣… 周防切嗣はオレの息の根を止めたいらしい… 探偵かなんか使って身辺調査をしてたみてぇだ…徹底的に飛鳥井康太の…身辺を洗って…弱味を掴む…! その上の参考人招致だった 参考人招致で、飛鳥井康太に…トドメを… 夢見てたのにな…伊織を連れて行かなかったから…向こうの思惑通りに行かなかった… 手駒も…消えてしまったしな… 潰すのは…今しかねぇとおもってるんだろ? 呪術屋に頼んでも…オレは死なねぇしな… なら、社会的に葬り去るしかねぇと踏んだんだろ?」 榊原は……だから、別れると…言ったのか… と康太の胸のうちを推し量った… 戸浪海里は康太に… 「何処の誰が…君を潰そうとしても、戸浪海里は君を生かし続ける! 飛鳥井康太を必要とする人間は多い! 君の歩みを止める人間がいるのなら…我等は…どんな手を使っても…排除する!」 と康太に宣言した 「若旦那…どうして…ここへ?」 「伊織から、今日は行けません…って電話があったので…何があったか…聞いたら 康太が別れを切り出してるので…と言ったので…駆け付けました 君が…伴侶に別れを告げるなんて…自ら命を断つ…様なものじゃないですか!」 と、戸浪は…康太に告げた 三木も康太に… 「俺も…伊織に今日の約束はキャンセルして下さい…と申し出があった 俺は…理由を聞いた…突然断る事なんて…なかった 伊織が…康太の予定に…口を挟む事もなかった… そしたら…康太が別れを切り出してるので…と伊織が言った 康太が…伊織を…自分の命より大切にしているのは…誰もが知っている事なのに… 別れ?そんな事態になったら…駆け付けない訳にいかないでしょ?」 「三木…すまなかった… 若旦那…心配を掛けた…」 康太は…深々と頭を下げた 三木は康太に…「周防切嗣…とは?どう言った方なのですか?」と尋ねた 戸浪が変わりに 「周防切嗣…と言うのは…関西圏の人間なら…知らない人はいないでしょう! 幾つかの会社を経営して…権力も財力も持つ人間です 政治家を…国会に送り込み…自分の有利な法案を通させる… 大阪にいながらにして…日本を動かしていた… だが…飛鳥井康太が真贋として頭角を現した頃から… 経済の流れも…政治の世界も…分散化させられ…融通が通らなくなった トナミも…参加に入れと…迫られた時期がありました… でもお断りしました…どんな手を使っても…潰そうとするのを…康太に救って貰いました… ですから…邪魔なんでしょうね…」 戸浪の説明に…皆は、果てしなくデカイ敵を…感じていた… だが…どんだけ敵がデカかろうが…怯む事は出来ない! 怯んだら…明日が…途端に消えて行くから… 康太は…榊原の胸に顔を埋め…瞳を閉じた 火の粉は…どんな手を使っても… 振り払う…! それがオレの…生きる定め… 康太は…覚悟を決めた… 「伊織…オレと心中してくれ…」 「良いですよ!君と一緒なら…この命…好きに使いなさい!」 榊原は康太を強く抱き締めた

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