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第61話 還る

病院の駐車場へ戻り車に乗り込むと… 一生も榊原の車に乗り込んだ 助手席に座る康太の…顔が…険しくなって行く… 康太は背筋が…寒くなって身震いした 「伊織…オレ家に帰りたくねぇかも…」 「康太?何がありました?」 「一生…!陵介いる…飛鳥井に来てる! アイツ痺れきらして…来やがった…」 一生は「ゲッ!まぢかよ!」と、やはり嫌な顔をした 榊原は……困っていた… 「どうします?ホテルに泊まりますか?」 このまま…飛鳥井に帰ったら…康太を盗られる… 榊原は不安だった… 「嫌…帰る…。時が来たのかも知れねぇしな」 榊原は、飛鳥井の家へ…車を走らせた 飛鳥井の家へ帰り、駐車場に車を停めると… 康太は飛鳥井の家の中へと入っていった 玄関で靴を脱ぐと…応接間から…飛び出して来た人間が康太に飛び付いた 「康太…何で大学に来ねぇんだよ! 日本に帰ってきてお前がいないから…俺は…俺は…待ちくたびれちまっただろ!」 榊原位の身長の痩せた男が…康太に縋り着いていた… 顔は…インテリが服着て歩いているみたいな 感じで、眼鏡をはめていた 「陵介…少し待て…応接間に入れ」 「嫌だ!お前逃げるし…」 「………ココ…オレんち…」 「大学来ねぇし…」 「乱世だ…陵介!大学に行く暇なんてねぇんだよ!」 「お前の為に帰って来たのに!」 「一生…陵介を引き離せ…」 康太に言われ…一生は陵介を引き離した 康太は榊原に手を伸ばすと…榊原は康太を抱き上げた 陵介は榊原を見上げ…そして気が付いた 「あ!榊原伊織!康太の初恋の人だ! 何で…康太を抱き上げてるんだよ?」 樋口陵介は訳の解らない感じで呟いた 榊原は応接間に行くと、康太を抱き上げたまま膝の上に乗せ…座った 榊原の膝の上に乗ったまま、康太は陵介に声をかけた 「オレの伴侶は榊原伊織、唯一人! オレは…伊織とこの飛鳥井で共に暮らしてる…」 康太に言われ…陵介は唖然とした 「嘘…実ったのかよ?」 「そう。晴れて…相思相愛…」 本当に嬉しそうに、康太は笑った 陵介は、その様子を見て、笑った 「お前が誰と付き合っていようが良い… 榊原伊織…俺は樋口陵介だ! 以後お見知りおきを! 康太とは親が知り合いで、物心付く頃からの付き合いだ! その一生より古い…付き合いだ! 俺は康太の為にアメリカに行きスキップしまくり、院まで卒業して…学位を取って、頭脳集団と言われる…企業で少し働いて…頃合いかと思い日本に帰ってきた 大学で待ってれば来るかと思えば来ねぇし… 新婚ラブラブで来なかったのかよ?」 陵介はブチブチ愚痴を溢した 「陵介…そんな甘いもんじゃねぇ… オレは死にかけたり…殺されかけたり… 大学どころの騒ぎじゃねぇ…」 康太は…スーツの上着を脱ぎ…Yシャツのボタンを外した… 露になった康太の胸には…ナイフで切り裂かれた跡が…いまだに生々しく残っていた 愛撫の跡も…凄いが…やはり生々しい刃物傷に目が行く… 「殺されかけたのか?」 「あぁ…でもオレは…殺されかけるより…強姦紛いの…行為が…死にてぇ程…だった」 「…………っ!許さねぇ!康太にこんな事する奴は…許しちゃおけねぇ!」 陵介は苦しそうに…叫んだ 榊原は…康太のYシャツのボタンを元に戻した 「陵介…怒るな…総て終わった事だ…」 「誰が!誰が康太に…こんな事をした!」 「盛田兼久と言う、オレが破滅に導いた奴と… 周防切嗣と言う…政財界に影響持つ…影のドンと言われる奴は…兄弟だ… 周防は子供が出来なかった周防の家に養子に出された子だ… 周防は…滅び行く事に堪え切れず…命を断った…盛田切嗣の亡骸に…飛鳥井康太への復讐を誓った… それが始まりだ…周防は…まだ諦めてはいない… そのうち…仕掛けてくる… 最後の大勝負に…何かを仕出かす… 気が抜けねぇんだよ! 大学に行ってる暇はまだねぇんだよ!」 「なら、俺も…お前の策士になる! 俺を育てたのはお前だ! お前の為だけに俺は帰って来た!」 「陵介…」 「俺を受け入れろ…康太… 俺はお前と共に行く! お前は俺と果てを行くと…約束したのを忘れたか?」 「忘れてねぇぜ…でも…この先の道は…乱世の真っ只中…オレは…戦国の世を…行くしかねぇんだ そんな中に…陵介お前を巻き込みたくない」 陵介は、はん!と鼻を鳴らした 「今更だよ康太! 昔からお前が行く所…嵐じゃねぇかよ それが戦国の世に変わっただけだろ? しかも…俺は表に立ちはしねぇ…俺のポジションは…裏だろ…? ならば共に行くしかねぇだろ? 俺は絶対に飛鳥井康太のブレーンだと…解らせては生きない! そう言ったのは誰だよ? 俺は常に情報の中にいる! お前の最高の駒となる! お前が放った駒の一人が還って来たんだ! 頃合いだ!康太 この地球上での情報は俺の手中にあると謂っても過言ではない! 情報や戦略を一手に集めて分析する 要は戦略と策士の一生と聡一郎の上を行く 二人の戦略と策を、もっと的確に、もっと正確に導いてやるの事が可能になる と、言うことで俺はお前の傍に住むぜ! 文句はねぇよな康太! 俺の家族はお前が殺したも同然! 俺の生きる場所はお前の傍しかねぇ! お前が俺の生活費を出してんじゃねぇのかよ? お前に還らなくて、どうするよ?」 「陵介…」 「何だよ!」 「お前…此処に来た時点で…裏には回れねぇぜ!」 「何でだよ!」 「その頭で考えてみろよ! 飛鳥井康太の立場をな!」 「………日本に帰って来て…その日が…飛鳥井康太の記者会見だった… お前の顔が…PCの中で…写し出されてた… だから、知ってるよお前の立場は…… 裏に行けねぇなら…堂々と…飛鳥井康太のモノだって知らしめてやるだけだ!気にするな!」 「………変わらねぇな…お前は…。」 康太は樋口陵介を見詰めた 果てまで…見透すかの様に…康太はその姿を見た… 「陵介…日本に帰って来た本当の目的は何だ?…」 「……お前の側に…還りたかった… それだけだ…お前の側でしか…もう生きたくねぇんだ…」 「オレが放った駒は三つ‥‥オレに還らなくても良いと放ったのにな‥‥」 「還るに決まってるじゃねぇかよ! どの駒もお前の傍じゃなきゃ生きられねぇよ!」 康太は陵介を貫き果てを視ていた そして口にする 「お前の子供は今どこにいる?」と。 陵介は観念した様に 「………京香が見てくれてる…」と答えた 「陵介…来い…」 康太が手を広げると…陵介は康太の胸に飛び込んできた… 康太に抱きついた…肩が…震えていた… 「陵介、お帰り!」 「康太…康太…!」 後はもう…言葉にならなくて…陵介は泣いていた 康太は陵介の背中を撫でた… 少し落ち着くと…陵介は康太の横に座った そして長かった時の話を始めた 「アメリカに行って直ぐ…俺は、大学でマリアンヌ…と言う、かなり資産家の娘と知り合った… 聡明で美しい彼女には…婚約者がいた だけど…彼女は俺と恋に落ち…交際を始めた 俺にとっては…初めての恋だった… マリアンヌを愛していた…夢中で…愛した… 彼女と一緒に暮らし…子供も儲けた… だが…彼女の家は…それを許しはしなかった 引き裂かれ…日本人との間に来た子供は不要だと…俺に寄越した だけど…彼女は…今年の始めに…飛行機事故で亡くなった… すると…今度は要らないと言った子供を寄越せ…と、勝手な事ばかり… あの国には…もういたくねぇ… お前の側に……還りたかったんだ!」 「陵介…ならば、オレがお前を守ってやる! お前と…お前の子供には…一切手は出させねぇ!約束してやる! それが、お前を天涯孤独にした、俺の罪滅ぼしだ…」 「罪滅ぼしで…守られたくなんかない! 今までくれたお前の愛が…総て…罪滅ぼしだなんて…思いたくもねぇよ!」 陵介は叫んだ… 振り絞る様に……叫んだ… 「お前から親を奪ったのは…オレだぜ!」 康太が呟くと… 「それでもだ…俺は…お前のものでいたいんだ…」 陵介は……康太を抱き締め…泣いていた 榊原は「康太…話してくれませんか?」と康太に問い掛けた 「陵介の親は…オレの駒だった… オレの為に動いてくれる存在だった 厄介な事件を追っていて‥‥後少しで尻尾を掴めると連絡が来た後で‥‥‥連絡を断った 次に連絡が来た時には‥陵介の両親は…自ら…心中とも思える事故で殺されていた オレは陵介を引き取り…飛鳥井に置いた 元々オレの駒だった家族だからな、顔は知っていたが‥それだけだった 中学に上がる前にコイツは天涯孤独になりオレは陵介を引き取り育てた 天才の名を欲しいままに…おだてられた子供は生意気でな…お灸を据えてやった 以来…陵介はオレの為に生きると約束した その頭脳を…遊ばせておくのもなんだから…アメリカに出した オレが…金を出し…代理の人間を立て…陵介のアメリカでの生活を確実なものにしてやった… まさかな…本当にオレに戻るとは…その時は思っちゃいなかった… オレは陵介が幸せに生きて行くなら…戻らなくても…それで良かった… アメリカでお前の道が出来るのなら…オレは、それで良かったんだよ…陵介!」 康太の想いが…流れ込んでくる… 「康太…俺は…親が死んでも…悲しくなんかなかった! でも…お前から離れて生きて行くのは…辛かった… もう…離れる気はねぇ…側にいさせてくれよ… 恋人との邪魔はしねぇ…だから……」 「陵介…」 「ダメだって言うんだろ?」 「違う!オレの伴侶はな……抱きたい時にはオレを抱く 誰が見てようが…関係なく…オレを抱く 強者だ…怯まねぇんだよ!」 康太はそう言い…笑った 「側にいて…良いのか?」 「オレは、お帰り…って言わなかったか?」 「言った…」 「なら、此処の傍に住めば良い!」 「康太…」 「近くにいるなら、オレの大切な奴等と仲良くなれ…」 陵介は「解った!」と立ち上がると…榊原の前に言った 「伴侶殿!」 「伊織で良いですよ?」 「なら、伊織…俺…傍に来ても良いかな?」 「君は帰って来たんでしょ? なら、お帰り陵介!」 榊原は立ち上がり…陵介を抱き締めた 陵介は言葉もなかった… 榊原が…一生に陵介を、渡す 一生は陵介の手を取ると… 「俺は知ってるよな?陵介」と問い掛けた 「緑川 一生!四宮聡一郎!は知っている… 俺がアメリカに行く前は…そんなに仲も良くなかったのに?」 「あれから、色々あったんだよ! まぁ追々解ると思う…なら、紹介するな、一条隼人だ!隼人は康太の宝だ…康太の懐に在る存在だ!」 紹介され…隼人は立ち上がり…陵介を抱き締めた 「オレ様は一条隼人だ!ヨロシクなのだ…」 「あ!ペプシのCMの…何で…此処に?」 陵介は…信じられなくて叫んだ… 康太は「隼人、ペプシのCMなんてしてんだ?」と呑気に問い掛けた 「した…世界同時配信のだ…やったのだ」 隼人と呑気に答えた 一生はキリがねぇ…と慎一の前に…連れていった 「緑川慎一だ!」 「双子?」 一生と慎一の酷似した姿に…陵介は問い掛けた 「母親も生まれた日も違うのに…双子とは言えねぇよな?慎一?」 「ええ。種は同じですがね…双子は無理が有りますね…」 と、一生も慎一も苦笑した 「慎一はな、康太を主と定め仕える人間だ! 康太の声しか聞かねぇ…康太のモノであれば…面倒は見るが…他は全く興味がねぇ…筋金入りだ!」 「宜しく陵介!緑川慎一です!」 慎一もそう言い…陵介を抱き締めた… 「聡一郎は知ってるよな?」 「………知ってる…でも、昔は…細くて綺麗だった…!」 その言葉に…聡一郎はブチッ…とブチ切れた 「悪かったですね!今はこんなにデカくなって…か弱い…華奢な奴じゃなくなって!」 「そうか。それが四宮聡一郎の姿だったんだ…あの頃の聡一郎の姿は…本来の姿じゃなかったんだ… 凄く良い…昔のお前より…今の方が…良い」 聡一郎は照れ臭く…陵介を抱き締めた 陵介は一生を見て… 「やはり一生は…康太と共にいたか…」 「………俺は…飛鳥井康太と…共に在る 俺の命を握るのは、飛鳥井康太…だからな!」 「…一生…俺の子供を連れてきてくれ… 康太に逢わせたい…頼めるか…」 一生は陵介をソファーに座らせると…応接間を出て行った 暫くすると…プラチナブロンドの…女の子と…プラチナブロンドの男の子が連れられて来た 「桜子と奏です…桜子、奏おいで…」 日本語で言われて…二人は陵介の側へと行った 「桜子が10才…そう…俺の子じゃない… でも戸籍は俺の子になってる 奏は4才…俺の子だ… 桜子も奏も…俺の大切な子供だ! 絶対に渡したくない!渡さない!」 陵介は二人の子供を…抱き締めて叫んだ… 康太は…陵介の手の中の…桜子の手を取ると…膝の上に乗せた 「桜子…お前の名前は…オレが着けた 陵介の子になるなるなら和名が必要だからと…言われて…オレが贈った名前だ…」 言われて桜子は康太を見上げた 綺麗な…蒼い…水晶玉みたいな瞳が…康太を見詰めた 「康太?」 桜子は康太の名を…呼んだ 「そう。オレが康太だ!」 桜子は…康太に抱きついた 「私は貴方に逢いたかった…」 康太の指が…プラチナブロンドの髪を掻き上げる… 妬く相手ではないと解っていても… チリチリと胸が焼き付く… 嫉妬だ… 自覚はあった… そんな自分に…榊原は嫌気が刺す… 「陵介、飛鳥井じゃ…桜子は…守れねぇな この側にマンションがある! セキュリティもそっちが確りしてる そっちに住むと良い…」 「この家では…ダメなのか?」 「桜子は…奪回すべく…狙われるぜ! セキュリティは必要なんだ… それでなくても…この容姿は…目立つ… 護衛を着けて…毎日見張る訳にもいかねぇしな…」 美しすぎる…子供がいれば… 噂は直ぐに回る… どうしたものか…と思案した その前に法律で…固めとかねぇとな…と呟き 「伊織、東青を呼び出……」 康太はやっと…榊原の不穏な空気を…解った! 慎一が慌てて…桜子を回収しに来た 一生は「天宮だな!俺が呼ぶ!」と叫んで…電話をした 康太は…榊原の膝の上に乗ると…榊原を抱き締めた 「伊織…」 名を呼ぶのに…榊原は康太を抱き締めなかった… 「一生…伊織と寝室に行く… 東青はゆっくり来れば良い…と言っといて…」 一生は「了解!」と言い電話をかけ直した 康太は…榊原の手を掴むと…榊原を立ち上がらせた そしてズンズン引き摺って…応接間を出て行った 康太は寝室に榊原を連れて行くと…ベッドに押し倒した 「伊織…どうしてオレを抱き締めねぇ?」 「康太…すみません…妬きました…」 「子供だろ?」 「それでも…プラチナブロンドの…あの子の髪を撫でる…君を見ると…胸が焼き付き…堪らなくなりました…」 「オレの愛するのは…お前だけなのに?」 「愛する男の焼きもちです…許しなさい…」 「許してるよ…でもな伊織…オレを抱き締めてもくれねぇのは許したくねぇんだよ…」 「康太!」 榊原は体の上に乗ってる康太を抱き締めると… グルん…とひっくり返り…康太を押し倒した… 息も着かない…接吻を康太に送り…服の中に…手を忍ばせた 「ぁ…んっ…んんっ…」 康太の唇から…喘ぎが漏れた… 榊原は……康太…康太…と魘された様に名を呼び…服の中に手を忍ばせた 「ねっ…伊織…服…脱がせて…熱い…」 康太が潤んだ瞳で…見詰めて来る… 榊原は康太の服を…脱がした…全裸にすると… 立ち上がり…自分の服を脱ぎ捨てて行く… 康太は…露になる榊原の姿を…欲情した瞳で見詰めていた… 均整の取れた体が…康太を抱き締める… 康太は榊原の背中に腕を回し抱き締めた 「伊織…愛してる」 「僕も愛してます…」 後はもう……言葉は続かなかった… 互いの体を…まずは触り…貪る接吻をした 互いの体の熱で…肌が汗ばむ… 康太は…熱く…勃起した性器を…榊原の腹に擦り付けた… 「ねっ…もぉ…伊織…ぁん…」 「…飲みますか?」 「飲みたい…伊織の…飲む…」 榊原は寝そべると…康太の体を…上に乗せた… そして…康太のお尻を…向けさせて… 康太のお尻を穴を…押し開いた… 康太は…榊原の肉棒を掴み…舐めた… ペロペロ舐めてから…カリを軽く齧り… イボイボを逆撫でた イキそうになるのを堪え…榊原は康太の… 綺麗な…皺に…接吻をした 「ぁん…やぁ…汚ない…ってばぁ…」 「僕の康太に汚ない所なんてないです… 下のお口は…物欲しげに…動いてますよ?」 「ゃあ…言わないでぇ…あぁっ…伊織…!」 榊原は康太の穴に舌を挿し込んだ… 皺を伸ばし…広げて…指を挿し込むと…康太の腸壁は…歓喜して蠢いた 康太は…榊原の陰嚢を、やんわり揉むと… 榊原の傘は最大限開き… 亀頭の口は開き…愛液で濡れていた 亀頭を口に咥え…吸うと…榊原は… 「康太!イキます…っ…アァ…」 康太の口じゃあ受け止められない程の… 夥しい量の…精液が…榊原の亀頭から…吹き出た… 康太はそれを飲み干し…口を拭った 「伊織、1つに繋がろ…オレとお前と隙間なく…繋がり…1つになろ…来いよ…オレの中に!」 康太しか吐かない台詞… 榊原は康太を膝の上に…乗せた 康太の腕が榊原に搦まり…抱きし寄せる 「康太…挿れます……息を吐いてて…」 康太が息を吐き出すと…一気に貫いた ドクドクと脈打つ…榊原の肉棒が…康太の中へ入って行く 「ぁっ…イイっ…伊織が入って…来る…ぅん…あぁん…そこ…擦って…」 康太が仰け反り…言うと 榊原はその首を吸い上げた 康太の肉体を…榊原の肉棒が擦って行く 血管が浮き出た…赤黒い…肉棒が康太の中を出入りするたびに…快感に貫かれる… 体内にいる榊原の存在が愛しくて…康太は締め付けた… 榊原のカタチに…纏わり着いて…搦めて行く 密着した腸壁が…榊原のカリのイボイボに引っ掛かると… 康太は射精した 榊原は康太の…締め付けに…不本意にもイカされ…康太の中へ…精液を撒き散らした… 「ぁ…康太…緩めて…」 熱い液体が…康太の腸壁に…掛けられた 射精の…振動が…康太の腸壁を敏感にする… ピクピクする…この刺激が…康太は大好きだった 榊原が康太の腸壁に感じて震える…その肉棒が愛しくて…締め付けてしまう 自分の体で…榊原が感じてくれている… それだけで…堪らない… それだけで体の細胞の総てが歓喜する 自分の体で…榊原を喜ばせれるならば… なんだってする… 榊原の愛を…感じていられるなら… なんだってする… 愛してる… 愛してる… 愛してる… 言葉じゃ言い尽くせない… 愛して… 愛して… 愛して…伊織… オレを愛して… オレを感じて… オレで…イッて… 康太の願いだった… 「伊織…愛してる…」 「僕も…君だけを愛しています」 終わらない熱に翻弄される 康太は榊原の背を…抱き締めた 疲れ果て…息を整えて…榊原の胸に顔を擦り寄せた 「伊織…東青…来てるかな?」 「…来てるかも知れませんね…… 止まりませんでしたからね… 支度して行きますか?」 「…だな…。風呂にはいろう 洗ってくれよぉ伊織…」 榊原は笑って…良いですよ…と答えた 榊原の笑いで…胸が震える… 榊原の息遣いでさえ…愛しい… オレの愛する男… 康太は榊原の胸に顔を埋め…抱き着いた 「康太?どうしました?」 「伊織が好き…伊織の総てが愛しい… 伊織が喜ぶなら…オレは…何でもしてやりてぇ… 伊織と離れるなら…オレは死ぬ…」 榊原は康太を抱き締めた 「康太…どうしました? そんな嬉しいこと言われたら…嬉しすぎて… どうして良いか…解りません…」 「伊織…」 「康太…」 榊原は康太の唇に…接吻を落とした… 「行かないと…焦れて来ますよ?」 康太は榊原の上から降りた 浴室に入って…体を洗い、中を掻き出して貰って…浴槽に入った 浴室から出ると、榊原に支度をしてもらい 榊原の支度を待った 大好きな榊原を…康太は見詰める ストイックに身に付ける…服の着こなしすらも…愛しい男は…然り気無く格好良く 康太は…榊原の総てを愛して… 総てに…惚れていた 着替えて康太を見る榊原の、優しい瞳が好きだ… この人に…愛されて… 本当に良かった… 康太は榊原に腕を伸ばし…抱き上げてもらった 「愛してる…伊織…」 「康太、僕も愛してますよ」 榊原の首に腕を回し…噛み締める… 「オレのだから…誰にも…渡しはしねぇ」 「当たり前でしょ!僕は康太だけのものです」 榊原は力強い腕で康太を抱き締め 一階の応接間に向かった 応接間に行くと、天宮東青が…待ち構えていた 康太を何時もの席に座らせると、榊原はその横に座った 「悪かったな東青…呼んだのに…待たせた」 「構いません!貴方が呼べば、総てを優先にして、私は駆け付けます! 待つのも苦ではありません、貴方を待つ間に…一生達から話は聞きました! 貴方の側にいる人間が…無駄に私を待たせてるとお思いですか?」 「なら、話は早えーな! この娘は桜子って言う… 資産家の娘だ…目の色変えて…争奪戦に突入するのに巻き込みたくはねぇ… 総ての財産は…桜子に渡す…なんて遺言が見付かってるからな…すげえぜ! 形振り構わず…来るぜ… その前に手を打て…頼むな…」 「この子の…戸籍を取って…調べあげてみます! そして両方の法律にのって取って…対処出来る様に…必ずしてみます!」 天宮の言葉に…康太は頷いた 「康太…この子は…総てが片付くまで… 綺麗の施設に入れられたら、どうですか? 命を狙われるなら……隠した方が…」 「連れて行ってくれるか?」 「はい!連れて行きます!」 「なら…家から出る時から…用心した方が良いかもな…」 「………そう来ますか…」 「…多分…」 「ならば…此方も…綺麗に秘密裏に動いてもらいましょう」 天宮は携帯を取り出すと…廊下へと出た 康太は…果てを見詰め…微動だにしなかった 天宮が戻ると、総ての手筈が整えられていた 「康太、総ては貴方の想いのままに…」 天宮は康太に深々と頭を下げた 「陵介、桜子と奏を天宮の妻の研究所へ預ける! その施設は…外部の侵入や介入は…一切出来はしねぇ! 総てがカタ着けば帰ってくる…だから、それまでお前は此処にいて…働け!良いな!」 陵介は覚悟の瞳で康太を見て…頷いた 「お前が言う事なら…俺は聞く!」 暫くすると…飛鳥井の駐車場にトラックが一台停まった そのトラックから綺麗が降りると… 飛鳥井の家の中へと入っていった 「康太、お久し振りです! その子ですか?」 「そうだ!頼めるか?」 「飛鳥井家 真贋 貴方の頼みを聞かずに…一族を名乗れますか! 我は飛鳥井の一族の誇りまでは捨ててはおらぬ! 貴方の頼みなら…この綺麗…何としてでと完遂いたします!」 綺麗が手を上げると…控えていた人間が… 桜子と奏を荷物の中へ…入れた 綺麗は不敵に笑い… 「総てが…貴方の想いのままにカタが着きます様に…この綺麗、祈っております!」 康太は優しく笑って 「ありがとう綺麗…」と、応え…綺麗を抱き締めた 綺麗は、桜子と奏をトラックに…運び込むと… 康太から離れた 「では、また!」 綺麗はそう言い、応接間を出て行った 天宮も、その後を追うように、事務所へ戻り…仕事に始めると約束してくれた 誰もいなくなると…慎一は康太の前に…食事を置いた 康太はソファーから降りて…テーブルの前に降りて…食事を始めた 沢庵をポリポリ食べて…ガツガツご飯を食べた 「一生、来週から大学に顔を出すとするか?」 康太が…突然突拍子もない事を言うから… 一生は…本気かよ…と呟いた ポリっと沢庵を奥歯で噛み 「本気だよ!当分大学優先にするかんな!」 榊原も「何故…突然…?」と康太に問いただした 「逃げてる理由が目の前にいるんだぜ! 行かねぇ理由は…もうねぇだろ?」 そう言い康太不敵に笑った そう言われれば…もぉ…なにも言えなかった 康太の言葉に陵介は…頬を膨らませ… 「やっぱ逃げてたのかよ?」と呟いた 「陵介…お前に逢えば…乱世がデカくなる お前を懐に入れ…使うなら…デケぇ花火を打ち上げたくなるかんな!」 康太はそう言い苦笑した 食事を終えると康太は榊原に向かえ合わせに膝の上に乗り…甘えた 「伊織…」 「康太…」 名前を呼び合い…抱き合う二人を…一生達は気にする風でもなく… 当たり前の様に…二人は抱き合っていた 陵介は目のやり場に…困った… 多分…皆に取ったら…この風景は日常の一部なんだ… 二人が…一緒にいるなら…安心出来る… そんな願いが…陵介にも伝わっていた でも…少しだけ…一生に愚痴を言う 「何時もか…これ……」 「何時もだ…始めねぇだけ…良いと思っとけ」 「……まさか…人前で……」 「誰が見てようが…伊織は欲しい時は抱く…って康太は言ってなかったかよ?」 「…言ってた…」 「伊織にとって…見てようが…誰がいようが…関係ねぇんだよ…欲しい時は…康太を抱く…」 「…解った…共に行くなら…それ等も込みで受け入れるしかねぇって言うんだろ?」 「そうだ…だから、俺等はなにも言わねぇ 康太が旦那といるなら…安心出来る… 康太が旦那を振り切って行く時…その命…投げ出す覚悟だ… そんな時…康太は俺等も……連れて行かねぇ… それを想えば…旦那に甘えてる位…許せる… 陵介…お前も共に行くなら解る…」 「一生…」 陵介は…後は言葉にならなかった 共に歩いて来たから…言える台詞だったから… ならば…自分も康太と共に行こう… そう心に誓った 共に在らん事を願う… この先も…君と共に… 在らん事を願う 喩え苦しい道だって… 逃げ道は用意しない… 決めた道を…行くのなら… 共に行こうと想う… 一人では進めない道だって… 君となら歩いて行ける… だから……君へと続く道を… 我等は…共に行く…

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