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第63話 猫

榊原は寝室に康太を連れて行くと、ベッドの上に康太を座らせた 「脱ぎますか?」 「自分でやる。伊織はスーツに着替えねぇとな…」 康太が見上げると… 榊原は康太の頬に…手を掛けた 康太が…榊原の手に擦り寄って来る… そんな些細な…事さえも…榊原には 愛しさが込み上げて来る… 愛しい… 愛しくて…堪らない… どうしてこんなに…愛しいのか… 榊原は、康太の唇に… 唇を重ねた… 「んっ…伊織…ダメ…」 キスの合間に…康太が言うと… 榊原は残念そうに唇を離した 「伊織の帰りを待ってる…」 「ええ…早く帰ります…待ってて下さい」 「ん。待ってるかんな!」 榊原は康太をギューと抱き締めると… 想いを断つように…体を離した… そして寝室から出て…扉を閉めた 康太は榊原をずっと見詰めていた 愛する男を…見詰めて…見送った 榊原が玄関を出て行くと、一生は康太の部屋へやって来た 手には紙袋が下げられ…一生はそれを康太に渡した 康太はそれを受けとり 「ありがとう一生!」と言い笑った 一生は呆れて… 「絶対に旦那が喜びまくるぜ…」と呟いた 「そうかな?で、一生は何を買ってきてくれたんだよ?」 一生は意地悪な顔をして 「見れば解る…」と返した 康太は…紙袋の中を見て……… 「嘘ぉぉぉぉぉぉ!」と叫んだ 康太の手には…猫耳が握られていた 「メイドさんじゃねぇのかよ?」 康太が情けなく聞く 「可愛い猫で旦那をお出迎えしろよ! 可愛がってくれるぜ!」 一生は想像してげんなり…呟いた 榊原が帰って来て……… 猫姿の康太なんて見たら…もぉ押し倒して… 大変だろうな… 「一生…」 「あんだよ?」 「これは……お前の趣味か?」 康太に言われて…一生は…なっ!と康太を見た 康太は意地悪な顔して笑っていた 「違げぇよ!俺はノーマルだ! 旦那と一緒にすんな!旦那の好みでチョイスしてやったんだろうが!」 「一生…」 「あんだよ?」 「そこら辺の猫と…オレ…どっちが可愛い?」 一生は…うっ!と詰まった… 「それを答えろと言うのかよ?」 「そう!答えろよ!一生♪」 「そこら辺の…猫…」 康太は一生の背中を蹴りあげた 「痛てぇじゃねぇかよ!」 「伊織ならオレって言うぜ!」 「なら、旦那に聞け!俺に聞くな!」 一生は叫んだ! 「怒るな…一生。」 「怒ってねぇよ…」 「さてと、オレは猫になるかんな! 一生は帰って良いぞ!」 一生は…疲れた顔して…はいはい…答えて部屋を出て行った 康太はクローゼットの扉を開き、鏡を見ながら、猫に変身する 猫のモコモコの服を着る 着ぐるみみないな繋ぎになった服は…猫の柄になっていた 何処から見ても…猫だった 尻尾も…服に着いてて…ゆらゆら揺れてる 康太は猫耳のカチューシャを着けると、鏡で確認した そして肉球手袋を嵌めて…肉球靴下を履いた 康太は満足な顔をして微笑むと… 応接間に行き…榊原が帰ってくるのを待った 喜んでくれるかな… 気に入ってくれるかな… 榊原の気に入る…猫なら良い… リアクションもなかったら… 泣くかも知れない… 愛する男の為だけにする……コスプレ 愛してくれるなら… どんな努力もする だから……オレを愛して… オレを愛して…伊織… 仕事から帰って来た榊原は、真っ直ぐに康太の待つ寝室に向かった 脇目もふらず…寝室のドアを開けると… ベッドの上は…もぬけの殻だった 榊原は慌てて…寝室を出た 浴室やトイレを覗き……見付からないと… 寝室を出た リビングを確認して…いなければ… 一生に聞きに行って……思案する そんな榊原の目の前に… リビングのソファーに丸く寝る猫の姿が目に入った すやすや…気持ち良さげに眠るその姿に… 「……っ!…」 下半身を…直撃され…榊原は息を飲んだ 「康太…!」 榊原が声を掛けると…康太は目を醒ました… ゆっくりと体を起こし…猫の様なしなやかさで…四つん這いになると…榊原を見た 「伊織…お帰りだにゃ~」 康太の…言葉に…榊原は康太を抱き上げた 「君…どうしてこんな姿に…?」 榊原は信じられなかった 可愛すぎる猫が…リビングに寝ていた 榊原の愛の詰まった…可愛い猫が… 目の前に…現れた… 信じられない想いで寝室のベッドの上に置くと…鍵を閉めた 榊原はスーツを脱ぐと…ベッドの横の椅子に引っ掛けた 全裸になると…猫に…近寄った 「触って…良い?」 榊原が聞くと……猫は笑って頷いた 猫の肉球が榊原の頬を撫でる… 「にゃ~拾ってにゃ~」 「それを僕以外にやったら…殺しますよ!」 榊原が……嫉妬に燃えた瞳で康太を見る 「伊織限定だにゃ~」 「なら…許してあげます…」 「オレ、可愛いにゃ~?」 「可愛いですよ…当たり前でしょ…僕の…愛する…君が可愛くない訳ないでしょ!」 「一生は、そこら辺の猫の方が可愛いって言ったぜ!」 康太が笑う 「僕には君が一番可愛いので…それで手を打ちなさい!」 「にゃ~なら、愛して…」 その言葉が…合図となり…榊原は猫を押し倒した 激しい接吻に…康太が…声を漏らす 「あん…んっ…ぁ…あぁ…伊織…」 榊原を触る…康太の肉球を…榊原は外した 肉球の靴下も外し…猫の服も…榊原は脱がした 猫耳のカチューシャだけ残し… 榊原は服を脱がして行く 榊原の性器は既に勃っていた… 康太の性器も同じ様に…勃ち上がっていた 亀頭の先から…熱い滴が…溢れ出すのが…解った… 「伊織…中が止まらねぇ…欲しい…」 「…ぁ…康太…僕も欲しい…君の中に入れなければ…狂います…」 榊原の指が…康太の穴の中へ潜り込む… 中を掻き回し…腸壁を触ると…その刺激に…康太は仰け反った 四つん這いになり…康太は榊原の肉棒目掛けて…這って行く 本当の猫の様に…撓って獲物を狙っていた… 榊原は苦笑して…穴を解した… 康太は榊原の熱く滾る肉棒を掴むと…口を開き…咥えた 「伊織のミルク…飲みたい…にゃん…」 上目遣いでペロペロ舐め…榊原を見る… 榊原はそれで…その刺激だけで… 巧みな…舌技に榊原は翻弄され… 康太の口の中に…精を解き放ってしまった 康太は口から流れ出る…白濁を飲み干すと…榊原の膝の上に乗った 「伊織…抱き締めて…お前のものにして…」 榊原は康太の望むまま…抱き締めてやると…熱く滾る肉棒を康太の穴の中へ…埋め込んだ… ギチギチと伸びる襞が…榊原を飲み込んで行く 「ゃ…伊織…キツイ…ん…助けて…」 一度吐精しても…榊原の熱は引かない… それどころか…更に熱く硬く…聳え勃って行く 榊原は康太に…息も着かない接吻を送り…下から貫いた そして、何度も抽挿を繰り返すと…体は弛緩してきて…快感を…与える 「うぅん…イイっ…あぁん…ゃ…そこ…」 康太の腰が…イイ場所を擦る 自分で…榊原の肉棒を翻弄して…イイ場所を擦り付け…快感を求める 気を抜くと…持って行かれる… 榊原は腰を早めた… 康太に中へ打ち付ける… ぐちゅぐちゅ…ぬちゃぬちゃ…湿った音と…喘ぎ声が…部屋に響く 榊原は康太を思いっきり抱き締めた 肩に顔を埋め…肩に…噛みついた… 「っ…てぇ…あぁっ…イクッ…」 痛みさえ…快感に変換されてしまう… 康太は…噛まれた刺激で…射精した… 榊原の腹に…熱い…精液を…飛ばした 榊原は康太の中に…止めどなく溢れる精液を…掛けた はぁ…はぁ… はぁ…はぁ… 荒い息を吐く…榊原は康太を離さない 康太は…体内に…収まる榊原を優しく包んだ 蠢く腸壁が榊原を育てる… 「にゃ~」 「まだ…欲しいですか…ミルク?」 「にゃ~ 欲しい…やっ!ダメぇ…」 康太は…押し倒され…足を抱えられた 開かれた…足の間に… 深々と榊原を食い込んだ穴が…丸見えになる 榊原はまじまじと…それを見つめ… 結合部分を指で撫でた ギチギチの穴の中へ…榊原の指が…入り込む… 「ゃ……ぃやぁ…伊織…ダメぇ…」 腸壁を撫でられ…康太は…首をふった 「僕の…康太…愛してます…」 「オレも…愛してる…伊織…ぁん…愛してる…」 康太は榊原の背中を掻き抱いた… 尽きない欲望の炎に焼かれ… 互いは求め合った… 榊原は康太を求め…康太の中へ…精を吐き続けた… 康太は榊原の熱に翻弄され… 榊原の腹に…精を吐き続けた… 互いの体を抱き締め… 隙間もなく抱き締め…抱き合い… 互いを求め合った 熱が冷め…康太は榊原の胸の上に乗り… 頬を擦り寄せた 榊原の指が…康太の頭を撫でた 「康太…大丈夫ですか?」 「ん…怠い…」 「何故…猫の格好をしていたんですか?」 榊原が疑問を康太に投げ掛けた 「一生にコスプレを頼んだんだ… そしたら…アイツ…猫の格好を買ってきやがった…」 「一生に……?でも何故?」 榊原は……疑問を投げ掛けた 「伊織に可愛がって貰おうと思ってな… んとは、メイドか何かって言ったんだけどよぉ でも猫しかねぇなら仕方ねぇかんな! 猫の格好で、伊織を待ちたかったんだ…」 何とも…まぁ…可愛い事を… 榊原は康太を抱き締めた 「ドキッとしました…」 「喜んでくれた?」 「ええ。でも寝室に君が居なかったので…少しだけ心配していました… リビングにいなかったら探しに行こうと考えていました…そしたらソファーに寝ていて… 信じられない想いでしたよ…」 「伊織を待ってて…眠くなった…」 「そんな事を言うと…離せませんよ?」 「……これ以上は無理…腹減ってるし…」 「でしょ?体を洗って…キッチンに行きますか?」 「ん。行く」 「…猫の姿…可愛かったですよ…」 「……一生はそこら辺の猫の方が可愛い…って言ったもんよー」 康太が怒って榊原に言う 榊原は笑って 「僕の康太の方が誰よりも可愛いに決まってるじゃないですか! あんまりにも可愛いから、股間に直撃でした!」 「なら…猫になった甲斐あった… 伊織を喜ばせたかったんだかんな!」 「喜びましたよ…止まれなかったでしょ?」 「…伊織…愛してる…」 「僕も愛してますよ。奥さん」 「伊織…」 康太は榊原の首に腕を回し…抱き着いた 榊原は康太を抱き締めまま立ち上がると、浴室に連れて行き…体を洗った

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