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ⅩⅠ
先生の姿を思い浮かべる。
「……関係って、僕のクラスの担任でしょ。先生と生徒」
真冬は隠す。バレたんだろうとわかった上で、それでも隠す。先生との約束があるから。
『真冬、俺達の関係は誰にも言ったらダメ』
朝冬は、仰向けに寝ていた体勢を変えて横に向き、「そっか」と一言。
そこで二人の会話は途絶える。
ずっと目を閉じているのに、なかなか眠りに落ちない長い長い夜が明けた。
朝冬にとっても。真冬にとっても。
翌朝、何時のまにか眠ってしまっていた真冬が目を覚ます。時間を確認する為に携帯を見れば、いつも設定しているアラームが鳴る5分前だった。
「ん……。あさ、と……?」
朝冬から珍しく届いたメッセージを開く。
『机の上。俺からのラブレター。
なーんてな』
すぐにベッドから出て、上を見上げた。
人がいる気配は感じず下と繋がる梯子を登って見ても朝冬はもう居ない。乱れた布団と枕元にある充電器がさっきまでここにいたとリアルに思わせる。
(なんだか……。嫌な予感がする)
心臓の鼓動が嫌に脈打つ。双子の勘なのか、一気に今までの兄の姿が脳裏にフラッシュバックする。
かつてないくらいに素早く支度を済ませて、真冬の机の上にポツンと置かれた手紙とは言い難い折りたたまれたルーズリーフを手に取る。今ここで読むすよりも探し出したほうが早いと、本能が身体を動かし、真冬を学校へと向かわせた。
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