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ⅩⅡ

―― 真冬へ 手紙とか書いたことねーからさ、どう始めればいいのか分からないけど、まずはごめん。 真冬は誰にでも変えられない唯一の俺の弟だ。でもこれだけは、譲れない。 俺、立木先生と付き合ってる。恋人として、彼氏として、彼女として、人として愛してる。  昨日の放課後、真冬が先生とキスしてるの見ちゃった。まさか、そんなはず無いって思いたかった。夢であれ。どうか、現実じゃありませんように。って願ったよ。 けれどさ、朝起きて真冬の首元に見えた印が、これは現実だよって突きつけた。残酷だよな。こんなの。 救い出す手は何処にも無いから、俺はこのまま果てへと沈む事を決めたんだ。 真冬、お前は前に進めよ。自慢の弟なんだから。 何度も言うけど、ごめん。 先生が俺を愛している間に、片をつけないと。 バイバイ。 朝冬

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