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日を追うごとに想いが強くなる。
━━━━伊織に会いたい。
あんな酷い仕打ちをした俺が言う資格はないのは分かってる。でも、お前に会いたいんだ。
意を決して、スマホを掴む。
許されなくてもいい。一言謝って……
とにかく、声だけでもいいから聞きたい。スマホをグッと握り、震える手で伊織の番号をコールした。何から話そう。まずは謝って……
『この電話番号は現在、使われておりません。番号をお確かめの上、おかけ直しください』
電話口に流れる案内を聞いて、電話を切った。繋がらない電話に呆然としてしまう。ラインもメールも同じだった。
話もしたくないってこと……?
先に切り捨てたのは俺。
当然か。あんな酷い言葉を言われたら、誰だって冷める。
もう、俺を好きでいてくれた伊織はいない。
『伊織。傷つけてごめん。俺━━』
『兄さん……』
優しく微笑まれて、手を伸ばす。
『嘘つき』
伊織の冷たい声にヒヤリとする。
『もう、アンタなんか兄さんじゃないし、好きでもない。 人の気持ちを弄ぶ最低人間。 嘘つきは大嫌いだ』
蔑むような表情に温度が下がる。
『伊織……』
言い訳したいのに、言葉が何も出なくて、戸惑いつつ、もう一度、手を伸ばす。触れたら、伊織は霧のようになって消えてしまった。
ガバッ!慌てて起き上がる。そこは自分の部屋だった。なんだ。夢か……
リアルすぎて、まだ心臓がドキドキしてる。
不意に目頭が熱くなり、頬に涙が伝う。なんで涙が。俺には泣く資格なんてないのに……
━━でも。
会いたくて会いたくて、胸が痛い。
本当は抱きしめてくれた時に、言葉にできない幸せを感じていた。『好きだよ』、何度もくれた言葉に罪悪感を感じるようになってた頃から。
気が付かなかったわけじゃない。ただ、目を逸らしたかった。俺のことを愛しそうに見つめる優しい伊織を思い出す。
いつの間に俺の方が落ちてたんだ。気付いても、遅すぎるけど……
━━━━伊織が好き。
自分で思うよりもずっと、お前のことが好きだった。
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