「あ…ああ…」 　ケイの寝室のベッドの上で俺は裸でケイに貫かれていた。 　ケイの男根は俺のよりもずっと太くて堅く大きい。標準より長い気がした。俺のは標準だ。うん。 　繋がっている部分が擦られて赤くなっている。初めて受け入れた時から何もせず過ごしていたせいで、処女の時のように堅く閉じていて、ケイが面倒がらずに丁寧に慣らしてくれた。 　そして俺はベッドに四つん這いになって尻を高く掲げて、背後から獣のように犯されている。 　あちこちキスされて、前もさんざん弄られて泣きそうになるまで快感を与えてくれるくせに、簡単にはイかせてくれずに我慢させられた。 　そうなるともう俺は乱れて欲しがってしまう。 「もっと…奥まで…欲しい…あっ…ケイの、熱くて太い、ペニスを突っ込んでっ…」 「突っ込んで？突っ込んだらどうして欲しい？」 ケイの低音が耳を犯す。その声が俺のペニスに熱を籠らせる。 「あっ…中、かき回して、擦ってッ…」 「こうか？」 　パンパンと尻に腰をぶつけて激しく抽挿される。揺れる体がずり上がらないように俺はシーツを両手に握りしめて支えた。 　最奥に押し込まれたまま、腰を回されて中を広げるように掻きまわされた。ぎりぎりまで引き抜かれて、亀頭で前立腺を刺激される。目の前がスパークする。 「ひ、あ、あっ…あっ」 　びくびくっと身体が震えて、後孔がきゅっと締まる。射精はまだしていない。しかし俺は達してしまった。まだ、波は引いてない。 「ケイッ…やっ…変…気持ち、イイっ…イっちゃう…またイくっ…あっ…あっ…ああっ…」 　何度も何度も波が来る。その度に頭が真っ白になる。こんな快感、味わったことがない。 　後孔はその度に中の男根を締め上げた。 「タカシ、すごくいいぞ？きつく締めつけて絡みつく。中は熱くて蕩けそうだぞ？…はっ…俺も、イきそうだ…」 　ケイの抽挿が激しくなる。きゅうきゅうとケイのペニスを俺の内部が締め付ける。中でケイが堅さを増して緊張するのがわかった。 「あっ…あっ…あああっ」 「く…」 　俺は達したが、射精はせずに果ててしまった。ケイの精液が奥に勢い良く吐き出されて、奥まで突きこまれたまま小刻みに揺さぶられた。凄く気持ちいい。 　そのまま、片足を持ち上げられてケイが肩にかけた。間にケイの足が入ってくる。腰がまた揺さぶられた。 　俺のペニスがケイの足に当たってぺちぺちと音を立てた。その刺激に先端からピュッと精液が吐き出された。 　軽く達してしまったようだった。でもまだ萎えてはいない。 「あんッ…あっ…イイ…もっと…」 「もっと？」 「ケイでいっぱいにして…中に奥にいっぱい出して…ッ…ケイがいっぱい欲しい…」 　中でまたケイのペニスが大きくなった。内壁を広げるように体積を増す。 「まったく、快楽に素直だな。タカシの身体は…生でしないんじゃなかったのか？」 くくっとケイが笑う。 「イイっ…ケイだから欲しい…ケイので擦られたい。ケイの熱いのでめちゃくちゃにされたいっ…」 　足を下ろされて引き起こされた。対面になってケイの腰の上に跨った。腰を俺も揺らした。ケイにしがみついてもっと奥にと腰を擦りつけた。 「ほんとに…お前はっ…ほら、やるぞ？お前の下の口にいっぱい注いでやる。」 　腰を浮きあがらせて突き上げてくる。ぐちゅぐちゅと水音がする。 「あふっ…も、わけわかんなく…なるッ…あっ…ペニスも弄って…ほし…ぃ…」 　そう言いながら俺は自分のそれを弄ろうと手を伸ばすがその手をケイの背中へと回されて背をベッドに押し付けられた。腰を高く掲げられて膝が顔にくっつきそうだ。体重をかけられて奥へと突きこまれる。 「ふあ、あ、あっ…あっ…」 　掲げられたせいで繋がっている部分が見える。見上げたケイの表情が色に浮かされて俺を喰い殺すようなそんな表情だ。俺があんな顔をさせてるかと思うと嬉しくて心臓が跳ねた。 　そんなことを思った矢先から快感がまた、次から次へと押し寄せてきて、なにも考えられなくなった。 　手が俺のペニスに添えられた。やっと待ちわびてたところに刺激が加わる。扱かれて限界を迎えた。 「あっ…あっ…イく、イくよぉ…あっ…ああああああーーーッ」 「タカシっ…」 　ケイのペニスが限界まで張りつめて、達したのがわかった。俺もほぼ同時に達して、精を吐きだす。俺の精液は俺の腹や顔にまで飛び散って、酷いことになった。ケイは奥に吐き出して、俺の腰を下ろした。だけど、まだ突っ込まれたままで、ゆるゆると抽挿を軽く繰り返してる。 「はあ…はあ…」 「そんなに敏感だと、身体が持たないぞ？」 　俺の身体を揺らしながらそんなことを言ってくる。誰のせいだと問い詰めたい。俺だって自分がこんなに…こんなに快感に弱いなんて思ってなかったんだ。そもそも、こんなセックス、ケイとが初めてだったんだから。 「こんな俺は嫌い？」 　だから、質問で返す。 「いや？どちらかと言うと好物だな。身体の相性はいいようだ。タカシとするセックスは満足感がある。生でするなと怒られたが…」 　あ、まだ根にもってるのかな… 「それは…俺に、ゲイの遊び方を教えてくれた人が…ゴムしてやれって言ってたから…あのバーを教えてくれたのも、その人だし。ほんとはキスもするなって言ってたし。しちゃったけど…」 　なぜだか、ケイの機嫌が悪くなっていくようだった。 「ケイ？何か、怒っている？」 　起き上がろうとして締め付けてしまった。 「俺は、タカシは初めてだったと思っていたが…そう、言ってただろう？そんなことまで教わるようなやつがいたとは、思わなかった。それだけだ。今度から、ゴムはするし、キスもしない、それでいいか？」 　なんだろう、これ、何かわかんないけど、説明しなきゃいけない気がする。 「え？俺が、童貞でまだ誰とも付き合ったことがない時に、生粋のゲイで悩んでた時に、叔父さんが…あ、父さんの弟なんだけど、凄くもてるのに独り身だから不思議で…もしかしたらって聞いてみたら、バイだったんだ。今はゲイよりだって聞いたけど。出会いとかないし、どうしたらいいか聞いたら遊び方を教えてくれて。その時に誓わされたのがそれ。多分、病気を心配してのことなんだと思う。 　まあ、それでも、恋愛経験ゼロのタチを２回やった程度の経験値で、ケイに挑んだのちょっと無謀だったかなあと思ったけど。キスって気持ちイイものだって知ったし…してなかったの後悔したんだ。生も凄く気持ちいいし。」 　話しているうちにまたケイの眉間に皺が。あれ？ 「ちょっと待て、女とも、付き合ったことはないのか？」 「俺子供の時から男にしか興味なかったから。ないよ？」 「男とも？」 「付き合ってたら、あのバーには行ってないよ。多分。」 「俺とキスしたのが初めてとか言わないだろう？」 「え。えっと…言わなきゃダメ？」 　真っ赤な顔で上目遣いに見た。 「言ってみろ？」 　凄まれた。 「はい、初めてでした！下手ですみません！」 　思い切り深いため息が聞こえた。 「まあ、いい。もうバーに行くなよ？タカシは頭でっかちで無防備すぎる。」 　そう言いながら、ケイは俺の身体に散った精液をなんと舐めて綺麗にしてくれた。その行為にまた火がついて、俺が欲しがってしまって、もう一戦、やってしまった。 　気が付いたらもう日が落ちていた。 　漫画喫茶よりずっと有意義な休日になった。 　夕飯までご馳走になって、俺は恐縮した。ケイは家事全般プロ級に違いない。 「タカシ、一応今さらだが、言っておく。蕪木敬、が俺の名前だ。タカシは？」 　本名を名乗ってくれた。 「佐久間隆史。２４歳独身。」 「年齢までは聞いていない。２４？もっと若いかと思ったぞ。俺は３２だ。連絡先だ。抜きたかったら連絡してこい。」 　メアドを交換した。ラインはしてないってことだった。 　え、なに、セフレってこと？ 「お、俺年末年始暇だけど…」 　ちょっと遠慮がちに言ってみた。 「ああ、その頃は俺も休みだ。泊まりに来るか？年越しセックスに姫始めか。隆史はほんといやらしい奴だ。」 　くくくっと笑われて、俺は口を尖らせた。 「年末年始ずっとしていたいくらいいやらしい奴ですー」 　と、舌を出して言ったらその舌を掴まれた。鼻先を擦り合わせられて舌を舐められた。 　 間近に見つめられて心臓が跳ねた。 「わかった。詳しくはメールする。風邪なんかひくなよ？」 　咬みつくようにキスされて、その日はそれでお暇した。 　夢、みたいだった。