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第2話 我慢できない

「ちがうのっ!」 「何が違うんだ?」  ぎしりと音を立てて近づいてくる伸弥の姿に咲夜の頭には「どうしよう」しか浮かばなかった。どうにも、できない状況にあるのは目に見えているのだが。   「んむぅ」  何よりも愛し気に咲夜の咥内が撫でられる。舌先で歯茎舐められると背筋がしびれた。  毎日どんなにキスをしても、この行為になれない咲夜は必死で伸弥の舌を追いかける。 「はぁはぁ、んっ」 「一人でできたのか?」 「ううんっ」 「こんなに濡らしてるのに?」  伸弥の指がゆっくりと太ももの付け根を撫でまわす。  擽ったさと快感の狭間に揺れながら咲夜は声を漏らさないように息をのんでいた。  咲夜はその様子が伸弥を煽るなど知りもしない。  幼さを残す頬を赤く染め、大きな瞳に涙を滲ませる少年は、美味しそうな甘い匂いを醸し出しているのだ。どんなに美味しそうなケーキでも、紅茶でも、砂糖菓子でも、この香りに勝るものはない。  口の中によだれが溢れる。早く食べてしまいと本能が伸弥に伝えていた。 「ひゃぁ!っあぁんっ、しんやさんっ?っ、んっむっ!」  柔らかく握った咲夜の性器はすでに硬く反りかえていた。  だらだらと垂れる精液が指の滑りをよくしていく。そのまま下へと指を滑らせていくと濡れそぼった蜜蕾にたどり着いた。 「もうこんなになってるぞ?」  馴染ませるように指で優しく撫でてやると期待に応えるように入り口が動く。焦らすような動きに咲夜は伸弥を睨みつけた。自分が何が欲しいかを知っているのに、傷つけたくないから、痛くないように、と毎回時間をかけるのだ。  そんなのはいらない、と幼さを残した唇が啼いた。   「はやくっ、しんやさんっ?ちょうだいっ」  正気を失ってしまうような光景が目の前で繰り広げられている。  色白の太ももを大きく広げ抱えた咲夜が、はやくはやく、と伸弥を誘っているのだ。これにノーと言えるほど、自分はできた人間ではないと苦笑いをするとグズグズに蕩けてきた番の唇を奪った。

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