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ほろ苦い恋心とワンコ 6
津田は俺の目を真っ直ぐに見つめていた。
まるで全ての時間が止まったと錯覚するほど、音が一切聞こえなくなった気がするくらい津田の瞳は俺を惹き付ける。
ゴクリと唾を飲み込む音がやけに響いたかと思えば、堰を切ったかのようにあらゆる音が動き出した。
心臓がうるさい。
そしてまた津田の顔が近付いてくるも、目を逸らすことが何故か出来なくて。
気付いたら息を荒くした津田に掴まれた肩が痛いくらい引き寄せられていた。
「俺が好きって意味は、こういうことなんですよ」
次の瞬間。顔が近付いて荒々しく唇を押し付けられたかと思えば、ガチッと津田の歯が音を立てて当たった。
「痛ッ……お、おま……ッ……」
胸を押し返すと津田の体の中心部が盛り上がっていることに気付いてしまい、息も荒く目も据わっているように見えた。
「ちょっと……待て…ダツ……」
じりじりと熱く焼け付くような視線が痛いくらい突き刺さる。
掴まれた肩を振りほどこうとしても、それをそれ以上の力で津田が掴むから逃げられる気がしない。
「ごめんなさい。おさめようと必死なんですけど……」
言葉では謝罪を並べるも、ハァハァと荒げた息が耳元にかかり正気を失っているんだと思った。
明らかに高揚した顔。荒い息。震える手。そしてなかなかおさまる気がしない津田のソレ。
固まったまま、ただ時間が過ぎるのを待っていると、津田がおもむろに自分のスウェットの中へと右手を入れた。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
何をする気だ!! と津田の手元に視線を落とせば、謝りながら取り出した津田のモノは大きく腫れ上がっていてその先からは艶かしい蜜が光っている。
そしてそれを扱きはじめればグチグチと音を立てて、俺は凝視したまま言葉を失い固まってしまった。
「ごめんなさい。先輩を怖がらせたくないのに……傷つけたくないのに……」
なんでこんなことになっているんだろう。これはどういう状況なんだ?
右手を動かしたまま、その間に津田の口から出てくるのは俺への謝罪の言葉ばかりで、部屋には水気を帯びた音が響いていた。
手の動きが速まると同時に息遣いが小刻みになって耳にかかる。
それはすごく熱くて衝撃で、そのモノがビクビクと撓りだした頃、津田が俺の首筋から顔を上げた。
「先輩……」
熱を帯びた掠れた声で呼ばれて、津田と目が合った瞬間。
こんな顔もするのか…───。
初めて見る津田の男っぽい顔にドクンと胸が撓ってゴクリと唾を飲み込んだ。
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