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逢いたいワンコ 8

「え?」 その言葉が耳に届くと、びっくりして体ごと津田の方に振り向いた。 目に入った津田は優しそうに微笑んでいて、また胸がドクンとしなる。 「言ったでしょう? 俺は常に先輩の100倍は先輩のことが好きです。例え先輩が俺を嫌いになっても、ずっと好きです」 「え……」 俺、あんなに酷いことしたのに。まだ好きとか思ってくれているのか。 すると津田が呆然としている俺の顔を不思議そうに覗き込んだ。 「なんで、そんなびっくりしたような顔してるんですか?」 「……俺はもうお前にも嫌われたと思ってたから」 「どうしてですか?」 「俺……無神経だったじゃん。それにお前も避けるし……。でも、よかった」 まだ好きでいてくれたんだと思うと心からホッとして、全身の力が抜けたように脱力したままベンチの背もたれにもたれかかった。 すると、気が緩んだのか涙がポロポロと零れ落ちてくる。普段、絶対に泣いたりしないんだけど。 「えっ、先輩。なんで泣いてるんですか!?」 「なんかホッとして……すまん」 「いや、いいですけど。はい、ハンカチ」 「ありがとう」 もらったハンカチで涙を拭うと心配そうにおろおろしながら俺の顔を見てる津田の顔が面白くて、思わず噴出すように笑ってしまった。 いいなぁ、この空気。好きだなぁ。 俺の様子をみながら津田がオロオロしたりする感じ。 喋らなかったのはほんの数日だったのに、すごく懐かしく感じる。 「お前さ、そんなに俺のこと好きか?」 いつもの調子を取り戻しつつ冗談っぽく聞けば。 「はい、好きです」 すぐにキラキラした目で俺をまっすぐに見つめ、即答してくれた姿に心が軽くなった。 そして津田の頭には今までみたいに犬耳が見えた気がした。 それがまた可愛く思えてそっと津田の頭に手を伸ばして、ポンポンと撫でてやる。 すると津田の髪に触れた瞬間、俺の中から愛しいって気持ちが溢れ出した。 俺が頭に触れて、少しだけ頬を染めた姿にも嬉しくなる。 暖かくて気持ちがいい。そして大きな安心感も混ざって心地よい爽やかな気分だ。 でもそんな気持ちは心だけに留めておくにはあまりに大量で、気がついたら口に出てしまっていた。 「俺も好きだな。うん、津田が好きだよ」 ボソッと呟くように言うと、津田は驚いたように目を見開いて頭を撫でている俺の手を力強く掴んだ。 「す、す、す、す、すきって!? えっ! どういう意味ですか!!」 「慌てすぎ」 「慌てますよ。慌てるに決まってるじゃないですか!」 ホント、愛しいな。今までにない穏やかな気持ちだ。 そして今までにないくらい好きって気持ちが大きい気がする。 津田のお陰で、俺は好きな人に大好きだって自分の気持ち全部を差し出せそうだ。

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