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オトコなワンコ 6
「いい加減にしろ!」って叫ぼうとしたとき。
津田の舌先が胸の突起を掠めた。
「んっ……」
なんだかその瞬間だけはゾクゾクとして毛が逆立つような妙な感覚が全身を走る。
何、今の。
男も感じるのか、乳首って。
悪くない感覚だったけど、そんな俺の変化にも気付けていない津田はとりあえず舐めたいだけ舐めているといった感じだ。
これだから童貞は……。と内心諦めてため息をつき、うっかり気を抜いてしまった次の瞬間、ガチャガチャとベルトを外されて下着ごと一気にズボンを引っぺがされてしまった。
つか、今までモタモタしてたくせに、なんでこれだけ早業なんだよ‼︎
そして一瞬にして全裸に近い状態になった俺を目の前に、更に目を血走らせ大きく息を吐いた津田を見て。
これはちょっと……。いや、かなりヤバイかもと思った。
とりあえず逃げないと。一度、離れて冷静にさせないと。
それから、もう一度仕切りなおすんだ。
ズボンを脱がされた時に腕が自由になったから、一度この場を離れようと腰を上げて一瞬だけ背を向けた瞬間。
がっしりと腰を掴まれて津田が俺の臀部をもみしだき、息がかかるくらいに顔を近づけて後孔を見ているのがわかる。
しまった……。
迂闊に背中なんて向けるんじゃなかった。
後悔しても遅く。
逃げるすべもなく、今度は津田が自分のベルトを外す音が耳にはいる。
片手で器用に外す反対の手ではしっかりと俺の太股が捕まっていた。
言い知れぬ恐怖というか、危険信号が鳴っている。
これは逃げないと本気でヤバイ。
「ダツ!! 待て!! 待つんだ」
「ハァハァ……」
「お、落ち着け‼︎ おい! おいってば‼︎」
ダメだ。全然聞いちゃいねぇ。
ため息をつきながら目を伏せた時に、津田の反り勃ったモノが視界に入った。
ん? 見間違いか?
一瞬そう思ったんだが、もう一度津田のモノを確認してみればそこには明らかに規格外のモノがそそり勃っていた。こないだ家で見たときはズボンの中から先だけしか見えなかったし、大きさなんてわかんなかったし。
デ、デカイ……。なんだアレは!
もはや凶器じゃねぇか!!
あんなのいきなり入れられたら絶対に裂ける!
つか、俺は童貞ではないが処女なんだぞ!!
「ダツ!! ま、まさか、いきなり入れたりしないよな?」
問いかけも虚しく、その声は耳に届いていない。
完全にイッちゃった目をしながらその禍々しいモノが後孔にあてがわれば。
サァーっと血が引いていくような気がした。
「待て!! 待ってくれ‼︎ いきなりは無理だ!! 俺もそこは初めて……」
でも次の瞬間、めり込むような感覚が全身に走る!
「ヴッ……」
あまりの衝撃に息がうまくできなくて声が詰まる。
自分になにが起こったのか、パニック状態に近い。
そして次第にいろんな感覚が体に戻ってきて、最初に感じたのは鈍い痛みだった。
「…いっ、痛…、痛ぇ────ッ!!」
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